シーン23: 「嵐の予兆――海外勢力の影」
新たな情報――動き出す世界
天照の廃墟の戦いを終え、アルカディアの一行は次なる裂け目の情報を掴むため、平地に作られた小さな村へ立ち寄っていた。その村は異界の影響がまだ少ないが、人々の間には不安と緊張が広がっている。
村の広場に設置された古いラジオから、途切れがちなアナウンサーの声が聞こえてくる。
ラジオの声
「速報です……アメリカ、ヨーロッパ各国の政府は“異界の裂け目”の影響が拡大していることを受け、緊急対策を発表しました……」
「各国軍は日本に軍事支援部隊を送り、状況の打開を目指すとのこと……異界の影響が国際的な危機と認識され、世界が動き始めました……」
ラジオの音が消え、一瞬の静寂が村を包む。
和成
「……海外の軍隊が動き始めたか。」
彼は険しい顔で呟き、剣の柄を軽く叩く。「どうせ異界の力を利用する気なんだろうな。」
夏美
「異界の扉がここだけの問題じゃないって、とうとう世界中が気づいたってことよ。」
彼女はラジオの方を見つめ、唇を噛む。「でも、そんなやり方じゃ……事態は悪化するだけかもしれない。」
ChinaRibonn
「えっ、世界中の人たちがこっちに来るの?」
彼女は少し怯えながら仲間に尋ねる。「もしかして、戦争になっちゃうの……?」
みのたん
「軍隊が来るだと?面倒くせぇな。やつら、どうせ異界のことなんか分かりゃしねぇだろ。」
斧を地面に叩きつけ、不機嫌そうに鼻を鳴らす。「下手にちょっかい出して、事態がもっとこじれるのがオチだぜ。」
ひよわ
「でも、どうしようもないんじゃないかな……世界が崩れ始めてるんだし。」
彼は不安げに言いながら、短剣を握りしめる。「……僕たちにできることって、何なんだろう。」
海外勢力の到来――アメリカ軍の介入
その夜、村の上空にヘリコプターの音が鳴り響いた。空には巨大な輸送機が何機も並び、重厚な音を立てて着陸していく。
村人A
「お、おい……なんだ、あれは!?」
村人たちは恐怖と不安に怯えながら空を見上げ、巨大な軍事車両が村の周囲に展開していく様子を見つめている。兵士たちは重厚な装備を身につけ、異界の力に対抗するための装備と思われる奇妙な兵器を手にしていた。
兵士の隊長(アメリカ軍)
「地域一帯を封鎖しろ!異界の影響を受けていないか、徹底的に調査する!」
アルカディアと海外勢力の対峙
アルカディアの一行は村の中央でアメリカ軍の兵士たちと向かい合っていた。隊長らしき男が和成たちを見つめ、近づいてくる。彼は無骨な顔立ちに鋭い目をしており、指揮官の威圧感を漂わせていた。
隊長(アメリカ軍)
「お前たちか。この地域の異変を調べている者は。」
彼は威圧するように言い放つ。「我々はアメリカ合衆国政府の指示により、この異界の危機を封じるために派遣された。お前たちは何者だ。」
和成
「……俺たちはアルカディアだ。」
剣を背負ったまま、和成は堂々と答える。「異界の扉を封じ、この世界を守るために戦っている。」
隊長
「……フッ、聞き飽きたな。異界の扉を“守る”だと?バカげている。我々は異界の力を制御し、利用するために動いている。」
その言葉に和成の目が鋭く光る。
和成
「制御だと? そんなことができるわけねぇだろ。下手に異界の力に手を出せば、取り返しがつかなくなるぞ。」
隊長
「それはお前たちのような“素人”の考えだ。我々は科学と兵器の力でこの危機を打開する。」
彼は鼻を鳴らし、冷たく言い放つ。「邪魔をするなら容赦はしない。」
みのたん
「おいおい、こっちは何度も命がけで戦ってきたんだぞ。偉そうにすんじゃねぇ!」
夏美
「今はそんなことを言ってる場合じゃないでしょ!一緒に力を合わせないと、もっと大変なことになるのに!」
隊長は冷たい目で夏美を見つめたが、答えずに部下に指示を出し、その場を去っていく。
新たな脅威――海外勢の兵器暴走
翌朝、村の外でアメリカ軍が異界の裂け目に向けて兵器の実験を開始した。しかし、彼らが持ち込んだ特殊な兵器は異界の力を逆に引き寄せ、裂け目がさらに拡大し始める。
兵士A
「報告!兵器が制御不能です!裂け目が……拡大している!!」
異界の裂け目から黒い霧が溢れ出し、兵士たちが次々と異形に飲み込まれていく。
和成
「ほら見ろ……だから言ったんだ!」
アルカディアの仲間たちは急いで村へ向かい、暴走する異界の力を止めるため再び戦いの場へと駆け出す。




