表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/177

44. 女神ナルナー

 

「おおい! やって来たぞい! 早く、あの美味い酒を飲ましやがれ!」


 ずんぐりむっくりした髭面のドワーフが、シャトー・ロードグラスホッパー1965の空瓶片手に、グラスホッパー領にやって来た。


 他にも、金髪碧眼の超絶美人のエルフに、赤髪で、ヨナンぐらいの歳に見えるチャーミングなハーフリング。

 そして、ツンツンツ頭で、口元をスカーフで隠してる職業シーフの男の計4人である。


 因みに、4人のステータスはこんな感じ。


 名前: ゴンザレス

 種族:ドワーフ

 称号: 酒豪、大金槌鬼

 スキル: 金槌Lv.2、火魔法Lv.2、鍛治Lv.2 、鑑定+5

 ユニークスキル: 身体強化Lv.2

 力: 2200

 HP: 2500

 MP: 500

 器用: 800


 名前: エリス

 種族: エルフ

 称号: 氷の微笑、必中娘

 スキル: 氷魔法Lv.2、弓Lv.3

 ユニークスキル: 身体強化Lv.2、命中Lv.2

 力: 800

 HP: 750

 MP: 3000

 器用: 100


 名前: リサリサ

 種族: ハーフリング

 称号: 緑の癒し手 ロリババア

 スキル: 水魔法Lv.2、緑魔法Lv.2 光魔法Lv.2

 ユニークスキル: 身体強化Lv.2 素早さLv.2

 力: 600

 HP: 600

 MP: 2500

 器用: 150


 名前: ハヤブサ

 種族: 人族

 称号: 影忍

 スキル: 索敵Lv.2、隠蔽Lv.1、暗器Lv.2、影使い

 ユニークスキル: 身体強化Lv.2 素早さLv.2

 力: 1200

 HP: 1600

 MP: 150

 器用: 360


『ご主人様、エドソンさんと、エリザベスさんの昔の仲間の人達、滅茶苦茶なステータスしてますよ……』


「まあ、エドソンは、大戦の英雄だし、エリザベスは公爵令嬢だし、その仲間だったら、こんなもんだろ」


 ヨナン的には、全く驚かない。

 だって、あのエドソンとエリザベスの旧友なのだから。


「エリザベス! エドソン! 来てやったわよ!早く、自慢の子供達を見せてよ!」


 どう見ても、「自分もチビっ子だろ!」て、突っ込みたくなるようなハーフリングのリサリサが騒いでいる。


「本当に、あの寂れた領地が、変わったものね……」


 超絶美形なエルフのエリスが、全く顔を崩さずに喋る。


「……」


 ハヤブサは、無口の男なのか無言。


「みんな! 来てくれたの!」


 エリザベスが、皆を出迎える。


「エリザベスの頼みなら、当然よ!

 なんてたって、『熊の鉄槌』のリーダーの頼みなんだもん!」


「以下同文よ!」


「……」


 おしゃべりのリサリサの意見に、クールビューティーのエリスと、多分、ハヤブサさんも同意のようだ。


「ワシは、この酒じゃな!」


 ドワーフのゴンザレスは、想像通りの回答。


『ご主人様、何か急にファンタジーぽくなってきましたね!

 話によると、亜人はレアスキルを多く持ってて、人族より、身体能力が高いので、冒険者をやってる人達が多いとの事です』


 鑑定スキルが、ウンチクを教えてくれる。


「ねえねえ! この子達が、エリザベスの子供達!」


 リサリサが、俺とコナンとシスの元にやって来る。


「ん? ちっこい2人は、美形のエリザベスとエドソンに面影が似てるけど、この黒髪の男の子は、ちょっと毛色が違うわね?

 まあ、好みの顔では有るんだけど」


 なんか、リサリサがヨダレを垂らして、俺を見てくる。というか、アレだ。

 このリサリサとかいうハーフリングは、絶対に、ショタコン女だ。

 俺とコナンとシスを見る目がヤバ過ぎる。


「おっ? どれどれ、エドソンとエリザベスの子供なら、凄いスキルを持ってるじゃろうて! ワシが直々に、この鑑定スキル+5で見てやるワイ!」


 ゴンザレスが、どこからだしたのか酒を飲みながら、俺達を勝手鑑定する。


 名前: コナン・グラスホッパー

 スキル: 剣術Lv.2、格闘Lv.2

 ユニークスキル: %↓@5スキル

 力: 120

 HP: 300

 MP: 120


 名前: シス・グラスホッパー

 スキル: 薙刀Lv.2、殴り僧侶Lv.2

 ユニークスキル: &+×スキル

 力: 120

 HP: 250

 MP: 200


 名前: ヨナン・グラスホッパー

 称号: ¥♡♡

 スキル: 大工スキル、鑑定スキルLv.3

 ユニークスキル: ×××

 力: 50

 HP: 100

 MP: 80


「フムフム。流石、エドソンとエリザベスの子供達じゃな。良いレアスキルも持ってるし、とても子供とは思えないステータスじゃ!

 これは、将来、楽しみじゃわい!

 て? んんんんーー?!」


 コナンとシスを見て感心してたゴンザレスが、ヨナンのステータスを見て、2度見する。


「何じゃと! ドワーフ族憧れの伝説のスキル、大工スキルを持ってるじゃと!

 それに、鑑定スキルLv.3じゃと!

 いままで、鑑定スキルLv.2に至った者もおらんと言われてるのに、まさかのLv.3!!」


 ゴンザレスが、ヨナンの目の前で、唾を飛ばし絶叫してる。

 というか、滅茶苦茶酒臭い……


「まさかじゃが、まさかとは思うが、この女神の雫を作ったのは、このわっぱではないかの……」


 ゴンザレスは、シャトー・ロードグラスホッパーの空瓶を握りしめて、エドソンとエリザベスに尋ねる。


「そのまさかよ。私の可愛いヨナン君が、そのシャトー・ロードグラスホッパー1965を作ったのよ!」


 エリザベスは、ゴンザレスに教える。


「やはり……大工スキルを持つ者だけが、女神の雫を作れるという、ドワーフ族に伝わる伝承は本当じゃったんじゃな!」


 ゴンザレスは、シャトー・ロードグラスホッパーの空瓶を頬擦りしながら号泣している。


「ふ~ん。この可愛らしい坊やがね~。将来有望じゃん」


 リサリサが、舐めるようにヨナンを見てくる。


「ダメですから! お兄ちゃんとは、私が結婚するんです!」


 シスが、何を思ったのか、リサリサに対抗意識を燃やしている。


「それから、もう1人。鑑定スキルちゃん、自己紹介して、この人達は信用できる人達だから!」


『ハイ! 皆さん。初めまして! 私はご主人、ヨナン・グラスホッパーのスキル。鑑定スキルLv.3です! 以後宜しくお願いします!』


 鑑定スキルが、念話で皆に挨拶する。


「な……何じゃと! 鑑定スキルは、Lv.3ともなると、自己を持ち念話で喋れるようになるじゃと!」


「これは驚きね。長い歴史があるエルフの伝承にも、喋る鑑定スキルなんて伝わってないわ……」


「うわぁーー!スキルが喋ったわーー!」


「……」


 元『熊の鉄槌』のメンバーは、それぞれ各々に驚いている。


『因みに、先程、ゴンザレスさんが見てた、コナン君と、シスちゃんと、ご主人様のステータスの完全版は、こんな通りですね! 実際は、もっと性格やら、運やらもカスタマイズして表示する事も出来ますけど』


 名前: コナン・グラスホッパー

 スキル: 剣術Lv.2、格闘Lv.2

 ユニークスキル: みじん切りLv.3

 力: 120

 HP: 300

 MP: 120


 名前: シス・グラスホッパー

 スキル: 薙刀Lv.2、殴り僧侶Lv.2

 ユニークスキル: 水魔法Lv.2

 力: 120

 HP: 250

 MP: 200


 名前: ヨナン・グラスホッパー

 称号: 女神ナルナーのお気に入り

 スキル: 大工スキル、鑑定スキルLv.3

 ユニークスキル: ×××

 力: 50

 HP: 100

 MP: 80


「何じゃと! 鑑定スキルLv.3ともなると、念話の他にも、共有スキルまで備わっておるのか!

 しかも、ユニークスキルまで表示させるじゃと!

 今日は、驚かされてばかりじゃわい。

 て、エエエェェェェェェェェェェーー!

 しょ……称号が……女神ナルナー様のお気に入りじゃとーー!」


 なんかまた、ゴンザレスがヨナンの前で、酒臭い息と、唾を飛ばしてくる。


「なんと……これは……」


「素晴らしい! これは私の結婚相手決定だわ!」


「……」


 ハヤブサ以外の、亜人チームが、相当、驚いている。


「私は、ヨナン様に一生仕えます。私を、ヨナン様の騎士に任命して下さい!」


 突然、エルフのエリスが、片膝をついて懇願してくる。


「あの、これは?」


『ご主人様。エルフ族は、特に女神ナルナー信仰が強烈に強いんですよ。

 自分達の事を、女神の愛し子で、写しみだと本気で考えてる種族ですから。

 そんなエルフ族が、ご主人様の称号、女神ナルナーのお気に入りとか称号を見ちゃったら、そりゃあ、生き神様として奉っちゃいますよ!

 それからウンチクですけど、エルフ族が、いつも澄ましてるのは、女神の写しみとして己を律してるらしいです。女神ナルナーは、大口を開けて、絶対に笑わないと思ってるらしいです。

 まあ、実際の女神様を見ちゃったら、幻滅すると思いますけど!』


「ん? 女神ナルナー様を見た事ある?」


 エリスが、鑑定スキルの何気ない言葉に反応する。


『ん? そりゃあ、ご主人様も僕も、女神ナルナーに会った事ありますし』


「本当ですか!」


 超絶美形のエリスが、ヨナンの目の前まで来て聞いて来る。


「俺は、全く覚えてないけど、鑑定スキルが見せてくれた映像に、確か、女神ナルナー出てたな……」


「鑑定スキル様! その映像を、この私めに見せくれませんか!」


『ご主人様、どうしましょう……』


「見せてやれば?減るもんじゃないし」


 こうして、鑑定スキルLv.3により、女神ナルナーの鑑賞会が始まった。


 そして、


「凄いです! 凄いです! やはり女神ナルナー様は、素晴らしく、美しい方でした!」


 エリスは、号泣しながら、何故か天に祈ってる。


「スゲエーや! ヨナン兄ちゃん! 女神様にタメ口で交渉するなんて!」


「やっぱりお兄ちゃんは、カッコイイ」


 コナンとシスも、どうやら改めて、俺の偉大さが分かったようである。


「話には聞いてたけど、女神ナルナーは、本当に実在してたのね……」


 エリスも、ちょっと放心している。


「おお! ワシが生きてる時代に、大工スキルをワシの親友の子供に与えて下さり、ありがとうございますじゃ!

 ワシは、存分に女神の雫を味わおうと、思っとります!」


「優良物件、優良物件よ! ヨナン君と結婚したら、ずっと楽して暮らせるわよーー!

 親友の息子だったら、絶対に結婚できちゃうし!」


「……」


 元、熊の鉄槌のメンバーも、それぞれ感動してる。


「ヨナンが、例え、女神のお気に入りだとしても、俺の息子なんだよーー!」


 しかし、エドソンは、いつもと変わらぬ熱量で、女神が居るであろう天に向かって、大声で叫んでいたのであった。


 ーーー


 面白かったら、☆☆☆☆☆押してね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ