シーン47: 「終わりの後――静かな嵐の予兆」
封印の余韻――浄化された空間
破滅の核を封印し、災厄の化身カラミティを打ち倒したアルカディアの仲間たちは、富士山の地下最深部で静かに息を整えていた。空間に漂っていた黒い瘴気は消え去り、まるで長い悪夢が明けたかのように辺りは穏やかな光に包まれている。
核は7(なな)の光によって小さな光の玉へと姿を変え、今は静かに7の足元で浮遊していた。
和成
「……これで終わったのか。」
剣を収めながら、和成は核の残骸ともいえる光の玉を見つめる。「随分と手こずらせやがった……でも、やっと終わったんだな。」
夏美
「ええ……でも油断はできないわ。この場所が静かになったのは事実だけど、何か違和感が残っている。」
彼女は杖を手に光の玉を見つめる。「まるで何かを待っているような――そんな気配を感じる。」
葵
「……核の封印は確かだ。しかし、デイモン・クルスやカラミティが示していた“真の闇”が完全に消えたわけじゃない。」
葵は暁天の双刀を腰に収め、鋭い瞳で仲間たちに告げる。「私たちは一つの脅威を封じただけだ。この先、何が起こるかわからない。」
ChinaRibonn
「でも、みんな勝ったんだよね!すっごーいことだよ!」
彼女は杖をくるくると回しながら、仲間たちを見て微笑む。「しゅごい力で、世界を守ったんだから!」
みのたん
「ま、これでひとまず休めるってもんだ。次の敵が何だろうが、またぶっ飛ばしてやるぜ!」
彼は斧を担ぎ、豪快に笑う。「ほら、帰ったら美味いもんでも食って、力をつけねぇとな!」
ひよわ
「……確かに。一旦、休む時間が必要だね。」
ひよわは短剣を収め、核の光を見つめる。「7が僕たちをここまで導いてくれた。きっとまだ、何かを示してくれる。」
7(なな)は静かに鳴き、その光の玉を見つめながら再び淡い光を放った。
和成
「そうだな……7のおかげでここまで来れたんだ。」
彼は7に向かって微笑み、ゆっくりと足を踏み出す。「一旦帰ろう。外に出て、次の準備をしなきゃならねぇ。」
地上への帰還――崩れゆく富士山
しかし、仲間たちが地上へ戻るために歩みを進め始めたその瞬間、地面が再び大きく揺れ始めた。天井からは瓦礫が崩れ落ち、洞窟全体が不気味な振動を伴いながら崩壊し始める。
夏美
「地震……!?違う、これは核の影響が残ってるのね!」
和成
「急げ!ここに長く居たらやべぇぞ!」
仲間たちは急いで洞窟の出口に向かい、崩れ落ちる岩を避けながら走る。7(なな)が光を放ちながら先頭を走り、暗闇に道を示していく。
みのたん
「うおおお!もっと速く走れーっ!」
ChinaRibonn
「きゃーっ!しゅごい揺れてるー!でも、頑張るっ!」
葵
「落ち着いて、足元に気をつけろ!」
必死の逃走劇の末、仲間たちは富士山の洞窟から脱出し、ようやく地上へと戻ることができた。崩れかけた富士山の内部からはまだ黒い煙が上がり、瘴気の残骸が空へと薄く広がっている。
和成
「はぁ、はぁ……助かったか。」
彼は息を整え、振り返って崩壊する富士山の入口を見つめる。「どうやら、何とか間に合ったみたいだな。」
夏美
「でも、これで終わりじゃない。核の力は封印されたけど、闇の影響が完全に消えたわけじゃない。」
葵
「……この黒い煙がそれを示しているな。」
葵は険しい表情を浮かべる。「これは“均衡”がまだ完全に戻っていない証拠だ。」
ChinaRibonn
「ねぇ、じゃあ……これからどうするの?」
彼女は7(なな)を見つめ、不安げに尋ねる。「7ちゃん、次はどこに行けばいいの?」
7(なな)は静かに仲間たちの中心に座り、再び光を放った。その光は地平線の彼方――日本の北東方向を示していた。
和成
「次の場所を示してるのか……。」
彼は7の光を見つめ、再び剣を握りしめる。「休んでる暇はなさそうだな。」
次なる脅威の兆し――裁定者の影
その時、空に不気味な裂け目が生じ、裁定者の声が静かに響き渡った。
裁定者
「よくここまでたどり着いた、人類よ。しかし――まだ終わりではない。」
裁定者の声は冷たく、それでいてどこか楽しげな響きを持っていた。
裁定者
「次の試練は既に始まっている。“破滅の核”を封じただけでは、この世界の均衡は保てない。人類の愚行が止まらぬ限り、裁定は続くのだ。」
葵
「また……試練か。」
彼女は悔しそうに空を睨みつける。「この世界の未来は、私たちが決める――それを見せてやる。」
和成
「ああ、やるしかねぇだろ。今度は全部終わらせる――世界を守るためにな。」
7(なな)は静かに光を放ち、仲間たちを導くように鳴いた。




