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詩集/日々  作者:
36/200

白い夢

「君が必要なんだ」

そんなたくさんの言葉に囲まれて、私は生まれました。

「君が希望なんだ」

そんなたくさんの言葉に囲まれて、私は育ちました。


愛されました。健やかに育つように。恵まれました。清らかな成体(おとな)になるように。


食べました。たくさんのことを調べるために。眠りました。痛い想いはしないように。


夢を見ました。この白い世界の外のこと。外なんてないといわれるけれど、きっとあると、密かに思うのです。

真っ白で綺麗で、優しくて暖かな世界の外に、何があるのでしょうか。だれかが、いるのでしょうか。


たくさんの日が経ちました。私は成体(おとな)になりました。たくさんの夢を見ました。そして、みんなの夢が叶いました。


「やった。やった。ありがとう。これで世界から一つやまいがなくなった」


みんなが泣いて喜びました。私もとても嬉しかった。みんながうれしそうだからです。


「君の役目も終わったよ。今までほんとうにありがとう」




それからも、ほんとうにみんなは優しくて。暖かで。たくさん食べて、眠るのですが、どうやら痛い想いは、寝ている私もしていないようです。


ある日、聞いてみたのです。やっぱり、この白い世界の外には、やっぱり世界があるのかと。

ある人が言いました。ゆっくりと、にっこりと。

「そんなものはないよ」

と。


そっか、と私はゆっくり笑って。

やっぱり、この世界は素敵なので。あんまりに素敵なので。

ゆっくり、眠りにつくのでした。

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