シーン57: 「瘴霊の王グリーヴァス――絶望の咆哮」
工場跡の混沌――瘴気の拡大
死の都市ガルデアの中心にそびえる瘴核炉が、不気味な音と共に振動し続けている。その中心から生まれた**「瘴霊の王グリーヴァス」**は、瘴気を広げながら工場跡全体を支配し始めていた。天井からは錆びた機械が崩れ落ち、床にはひび割れた隙間から黒い霧が立ち昇る。
グリーヴァス
「人間どもよ……再び愚かな過ちを繰り返すか。欲望こそが我を蘇らせたのだ。」
その姿は、影と瘴気が複雑に絡まり合った巨大な異形――複数の腕が伸び、口からは無数の黒い光が漏れ出している。
和成
「こんなバケモン、どうすりゃいいんだよ！」
彼は剣を握り、汗を拭いながら叫ぶ。「だが逃げるわけにはいかねぇ！アルカディア、行くぞ！」
葵
「あの核だ。7が示した場所――そこを狙う！」
葵は暁天の双刀を抜き、仲間たちに合図を送る。「総力戦だ、みんな！」
瘴霊の軍勢――亡霊兵の大行進
グリーヴァスが手を振り下ろすと、瘴核炉から無数の亡霊兵が吐き出される。彼らは鉄の刃や黒い瘴気をまとい、アルカディアへ一斉に襲いかかる。
みのたん
「うるせぇ鉄クズどもが！全部ぶっ壊してやる！」
彼は巨大な斧を振り回し、亡霊兵を次々と叩き潰していく。しかし、倒してもすぐに別の兵が現れ、彼の動きを阻む。
夏美
「数が多すぎる……！これじゃキリがないわ！」
夏美は冷気の魔法で兵たちを凍らせ、足止めを試みる。「和成、前を任せたわ！今のうちに核へ！」
ChinaRibonn
「みんな、しゅごい！私も負けないっ！」
ChinaRibonnが光のバリアを展開し、仲間たちを守る。その光が瘴気を少しずつ押し返し、戦場に小さな光明が差し込む。
ひよわ
「敵は無限に湧いてくる……あの核を破壊しない限り終わらない！」
ひよわが短剣を投げ、亡霊兵を翻弄しながら叫ぶ。「7、次の道を示してくれ！」
7（なな）の光――闇を裂く道標
7（なな）が光を強く放つと、その光がグリーヴァスの体の中央にある核を照らす。核は黒い瘴気に包まれながらも、不規則に脈動している。
和成
「そこか……！よし、全員であの核を狙うぞ！」
葵
「瘴気に飲まれないよう気をつけて！光を頼りに進むのよ！」
アルカディアの一行は亡霊兵を突破し、グリーヴァスの体の中心へと向かっていく。その光景はまるで光と闇の戦いそのもの――小さな希望が、絶望に立ち向かっていく姿だった。
総攻撃――グリーヴァスとの決戦
グリーヴァス
「愚か者どもが……我に抗うなど無駄なこと！」
グリーヴァスが瘴気の触手を無数に伸ばし、仲間たちを飲み込もうとする。触手の先端は刃のように鋭く、少しでも当たれば命を落としかねない。
みのたん
「来やがれ！こんなもん、力で押し切るぜ！」
みのたんが触手を斧で弾き飛ばし、仲間たちの道を切り開く。
夏美
「氷結の牢――動きを止めるわ！」
彼女の魔法が触手を凍らせ、グリーヴァスの動きを鈍らせる。しかし、すぐに瘴気が氷を砕き、さらに触手が襲いかかる。
ChinaRibonn
「みんな、光で守るよっ！がんばれぇ！」
ChinaRibonnの光のバリアが仲間たちを守り、闇の瘴気を押し返す。しかし、彼女の魔力も限界に近づいていた。
和成
「今だ！全力で核を叩く！」
葵
「7、力を貸して……！」
7（なな）の光が仲間たちを包み込み、全員の力が核へと集まる。
和成
「おらぁぁっ！」
剣を振り下ろし、光の一閃を核に叩き込む。
葵
「暁天の双刀――裁断の一閃！」
葵が核に双刀を突き立て、その瞬間、グリーヴァスの体が激しく震えた。
グリーヴァス
「グアアアア……！我が力は……人間どもの愚行によって……永遠に蘇るのだ……！」
核が砕けると同時に、グリーヴァスは絶叫を上げながら闇の塊となって崩れ去った。
静寂――都市の再びの眠り
グリーヴァスが消滅すると、工場跡は静寂に包まれ、瘴核炉の振動も止まった。辺りに漂っていた瘴気が少しずつ晴れ、死の都市ガルデアに静けさが戻ってくる。
ChinaRibonn
「やったぁ……！終わったよね？」
彼女はその場に座り込み、7（なな）をぎゅっと抱きしめる。「7ちゃん、ありがとう！」
和成
「ああ……終わった。」
彼は剣を地面に突き立て、深い息を吐く。「だが、これで終わりじゃねぇ。また次が待ってる。」
夏美
「グリーヴァスが言っていたこと……“人間の欲望”が彼を生んだって。」
彼女は複雑な表情で呟く。「これは私たち自身の問題なのかもしれない。」
葵
「人間が選んできた道……それが今の試練に繋がっている。」
葵は静かに前を見つめる。「それでも、私たちは進むしかない。」
