表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/100

シーン55: 「新たな歪み――人の欲望、裁定者の影」

遺跡からの帰還――異変の予兆

北の遺跡で守護者エクリプスを倒し、闇と光の遺産の均衡を守ったアルカディアの仲間たちは、遺跡の外へと戻ってきた。静寂が広がる山岳地帯。空は澄んでいるが、どこか不穏な空気が漂っている。


和成

「ようやく終わったな……。ここから一度、拠点に戻って休むとしよう。」

彼は肩の力を抜き、遠くの地平線を見つめる。「だが、何かがおかしい……気のせいか?」


夏美

「空気が変わったわね。まるで、世界そのものが何かを待っているような……。」

彼女は眉をひそめ、周囲を警戒する。「遺跡を守っていたエクリプスがいなくなったことで、均衡が揺らぎ始めているのかもしれない。」


ChinaRibonn

「でも、みんな頑張ったんだから、一回休憩しよー!」

彼女は7(なな)を抱きしめ、嬉しそうに言う。「ね、7ちゃん?もうちょっとだけ、ゆっくりしようよ!」


7(なな)は静かに光を放ちながら、遠くの空を見つめる。その光はどこかいつもより落ち着きがなく、まるで何かを感じ取っているかのようだった。


一方、人類側――政府と富豪の暗躍

北の遺跡での出来事は、人類側にも報告として伝わっていた。政府中枢では、裁定者の試練やアルカディアの動きが議題となり、混乱と焦燥が広がっていた。


豪奢な会議室の中央に座る政府高官たちと、実業家、富豪たち――彼らは自分たちの権力と生存だけを考え、不穏な計画を練っていた。


政府高官A

「また奴ら――アルカディアか……!」

彼は机を叩きながら怒りを露わにする。「遺跡に眠る力を封じただと?馬鹿な!あの力を手にすれば、我々は裁定者をも凌駕できるかもしれないのだぞ!」


実業家B

「そうだ、全く……遺跡に封じられている“闇の力”こそが新たな世界を生む鍵だ。」

彼は薄笑いを浮かべながら言う。「それを利用し、新たな秩序を築く――我々が“神”となる日も近い。」


政府高官C

「……だが、裁定者が見ているのを忘れるな。」

彼は震える声で諫めるが、他の者たちの威圧的な視線に押し黙る。「……我々が手を出せば、何をされるか分からん。」


貴族E

「フフ……臆病者は黙っていてくださいな。」

彼女は優雅に紅茶を口にしながら言い放つ。「力ある者だけが生き残る――この理は古来から変わらないものですわ。」


その時、会議室の隅に立つ一人の影――カルト教団の使者が、ニタリと笑いながら一歩前に出た。


カルトの使者

「皆様、ご心配には及びません。我らが司祭たちは“裁定者”の意志を完全に理解しています。人類を生贄に捧げることで、新たな楽園が訪れるのです。」


政府高官A

「ふん、その戯言には興味はない。だが……貴様らの“力”は利用できそうだな。」

彼は目を細め、冷笑を浮かべた。「我々と手を組めば、お前たちにも利があるだろう。」


会議室には、欲望と裏切りが渦巻く――。それぞれが己の利益を追い、知らず知らずのうちにさらなる闇を呼び寄せようとしていた。


アルカディアの一行――次の道標

遺跡から拠点へと戻る道中、7(なな)の光が再び揺らぎ、遠くの地平線へと示し始めた。そこは荒廃した工業地帯――過去に人間が異界の力を利用しようとして失敗した**「死の都市ガルデア」**だった。


和成

「あの場所か……。あそこは人間の“罪”の象徴だ。」

彼は険しい表情で遠くを見つめる。「異界の力を手に入れようとし、逆に破滅した場所――もう二度と近づくことはないと思ってたがな。」


「でも、7が導いている。あそこに何かがあるのは間違いない。」


ChinaRibonn

「ガルデアって、なんか怖そう……でも、行くんだよね?」

彼女は少し不安そうに7(なな)を抱きしめる。「7ちゃん、お願いだから一緒にいてね!」


みのたん

「怖いなんて言ってられるか!行くしかねぇんだろ!」

彼は力強く斧を担ぎ上げる。「また変な奴らが出てくるなら、全部ぶっ壊してやるだけだ!」


ひよわ

「でも、あそこにはきっと人間の“欲望の残骸”がまだ残ってる。何かが待っているはずだ。」


裁定者の囁き――不吉な未来

その時、7(なな)が放つ光の中から、再び裁定者の声が響き渡った。


裁定者それ

「ガルデア――お前たち人間の“過ち”が残る地だ。」


和成

「また、お前か……!次は何を試すつもりだ!」


裁定者それ

「そこに眠る“力”は、均衡を揺るがす禁忌。お前たちがそれに手を伸ばすならば――裁定を下すまでだ。」


「……裁定者は、私たちに何を見せようとしているの。」


裁定者の声が消え、再び静寂が戻る。しかし、その言葉が仲間たちの胸に重くのしかかる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ