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シーン3: 「新たなる影の足音」

暴走能力者の余波――平穏の中の不安

影との戦いが終わり、街は再び静けさを取り戻していた。倒壊した建物や散乱する瓦礫の中、アルカディアのメンバーは次々と市民の救助を行っていた。ChinaRibonnの癒しの光は、傷ついた人々や負傷者たちを包み込み、穏やかな表情を取り戻させていた。


ChinaRibonn

「ねーねー、だいじょーぶ?いたいの、とんでけー!」

彼女は笑顔で光の魔法を放ちながら、子供の手を握る。「みんなが元気になると、うれしーの!」


夏美

「こんな子が本当に姫様だなんて……不思議な感じだよね。」

遠くからChinaRibonnの姿を見つめ、微笑む。


「彼女の力があれば、救える命は確実に増えるわね。」

瓦礫の上に立ちながら、周囲の被害状況を冷静に確認する。「ただ、それだけじゃ解決にはならない。」


和成

「ああ……原因を突き止めねぇ限り、同じことの繰り返しだ。」

剣を収め、険しい顔で街の中心部を見つめる。「異界の残滓が何を引き起こしてるのか、徹底的に調べねぇと。」


7(なな)は静かに瓦礫の上に座り、その青白い瞳で遠くを見つめていた。まるで何かを感じ取っているかのようだ。


政府の動き――均衡への焦り

その頃、日本政府の対異能力特別調査機関「均衡管理局」も動き始めていた。政府内では、異界の崩壊による暴走現象を抑えるための対策が急務とされていた。


薄暗い会議室の中、スクリーンには先ほどの戦いの映像が流れていた。ChinaRibonnの姿やアルカディアの活躍が映し出される。


局長・秋元

「異界の残滓が変異し、ここまでの被害を出すようになった……。もはやアルカディアだけに頼るわけにはいかない。」


研究員

「しかし、均衡管理を彼ら以上に任せられる存在はいません。異界の力に触れるリスクも大きいです。」


秋元

「そのために、あの力を使うのだ。」

彼は机の上に置かれた書類に目を向ける。「裁定者のDNAだ。これを基に、我々の手で人類に均衡を保つ力を与える……。」


新たな脅威――カルト教団の動き

その一方、裁定者を崇拝する「カルト教団」の動きも活発化していた。教団の拠点では、司祭の一人が壇上に立ち、不気味な笑みを浮かべて信徒たちを煽っていた。


司祭・バフォメロス

「裁定者さまの偉大なる力が、この世界を浄化してくださるのです!人類の罪深き命は、生贄となり、新たな楽園が築かれる!」


彼の背後には異界から呼び出された奇妙な生物が徘徊し、不気味な音を立てていた。信徒たちは狂ったように歓声を上げ、その場は異様な熱狂に包まれていた。


バフォメロス

「アルカディアの者どもは、裁定者さまの御意志を妨げる愚か者!奴らを排除し、裁定者さまに忠誠を捧げよ!」


アルカディアの次の行動――影を追って

その夜、アルカディアは拠点で戦いの振り返りをしていた。


和成

「影の核を破壊したとはいえ、根本的な問題は解決してねぇ。」

地図を広げながら、各地で報告されている異界の残滓の発生を示す。「次の現場に向かわねぇと。」


「でも、政府も何か動き始めてるみたいよ。彼らも異界の力を利用しようとしている……。」


夏美

「それって危なくない?私たちみたいな異能力者が増えたら、また暴走する人が出てくるかもしれない。」


ChinaRibonn

「みんな、なにしてるのー?」

無邪気に地図を覗き込み、にっこりと笑う。「また、なにか悪い子が出たら、ChinaRibonnが守ってあげるんだから!」


和成

「お前は本当に能天気だな……。」

呆れたように言いつつも、彼女の純粋な笑顔に少しだけ気が緩む。「まあ、お前の癒しが必要になる日も近いかもな。」


7(なな)の動き――予兆

その時、7(なな)が静かに立ち上がり、部屋の窓際に向かって歩き出した。彼女の瞳は遠くを見つめ、その青白い光が強く輝いている。


「7が何か感じ取ったみたい……。」


7(なな)は低く鳴き、遠く離れた場所を示すように前足で地図を引っ掻いた。そこには、まだアルカディアが向かっていない新たな地域が示されていた。


夏美

「あそこに何があるの?」


和成

「さあな……だが、7が反応してるってことは、何かあるってことだろう。」

彼は地図を見つめ、決意を込めた声で言った。「次の目的地はここだ。今度こそ、異界の残滓を根本から止めてやる。」

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