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花の色
千変万化、花の色。
移りにけりな、悪戯に。春の野に咲く、千の花。風に揺れては、地の虹が蠢めく。モネなら何を描いたか。
百花繚乱、花の色。
げに我はうらぶれて。ここかしこ、定めがない。春の陽気にため息をつく。世界は微笑む。私はただ空ばかり眺めては、ない虹を探している。
十花十色、花の色。
据え置いた花束は瑞々しく。墓碑の前で生きているように、周りの花々と同じように、揺らめく。絶景と呼ばれて久しいこの丘も、当の花からしてみれば。
一人想う、花の色。
花が好きだと、万と聞いたあの日々の、中で。何の色が好きだと聞いた覚えがないことは。君が遍く花を好きだったから。
そして聞かなかったことを今、後悔する。




