シーン16: 「炎の中の伝説――ドワーフの試練」
鍛冶場の奥――静かなる炎の揺らめき
鉄塊の守護者を倒し、アルカディアはついにドワーフの鍛冶場に足を踏み入れていた。洞窟の奥には巨大な金床と溶岩の川が広がり、その中心には無数の武器や防具が眠っている。金属の光が青白い炎に照らされ、神秘的な空間が広がっていた。
夏美
「これが……ドワーフの鍛冶場……。」
息を呑んで周囲を見渡す。「伝説に聞いていた通り……ここで最強の武器が作られていたんだ。」
和成
「ああ、間違いねぇな。こりゃすげぇ場所だ。」
彼は手元の剣を握りしめ、金床を睨む。「ここなら、俺たちを勝たせる武器が作れる。」
ChinaRibonn
「きらきらー!本当にすっごい場所だね!」
無邪気に目を輝かせながら、武器の一つに手を伸ばそうとする。「ねぇねぇ、これ持っていいの?」
ひよわ
「待って!……罠とか仕掛けられてたらどうするんだ。」
彼は慎重に周囲を見渡し、冷や汗を流す。「こういう場所こそ、落とし穴があるに決まってる。」
みのたん
「ひよわ、ビビりすぎだろ!ここは俺たちが伝説を手に入れる場所だぜ!」
斧を肩に担ぎ、大声で笑う。「早く伝説の武器ってやつを見つけようぜ!」
現れたドワーフの守護者――エルディン
突然、金床の前の溶岩が音を立てて盛り上がり、炎の中から一人の老人が現れた。彼の姿は小柄で頑丈、灰色の髭は床に届くほど長く、手には巨大なハンマーを携えていた。
エルディン(ドワーフの鍛冶師)
「……よくぞここまで辿り着いた、人間たちよ。」
低いが力強い声で語りかける。「ここはドワーフの誇りと伝説が眠る場所――我が名はエルディン。この鍛冶場の守護者だ。」
和成
「お前が……この場所を守ってるのか。」
彼は警戒しながら剣を構える。「敵か、それとも味方か。」
エルディン
「愚問だな。力なき者にこの場所を渡すつもりはない。」
彼は金床に手を触れ、周囲に炎が燃え上がる。「貴様らがこの場所を訪れた理由――伝説の武器を求めるのだろう?」
夏美
「そうよ!私たちは、仲間を守るため、強くなるためにここに来たの!」
エルディン
「ならば証明するがいい。」
彼は巨大なハンマーを振り上げ、地面に叩きつける。「この炎と試練を超えられるか――それが真に強者となる資格だ!」
試練の始まり――炎の幻影
エルディンが地面にハンマーを打ちつけると、鍛冶場全体が揺れ、金床の周囲から炎の幻影が立ち上がった。
その炎は形を変え、和成たちの「過去の後悔」や「恐怖」を映し出す。
和成
「なんだ……これは……。」
彼の前には、過去に自分が守れなかった仲間たちの幻影が立っている。
幻影(仲間の声)
「お前が弱いから、俺たちは死んだんだ。」
「もっと強くなれよ、和成。」
和成
「黙れぇっ!!」
彼は剣を振るうが、幻影は斬っても斬っても消えず、揺らめき続ける。
夏美
「やめて……もうやめて!」
彼女の周りには幼い頃の孤独な自分が現れ、嘲笑う。
幻影(幼い夏美)
「あなたなんか、誰にも必要とされない。」
ひよわ
「僕だって……僕だって強くなれるんだ……!」
幻影に怯えながらも、短剣を振り回すひよわ。その目には恐怖と決意が混じっている。
ChinaRibonn
「な、なにこれぇ……?」
彼女は小さな光の盾を作り、自分を守ろうとする。「怖いよぉ……でも、みんなを守るって決めたんだもん!」
7(なな)の導き――炎の突破口
その時、7(なな)が金床の中心に立ち上がり、青白い光を放ち始めた。彼女の瞳が炎の幻影を見据え、静かに前足で地面を引っ掻くと、紋様が浮かび上がる。
その光が広がると、幻影が一瞬だけ揺らぎ、仲間たちに道を示すように光が金床へと繋がっていった。
和成
「7が示してる……ここに道があるってことか!」
夏美
「幻影に惑わされないで!私たちには、仲間がいる!」
みのたん
「おっしゃあ!こんな幻影、ぶっ壊してやる!」
仲間たちは自分の恐怖と向き合いながら、7(なな)の導きに従って金床の中心へと走る。炎が渦巻く中、和成が剣を掲げ、叫ぶ。
和成
「俺たちは負けねぇ!力を手に入れて、必ず仲間を守る――!!」
エルディンの認証――伝説の炎
仲間たちが金床に辿り着いた瞬間、炎が収まり、エルディンは満足そうに頷いた。
エルディン
「よくやった。恐怖と後悔を超え、己の心を貫いたな。」
彼はハンマーを掲げ、金床に叩きつける。「貴様らに、伝説の炎を託そう。」
金床から青白い炎が吹き上がり、和成たちの武器を包み込む。その炎はゆっくりと輝きを増し、武器に新たな力を宿し始めた。
和成
「これが……伝説の力か。」
彼の剣は光を帯び、異界の力すら斬れる新たな武器へと変貌していた。
夏美
「これなら……次は負けない。」
ChinaRibonn
「すっごーい!かっくいぃー!」