シーン54: 「遺跡の核心――闇と光の遺産」
遺跡の奥――閉ざされた扉
ガルガンティスの崩壊により、遺跡の最奥部への道が開かれた。アルカディアの仲間たちは7(なな)の光に導かれ、慎重に歩みを進める。吹き抜ける冷気と静寂が、どこか不気味な雰囲気を漂わせていた。
奥には巨大な扉が佇んでいる。その扉には黒と白の紋様が絡み合い、まるで光と闇が対立しながら共存しているかのように見えた。
和成
「こいつが……遺跡の核心か。」
彼は扉を見上げ、剣の柄を握りしめる。「まるで、光と闇が一緒になってるみたいだな。」
夏美
「これは“均衡”を示す紋様……。」
夏美が杖を扉にかざすと、光と闇の紋様が揺らめき始める。「この遺跡は、古代の者たちが異界と人間界の均衡を守るために作った場所なのね。」
葵
「均衡か……。」
彼女は扉に手をかけ、冷たい石の感触を確かめる。「裁定者が言う“均衡”は、こういうものなのかもしれない。」
ChinaRibonn
「でも、しゅごい……何かが眠ってる気がする。」
彼女は小さな手を胸に当て、怯えながらも前を見つめる。「7ちゃん、次はどうするの?」
7(なな)は静かに光を放ち、その光が扉の中心に差し込む。すると、扉は重々しく軋みながら開き始めた。中からは、不気味な黒い霧と共に、淡い光が漏れ出している――。
遺跡の中心――闇と光の遺産
遺跡の中心には、巨大な黒い球体と光の柱が対峙するように存在していた。黒い球体は不気味に脈動し、瘴気を放ちながら周囲の空間を歪ませている。一方、光の柱は清浄な輝きを放ち、黒い球体の力を封じ込めているかのようだった。
ひよわ
「これが……“闇の遺産”?」
彼は短剣を構えながら、球体から漂う瘴気に眉をひそめる。「なんて不気味な力だ……。」
夏美
「違うわ。これは“光”と“闇”の遺産……二つが均衡を保っているの。」
彼女は杖を握り、光の柱を見つめる。「もし、この均衡が崩れたら――何が起きるか分からない。」
和成
「なら、これは触れない方がいいんじゃねぇか?」
その時、遺跡全体が揺れ始め、黒い球体から低い唸り声が響き渡った。
???(闇の声)
「人間よ……その光は我を封じるもの。だが、我の力こそが真の解放だ……。」
葵
「誰だ……!?」
空間にひび割れのようなものが現れ、そこから影が漏れ出してくる。それは形を持たない黒い存在――闇の遺産の守護者だった。
守護者「エクリプス」
「均衡は必要ない……破壊こそ、次の世界への道だ。」
闇の守護者「エクリプス」との戦闘
エクリプスは影の塊となり、無数の触手や刃のような影を形成しながら襲いかかってきた。
和成
「うおっ!こいつ、どこから攻撃してきやがる!」
彼は剣で影を切り裂こうとするが、影はすぐに形を変え、反撃してくる。
夏美
「物理攻撃じゃ駄目!魔法で封じ込めるしかないわ!」
彼女は氷結の魔法で影を凍らせるが、エクリプスはすぐに形を変え、再び襲いかかる。「この力……無限に再生している!?」
ChinaRibonn
「光の力――みんなを守るっ!」
彼女の光のバリアが仲間たちを包むが、エクリプスの影が徐々にバリアを侵食していく。「うぅ……強いよぉ……!」
ひよわ
「弱点があるはずだ!7、教えてくれ!」
7(なな)が光を放ちながらエクリプスを睨みつける。その光がエクリプスの中心に小さな“核”を映し出した。
葵
「そこだ――あの核が弱点だ!」
総攻撃――エクリプスの封印
和成
「みんな、核を狙うぞ!一気に仕留めるんだ!」
みのたん
「ぶっ壊してやる!オラァァッ!」
みのたんが斧を振り下ろし、影の触手を切り裂いて道を作る。
夏美
「氷結――核を縛れ!」
彼女の魔法が核を凍らせ、エクリプスの動きを封じる。
ChinaRibonn
「光の導き――みんな、届けぇぇっ!」
彼女の光が仲間の力を増幅し、核に向けて一斉に力が集中する。
葵
「終わらせる――暁天の双刀、均衡の一閃!」
葵が核に双刀を叩き込むと、エクリプスは悲鳴を上げ、影の塊が四方へ弾け飛んだ。
エクリプス
「グ……我は……滅びぬ……人間の愚行がある限り……。」
エクリプスの姿が光の中で消滅し、遺跡の中は静寂に包まれた。黒い球体の力は収まり、光の柱が再びその場所を支配していた。
均衡の選択――裁定者の囁き
その時、裁定者の声が遺跡全体に響いた。
裁定者
「よくやった、人類よ。だが、忘れるな。均衡は常に揺らぎ続ける……お前たちがそれを保ち続けられるかどうか――それを見極めるのが我の役目だ。」
葵
「均衡を……保つ?」
裁定者
「闇は光を生み、光は闇を生む。次なる試練に備えよ……。」
その言葉と共に、遺跡全体が光に包まれ、7(なな)の体から淡い輝きが放たれる。
和成
「次の試練か……。」
ChinaRibonn
「でも、みんながいるから大丈夫!絶対に乗り越えられるもん!」




