シーン51: 「絶望の淵で――バルバスの狂宴」
狂気の広場――広がる呪い
アルカディアの仲間たちは広場に立ち、目の前で異形の怪物へと変わり果てた人々と対峙していた。カルト教団司祭バルバスは広場の中央に立ち、黒い霧を操りながら狂ったように笑い続けている。
バルバス
「フハハハハ!人間どもよ、これが“救い”だ!弱者は絶望し、真の力ある者のみが楽園へと招かれる!」
彼の杖から放たれる黒い霧が空間を包み込み、さらに多くの人々が怪物へと変貌していく。
和成
「……これが“救い”だと?ふざけんな!」
彼は剣を構え、バルバスを睨みつける。「人を怪物に変えるなんて、何が楽園だ!こんなもん、ただの地獄じゃねぇか!」
葵
「このままじゃ街が滅びる……。バルバスを止めるしかない!」
葵は「暁天の双刀」を手に、立ち塞がる異形の怪物たちへ突進する。「みんな、協力してバルバスを倒すぞ!」
激戦開始――異形の波との戦い
広場に満ちる呪いの霧の中で、怪物たちがアルカディアの仲間たちに襲いかかる。
みのたん
「おらっ、こいつら!ぶっ壊してやる!」
みのたんが巨大な斧を振り回し、次々と怪物を叩き潰す。しかし、倒したはずの怪物が黒い霧と共に再び立ち上がり、襲いかかってくる。
みのたん
「ちっ、キリがねぇ!何度でも蘇りやがるのか!」
夏美
「黒い霧が彼らを再生させている……!源を断たなきゃ、この状況は変わらないわ!」
夏美は冷気の魔法で霧を凍らせ、再生する怪物たちの動きを止めていく。「みんな、バルバスに集中攻撃を!」
ChinaRibonn
「守るよー!みんな、光の力でがんばってー!」
彼女の光のバリアが仲間たちを包み込み、呪いの影響を防ぐ。「7ちゃん、お願いっ!道を示して!」
7(なな)
「にゃっ……!」
7(なな)の光がバルバスに向かって放たれると、黒い霧が一部消し飛び、彼の周囲に光の筋が差し込む。
バルバス
「ほう……それが裁定者の光か!しかし、その程度で我を止められると思うな!」
バルバスは杖を振り上げ、霧をさらに濃くし、空間全体に重圧をかける。
田島の決意――人間の叫び
広場の端で、若手官僚の田島が必死に住民たちへ呼びかけていた。
田島
「お前たちは騙されている!あんな男に従っても、何も救われやしない!」
彼は膝をつきながらも叫ぶ。「こんな場所で終わるな!立ち上がれ、人間はもっと強いはずだ!」
しかし、周囲の住民たちは恐怖に支配され、耳を塞いで震えるばかりだった。
住民A
「無理だ……裁定者に抗ったところで、どうしようもないんだ……。」
田島は涙を流しながら拳を握りしめる。その姿を見た和成が、戦いの最中に田島へ声をかけた。
和成
「田島!お前の声は届く――絶対に!」
彼は剣を振り抜き、異形の怪物を倒しながら叫ぶ。「お前が諦めたら、この街も人間も終わりだ!諦めるんじゃねぇ!」
田島はハッと目を見開き、立ち上がった。
田島
「そうだ……俺は諦めない!」
彼は広場に立ち、人々へ叫ぶ。「こんな呪いに負けるな!人間の心を取り戻せ!立ち上がるんだ!」
その声に、何人かの住民が涙を流しながら顔を上げ始めた。
バルバスの狂気――最後の一手
バルバスは仲間たちが人々を奮い立たせる姿を見て、苛立ちを隠せなくなる。
バルバス
「愚かだ……人間はやはり愚かだ!その希望こそが貴様らを破滅へと導くのだ!」
彼は杖を高く掲げ、黒い霧を一点に集めていく。「滅べ!人間どもよ!」
その瞬間、広場全体が黒い光に包まれ、バルバスの杖から巨大な瘴気の波が放たれる。
和成
「くそっ、来るぞ!全員、構えろ!」
ChinaRibonn
「光のバリア――守れぇぇっ!」
彼女が光のバリアを展開し、仲間たちを守る。しかし、バリアはバルバスの瘴気に押され、少しずつひびが入る。
葵
「7、頼む……!お前の光で、この闇を打ち払ってくれ!」
7(なな)が中央に立ち、その体から強烈な光を放ち始める。
7(なな)の光――闇を裂く一閃
7の光がバルバスの瘴気を突き抜け、黒い霧を一瞬にして浄化し始めた。
バルバス
「な、何だ……この光は……!?裁定者の力を凌駕する光だと!?」
和成
「今だ!終わらせるぞ!」
仲間たちが一斉にバルバスへと向かい、総攻撃を仕掛ける。
みのたん
「ぶっ飛べぇぇっ!」
葵
「終わりだ――暁天の双刀、断罪の一閃!」
7の光と仲間たちの攻撃がバルバスに直撃し、彼の体は黒い霧と共に砕け散った。
バルバス
「グ、グアアアア……!愚か者どもが……!裁定者は――お前たちを許しはしないぞ……!」
バルバスの最後の叫びと共に、広場は静寂に包まれた。黒い霧は消え去り、異形にされた人々も元の姿へと戻っていく。
人間の心の光――再び
広場に光が戻り、住民たちは呆然と立ち尽くしていた。その中で、田島が一人涙を流しながら叫んだ。
田島
「お前たちは生きている……生きてるんだ!人間はまだ終わっちゃいない!」
住民たちは少しずつ顔を上げ、その目には光が戻りつつあった。アルカディアの仲間たちはその光景を見て、静かに剣を収めた。
和成
「……人間の心は、そう簡単には折れねぇってことだ。」
葵
「ああ。私たちは、希望を信じて前に進むしかない。」




