55/200
透明賛歌
透明。透明。透明賛歌。
清純。清純。清らな色香。
明けば、明くほど、透ける想い。
羨望。願望。情動。欲望。
全てを受け止めるには、透明であるほかないのです。
だから彼女は透明なのです。
透明。透明。透明賛歌。
明眸。明貌。だれが見ても。
緬なる黒髪。花蕾の唇。清らな瞼。誰が見ても。
明くことのない清純であるからこそ、すべての視線は集って、彼女を透り抜けて。
透明。透明。透明賛歌。
華奢な背骨。隆線の胸骨。すらりと尺骨。柔らかな腰骨。
肉つきは凪の水面のように無駄のない凹凸で、肌の色は朝採りの乳のように生白く。
透明。透明。透明賛歌。
だから彼女は玉のように扱われるのです。だから彼女は自らを、玉のように磨くのです。
だから彼女は、玉のように視線の間を転がるのです。だから彼女は、誰かの手の上を転がり続けるのです。
だから彼女は。だから透明な玉のような彼女は、いつか。




