表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集/日々  作者:
34/200

サイレン

緊急警報、緊急警報、赤く廻るサイレンが空を切り裂く、切り裂く。


君と僕が逃げる前に、意地の悪い通り雨が笑い出した。ずぶ濡れのシャツは逃げるのをあきらめたがった。地面にへたばりたがった。スニーカーだけはまだ味方で、沼を踏むみたいに僕らは走った。君の手を引きながら。

炎は踊る、踊る、家家を吞み込んで。誰かの帰る場所だったはずの家を呑み込んで。

そこに僕と君の帰る家はないけれど。どこにも僕と君の帰る家はないけれど。


君の眼は炎なんかに負けないくらい酷く冷たくて、きっといろんなものを見下していて、あきらめていて。

多分世界とか、権力とか、運命とか。

石みたいに止まった君の足に負けないように、固く痛いくらいに君の手を引っ張って。


「行こう」


それだけ言って、廻る、廻る、赤いサイレンの下を征く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い [一言] もっと読んでみたい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ