シーン37: 「誘惑の罠――リリスの舞う影」
異界の門への道――歪んだ楽園の出現
アルカディア一行は「異界の門」が開かれつつある場所に向かっていた。道中、森が歪み始め、現実と異界が混ざり合ったような異様な風景が広がる。木々は赤黒く染まり、空には不気味な月が浮かび上がる。
和成
「何だ……ここは?空気が変だな。」
彼は剣を握りしめ、辺りを警戒する。「完全に異界の影響を受けてやがる……。」
みのたん
「気味が悪いぜ……何か出そうだな。」
夏美
「おかしいわね、今までの異界の力とは違う……何か、別の力が働いてる。」
ChinaRibonn
「んー?なんだか、ふわふわして気持ちいい場所だよ?」
彼女は無邪気に笑うが、7(なな)が彼女の前に立ち、鋭い光を放つ。
7(なな)
「にゃっ!」
その瞬間、霧のような空気が揺らぎ、前方に異様な光景が現れる――そこには美しい花畑が広がり、中央に一人の女性が佇んでいた。
リリスの登場――誘惑の女司祭
現れた女性はカルト教団の司祭――リリス。彼女は長く艶やかな黒髪を揺らし、妖艶な笑みを浮かべて立っている。その姿は非現実的なほど美しく、目にした瞬間、男性陣は思わず息を呑む。
リリスの服装は胸元が大きく開いた黒いドレスで、肌は白く光り輝き、彼女の瞳は魔力を秘めたように妖しく輝いていた。
リリス
「まあ、まあ……よく来てくれましたね。勇敢なアルカディアの皆さん。」
彼女の声は甘く、どこか耳に残る響きで仲間たちに届く。「あなた方の強さ、試させてもらいますわ。」
和成
「お前が……カルト教団の新しい司祭か!」
彼はリリスに剣を向けるが、なぜか腕に力が入らない。「くっ……なんだ、この感覚は……。」
リリス
「そんなに緊張しないで?ほら、少し休みましょう?」
彼女が軽く手を振ると、甘い香りが風に乗り、男性陣の意識を揺さぶり始める。
みのたん
「あ、あれ……なんだか体が軽いぜ……。」
彼は斧を下ろし、ぼんやりとリリスを見つめる。「お前、なんでそんな……綺麗なんだ……?」
ひよわ
「僕も……頭がふわふわする……。」
彼の瞳は虚ろになり、リリスの姿を追ってしまう。
リリス
「うふふ……男の人は単純で可愛らしいですね。」
彼女は軽く舞うように歩きながら、彼らに向かって微笑む。「あなたたちは私の力に逆らえない……いい子にして、私の言うことを聞いて?」
女性陣の奮闘――リリスの罠を打ち破れ
一方で、リリスの力は女性陣には効果が薄く、夏美とChinaRibonnは驚きながらも仲間たちを守ろうとする。
夏美
「まったく……男って本当にこういう時は役に立たないんだから!」
彼女は杖を構え、リリスに氷の矢を放つ。「その笑顔、凍らせてやるわ!」
リリスは軽やかに氷の矢を避け、妖しく微笑む。
リリス
「まあ、女の人は嫉妬深くて怖いわね。私、ただ少し楽しんでいるだけよ?」
ChinaRibonn
「みんな、だめだよー!起きてーっ!」
彼女は光の杖を振り、和成たちに光を放つが、完全には効果がない。「どうしよう、しゅごい強い力……!」
7(なな)の光――誘惑の力を打ち砕け
リリスがさらに強力な誘惑の波動を放とうとしたその時、7(なな)が再び力を放ち、青白い光が花畑全体を包み込む。
リリス
「なに……?この光は……!」
7の光はリリスの力と衝突し、花畑の幻影を少しずつ崩していく。
和成
「うっ……何だ、この光……!」
彼は頭を振り、剣を再び強く握りしめる。「俺は……何をやってたんだ!」
夏美
「7ちゃん……!ありがとう、目が覚めたわ!」
リリスの真の姿――闇の誘惑者
リリスは怒りの表情を浮かべ、その姿を変え始める。彼女の美しい姿が黒い霧に包まれ、巨大な影の翼を生やした異形の姿へと変貌する。
リリス
「ふふふ……せっかく楽しませてあげようと思ったのに。あなたたち、本当に面倒な人たちね。」
彼女の声は低く、不気味に響き渡る。「次は本気で遊んであげるわ――覚悟なさい!」




