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シーン11: 「鏡ノ森とイーヴァルの罠」

異界への入り口――霧に覆われた森

アルカディアの一行は、7(なな)の導きに従い、霧に覆われた**「鏡ノ森」**へと足を踏み入れていた。そこは不自然なほど静まり返り、木々は歪み、黒ずんだ葉が風もないのに揺れている。辺りには異界の気配が漂い、薄暗い光が地面に落ちているだけだ。


夏美

「うわぁ……何ここ。まるで別世界みたい。」

彼女は周囲を見回しながら不安そうに呟く。「こんな森、本当に日本にあるの?」


和成

「異界と繋がっちまってるんだろうな。あのカルト教団が、ここで何か仕掛けてるに違いねぇ。」

剣を抜き、慎重に前方を睨む。


「気を付けて。ここは異界の影響が強すぎるわ。ちょっとした油断が命取りになるかもしれない。」

風の力を使い、空気の流れを読みながら先へ進む。


7(なな)は迷いなく森の奥へと進んでいく。その瞳は青白く光り、彼女の周囲だけは霧がゆっくりと晴れているようにも見える。


ChinaRibonn

「うぅ……なんだか、こわーい。でも、7ちゃんがいるから大丈夫だよね!」

彼女は杖をしっかりと握りしめ、後ろから付いていく。「みんな、かっくいぃところ見せてね!」


森の異変――幻覚と歪んだ現実

森を進んでいくうちに、突然、周囲の風景が変わり始めた。まるで森そのものが歪み、無限に広がる鏡の迷路に閉じ込められたようだった。


夏美

「えっ……これ、どうなってるの?」

彼女は振り返るが、さっきまで見えていた仲間の姿が霧に紛れて消えかけている。「みんなどこ!? 和成、葵!?」


和成

「おいっ!夏美、葵、どこにいる!」

声を張り上げるが、その声は鏡の反響でどこからともなく返ってくる。「くそっ、何が起きてやがる!」


7(なな)は一歩も動かず、その瞳で何かを探っていた。彼女の視線は森の中心――「異界の扉」へと向けられている。


司祭イーヴァル――静かな狂気の登場

霧の向こうから足音が響き、ゆっくりと一人の男が姿を現した。長い銀髪、仮面で顔を隠した司祭イーヴァル。彼は冷たい笑みを浮かべながら、アルカディアの仲間たちを分断したことに満足げだった。


イーヴァル

「おやおや、随分と迷い込んだものだな、アルカディアの諸君。」

静かだが、その声はどこか底知れない狂気を孕んでいる。「この鏡ノ森に足を踏み入れた時点で、お前たちの敗北は決まっている。」


和成

「……お前が仕組んだのか。」

剣を構え、イーヴァルを睨みつける。「くだらねぇ幻覚なんざ、ぶっ壊してやる!」


イーヴァル

「ほう、幻覚だと?」

彼は手をかざし、黒い霧を操る。「これは幻などではない。これは現実と異界が交錯する場所――お前たちが見るものは、すべて真実だ。」


その言葉と共に、和成の目の前に“かつて倒された仲間たち”の幻影が現れた。彼らは歪んだ笑みを浮かべ、静かに立っている。


幻影(仲間の声)

「なぜ、お前は生き残ったんだ?」

「全部お前のせいだ……お前が弱いから。」


和成

「うっ……黙れっ!」

剣を振り上げて幻影を切り裂くが、それはすぐに霧となって再び姿を現す。


葵と夏美――それぞれの試練

一方、別の場所にいる葵も、霧の中で別の幻覚に苦しんでいた。


幻影(家族の声)

「あなたは風の力を持っているのに、どうして守れないの?」

「強い力があっても、何の役にも立たない……。」


「違う……私は、私は守るためにここにいる……!」

彼女は風の刃を放ち、幻影を吹き飛ばそうとするが、その声は彼女の心にまとわりついてくる。


夏美もまた、冷気の中で幼い頃の自分――孤独な少女の幻影と対峙していた。


幻影(幼い夏美)

「誰も助けてくれなかったね。あなたはいつも一人ぼっち。」


夏美

「……違う、もう私は一人じゃない!」

冷気の矢を放ち、幻影を打ち払おうとするが、その手が震えている。


ChinaRibonnと7(なな)の行動――仲間を導く光

その時、7(なな)が青白く輝く瞳で霧を見つめ、地面に再び封印の紋様を描き始めた。その光が霧に広がり始めると、鏡の幻影が少しずつ消えていく。


ChinaRibonn

「7ちゃん、これって……!?」


彼女は杖を掲げ、力を込める。


ChinaRibonn

「みんな!元気出してー! ChinaRibonnが、ぜーんぶ守るんだからっ!」


癒しの光が周囲に広がり、幻覚に囚われていた和成や葵、夏美たちの心を包み込む。彼らの視界が晴れ、幻影が霧と共に消え去る。


イーヴァルの焦り――本格的な戦闘の予兆

イーヴァル

「ほう……なかなかしぶといな。」

彼は手を振り、さらに濃い霧を操り始める。「だが、私の力はまだまだこんなものではない。」


地面から無数の異形の兵士が姿を現し、アルカディアの一行を取り囲む。


和成

「おい、これ以上は遊んでられねぇな。」

剣を構え、仲間たちに声をかける。「今度こそ、こいつを叩き潰すぞ!」


「ええ。こんな霧、二度と見たくないわ。」


夏美

「もう大丈夫。みんなで戦えば、勝てる……!」


ChinaRibonn

「しゅごい、みんな強い! ChinaRibonnもお手伝いするね!」


7(なな)は静かに前に進み、再び力を蓄える――彼女の光がこの戦いを終わらせる鍵になることを、誰もが感じていた。

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