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烏
カラスたちは身を寄せ合っては、電線の上で暖を取る。
夜風靡く。冬の月。天は高く、澄み切って熱はなく。
カラスたちは身を寄せ合っては、眼下、人の頭を見下ろす。誰もかれも、手はポケットの中にあった。何かを捨てることは無いようだ。食い物への足掛かりも無いようだ。
ゴミ捨て場にはきっちりと締められた固結び。その上から緑のネットが駆けられており。
かすかな腐臭だけが誘うようにくゆる。それを嗅ぎつけられる禽獣の鼻。しかしてありつけることはないようだ。
カラスたちは身を寄せ合っては、電線の上で暖を取っていたが、一斉に飛び去った。
高い空ほどより寒く。
離れないよう翼を並べては、ねぐらへと帰る。
低い裏山の、枯れてしまった大ケヤキ。




