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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第二章 ミクロな世界の生き方

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89 打算型猟奇的スキル獲得法

という訳で探そう。


{どういう訳で何をさ。}


獲物。


{獲物?}


そ、獲物。


{EMONO。}

{なるほどわからん。}

{SP 回復用の食糧はこれで十分なのでは。}


うんにゃ。

今回ほしいのは生け捕りにする方の獲物。


{生け捕りねー。}

{何する気なん?}


やるぜ。洗脳。


{…マジっすか。}


おうよ。


{なして?}


いや、攻撃スキルが乏しいから乗っ取って奪って殺して食ってやろうかと思って。


{わお。猟奇的。}

{まあ。実際問題スキル熟練度稼ぎでレベルアップしないならそれしかないわな。}

{そう。ですね。}


そーなのだよ。

だから、行くぜ。


{りょーかいした。}

{上に同じく。}

{上に同じくに同じく。}

{上に同じくに同じくに同じく。}

{分かりました。}



と、いう訳で、狩った獲物は応急措置として分体にゾンビスキルで持ってきてもらってと。

大クマムシ、大量のウイルスやらバクテリア、微生物をぞろぞろ引き連れてきたわけだけども。

やっぱりというかなんというかどこにも生物がいねえ。

時たまやってくるウイルスもろくなスキル持ってねぇ。


どうしましょう。

はあ。

地道に探していくしかないのか―。



そしておよそ体感三日。

ようやく獲物を見つけましたと。


{ジョコロウバクテリア lv.3


HP 146/150

МP 188

SP 126/189


平均瞬発力: 200

平均攻撃能力: 788

平均魔法攻撃能力:1111

平均防御能力: 464


称号: (微生物の捕食者(new))(ウイルスの捕食者(new))(バクテリアの捕食者(new))(抗魔(new))(バクテリアの殺戮者(new))(劣化の才子(new))


スキル 「分裂 lv.17(new)」「猛毒刺 lv.1(new)」「猛毒刃 lv.1(new)」「猛毒lv.1(new) 」「洗脳lv.14(new)」「吸収lv.1」「分体操作 lv.18(new)」「自我植樹lv.18(new)」「空気感染 lv.10(new)」「腐魔法 lv.10(new)」「腐食魔法 lv.3(new)」「腐息 lv.3(new)」

「感染式 lv.1(new)」「浪寿式 lv.1(new)」


特典スキル:


経験値: 130646


特記事項: }


昔の私の種族であるミニマムでレッサーなバクテリアにそっくりのルックス。

ただ、大きさが私と真逆で大きくなっている。

分かりやすい風に言うと、こいつの体長は目測で私の五百倍近くある。

もっと端的に言えば、一号より一回りか大きいくらいの大きさ。

まあそれが分裂増殖して視界に入るだけでざっと数千匹。


威圧感がパネェっすわ。


で、あいつのスキル、量には目をつぶるとして、問題は内容だ。


腐魔法に腐食魔法。腐息に感染式、浪寿式と、私の知らないスキルが多々ある。

その中でも特に、感染式と浪寿式ってのがヤバい。


{感染式

バクテリア種固有スキル


・発動により、半径数メートル内の敵対する個体の免疫力をМP を消費することで大幅に下

げる。

・有効射程範囲は、レベルによって変化する。Lv.1 の場合、1 メートル。

・消費МP はレベルによって変化する。Lv.1 場合、毎秒 10。


特記事項:継続ダメージは一度射程範囲外に出ると暫く発動不可。}


{浪寿式

バクテリア種固有スキル


・発動により、半径数メートル内の敵対する個体の各身体能力、ステータスをМP を消費する事で僅かに下げる。

・有効射程範囲は、レベルによって変化する。Lv.1 の場合、1 メートル。

・消費МP はレベルによって変化する。Lv.1 の場合、毎秒 10。


特記事項:継続ダメージは一度射程外に出ると暫く発動不可。}


要するに、範囲内ならМP を消費すれば幾らでもデバフがかけられるってことだ。


何という恐ろしい能力。

いや、まあ各呪怨死怒なスキルを持つ私が言うことじゃないことかもしれないけどさ。


まあでもレベル1ごときのデバフでは私たちにダメージを与えることすらかなわない。


何てったってこちとらレベル6の状態異常耐性持ちですから。

まあちょっとレベルが高かったらヤバかったかもしれなかった感は否めないけども。


んじゃ、いっちゃいますか?


{殺っちゃいましょう!}


ヒャッハー!


{{ヒャッハー!}}






…結論から言おう。


ジョコロウバクテリア。あいつは強かった。

ああ。強かった。

認めよう。

お前は強かったんだと。


強かったんだろう。

何てったって経験値が 130000 もあるんだから。

私よりも 30000 も多いんだから。

確かに現在進行形で土弾弾幕でフルボッコにされているが、土耐性を獲得してまで今まで生きてきたんだ。


うん。

お前は強かった。

きっと強かったんだろう。

ただ思考加速と高速演算と分裂のフルコンボがあまりにも常軌を逸していただけで。

しょうがないんだ。

お前は強い。

それだけでいいんだ。

だからそろそろ抵抗をやめるんだ。

何でさっき土耐性獲得してたから毒刺で麻痺毒ぶち込んだのに動けるんだ。

お前なんでさっきから連続して土耐性と痺耐性をポンポンとってんだ。


しかも何サラッと(生への執着者)なんて言うよく分からん称号手に入れてんだ。

しかも内容気になってみてみたら全耐性系の獲得率上昇っていうクマムシが持ってた(抗魔)の上位互換みたいな奴じゃねぇか。


自分のピンチでパワーアップして強くなるとかどこの主人公ですかコノヤロー。

ああクソ。


…。


そして、ジョコロウのスキルで土耐性がレベル 9、痺耐性がレベル 7、なぜか増えた SP 消費緩和と HP 自動回復がそれぞれレベル2、堅牢何て言うさらに意味不明スキルがレベル3になり、私の猛毒、猛毒刃、猛毒刺のレベルが一つずつ上がり、何故か今回一回も使ってない地魔法がレベル4になったところで、ようやくジョコロウが動きを止めた。


長かったぜ。

マージで長かったぜ。


ふう。

まあ何はともあれ私の勝利。

後は煮るなり焼くなり私の自由ってことだね。

それじゃ、やってみますか。


洗脳。


…。


―んじゃ、多分ないと思うけどヤバくなったら救出頼むわ。


私はジョコロウの頭の上に乗っかって言った。


{あかんオリジナル。それ死亡フラグや。}

{だ、大丈夫だよきっと。}

{あかん二号。それも死亡フラグや。}

{不吉なこと言うなぁ。}

{大変です四号さん、それも死亡フラグです。}


…まあ死亡フラグが立ちまくってたけど、鑑定さんの性能を信じてここは何とかなると腹をくくろう。


ブシュウッ


麻痺で動けなくなっているジョコロウの頭に毒刃を突き刺し、脳内に入り込む。


じゃあ、いくぜ。

倍率的には数百倍だからさして大きくないジョコロウの脳ミソ。


単細胞生物なのに脳があるわけないと思うけど、そこには目をつむって。


…私は、数か月ぶりに洗脳を起動した。


{パクテルアクストラレータからの要請を受け取りました。バクテリア種固有スキル「大洗脳 lv.1」を起動します。}


謎の起動音とともに突如走る、雷を彷彿とさせる SF チックな猛毒刃。


私はこれを何のためらいもなく脳にぶっ刺した。

懐かしいような焦るような痛いような苦しいような心地いいような感情にとらわれながら急速に身体が拡大していくような感覚がいっしょくたになって私を襲う。


それに私は思わず強く目を瞑った。






…瞑る眼はないそうだけど。



ア:…結局。


山:はい


ア:終わらなかったんですね。


山:はい。


ア:テスト…。


山:待つんだアカツキさん。


ア:はい?


山:それ以上は…っ僕もろとも画面の前の学生諸君まで傷つける!


ア:テスト前の学生さんは山鳥(コレ)みたいにならないように勉強頑張ってくださいね。


山:辛辣!

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