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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第二章 ミクロな世界の生き方

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89/550

81 進化…の裏で

怒涛の1/3連投

ちょーっと待って?


{どした。}


オート君がバグった。


{マジ?}


うん。

進化項目がなんかおかしい。


{どうおかしい?}


ミクロスとかフォートとか全部消えて、パクテルアクストラレータってのに代わってる。


{ぱくてる?}

{あくすとら?}

{なんぞそれ。}

{これが主人公的ご都合異質系展開って奴か。}

{ほかの進化前の分体は変わっていないのでオリジナルだけが妙なことになっているようですね。}


そうっぽいね。


{んで、そのパスカルなんちゃらはどんなものなのさ}


んー。

今調べてみるわ。


{パクテルアクストラレータ

ミクロ種最上位個体の弌柱、その前々段階。

各種魔法属性を司り、数々の固有スキルを保持する。}


{OH。}

{やべぇな。}


うん。

やべえ。


{説明文を見る限りじゃ、立ち位置的にはフォートと同じ感じ?}

{そのようです。}


そだね。

んで、問題は何故に私の進化形態だけがこんな進化先取りバグみたいになってるかってことなんだけど…。


{称号、(ミクロの殺戮者)(下剋上)(上位種)(魔禍)(最上位種)(ロワー・ロワーバトル)

を獲得したことにより、進化項目が変動しました。}


どうやらそういうことっぽいね。


{ほぉー。}

{やべえ偶然だなー。}

{これに進化するってマ?}


おう。

ていうか、これ以外に進化する道がない。

分体にはこの進化項目はないっぽいし、ルンターレッサーバクテリアのままでいつまでもいるわけにはいかないしね。

つーわけでとりま、こいつに進化することにするわ。


{それもそっか。}

{オリジナルは進化している間は私たちがお守りいたしますので。}


おっし!じゃあ、やるぞー。


{{おーう。}}



{ルンターレッサーバクテリアからの要請を受け取りました。個体名「パクテルアクストラレータ」への進化を開始します。

―yes

―no}


Yes。


そうして、私の意識は急速に薄れていった。






.........................



オリジナルの動きが完全に停止し、土のようなものでその身が囲まれていく。

これは…土魔法かな?


МP を全く無駄にすることもなく必要最低限の土を創造し、操り、最低限度の硬化で最大硬度の強さを実現する。


あまりにも緻密、かつ大胆な魔法構築。

最初にМP の出し方が適当すぎて私たちを吹き飛ばしていたオリジナルはどこに行ったのか。

意識はないのにこんだけのことができるとか、これも魔導帝スキルのなせる業なのかねー?


チラッと四号を見たけど、触手を左右に振って「ナイナイ」とジェスチャーをしてきた。

やっぱりこういう緻密演算的なことは本物の転生者で人間の脳味噌があるオリジナルにはかなわないのかねー。


{眠ったね。}


二号が私に話しかけてくる。


{そうっぽいね。}


テレパスを繋げて私が答えると、ほかの分体達も会話に参加してきた。


{オリジナルはさ、覚えてんのかな、数か月前の出来事。}

{…。}


三号が、オリジナルが意識を失っている今しか聞けないようなことを切り出してくる。


私たちが会話しているこれ、この声は、オリジナルの分裂体ネットワーク間に限定された疑似的な「念話」スキルだ。

この念話スキル、本来であれば親となる個体がオリジナルに設定されているため、どうしてもオリジナルが意図的にテレパスを切らない限りはオリジナルに私たちの会話が筒抜けになってしまう。

だから、こんな話はオリジナルが進化の影響で気を失っている今しかできないという訳だ。

念のため、オリジナルの籠っている土の殻、その中にいるはずのオリジナルに鑑定を掛ける。


{ルンターレッサーバクテリア lv.10…


HP 2.1…

МP 221…

SP 7.7…


即時瞬発力: 231…

即時攻撃能力: 692…

即時魔法攻撃能力:5067…

即時防御能力: 236…

平均瞬発力: 358…

平均攻撃能力: 798…

平均魔法攻撃能力:6695…

平均防御能力: 437…


称号: (微生物の捕食者)(ウイルスの捕食者)(バクテリアの捕食者)(抗魔)(バクテリアの殺戮者)(呪怨の支配者)(禁忌)(外道ノ極ミ)(悪食)(喰蝕)(身内喰ライ)(魔導王)(進

化)(傲慢(new))(ミクロの殺戮者)(下剋上(new))(上位種(new))(増幅(new))(魔禍(new))(魔導帝(new))(フォート・エスプリットモート(new))(最上位種(new))(ロワー・ロワー・バトル(new))…


スキル 「大分裂 lv.1」「猛毒刺 lv.1」「猛毒刃 lv.1」「猛毒 lv.1 」「洗脳 lv.14」「吸収 lv.1」「分体操作 lv.18」「自我植樹 lv.18」「空気感染 lv.10」「弱点可視化 lv.10」「思考加速 lv.8」「思考大加速 lv.7」「演算処理 lv.9」「高速演算 lv.8」「物理攻撃耐性

lv.8」「状態異常耐性 lv.10」「火炎耐性 lv.10」「氷無効 lv.4」「重耐性 lv.7」「酸耐性lv.3」「光耐性 lv.2」「呪耐性 lv.5」「土魔法 lv.10」「地魔法 lv.1」「氷魔法 lv.2」「火魔法 lv.2」「風魔法 lv.1」「影魔法 lv.1」「光魔法 lv.1」「幻魔法 lv.1」「訃魔法lv.1」「呪 lv.8」「結界 lv.5」「物理大攻撃 lv.1」「触手大推進 lv.1」「SP 消費緩和 lv.5」「視覚大強化 lv.4」「悟 lv.8」「怒 lv.9」「呪怨 lv.3」「憎悪 lv.3」「魔導王 lv.3」

「魔導感知 lv.2」「体長変化 lv.4」「МP 消費緩和 lv.3」「МP 自動回復 lv.5」「分体爆破 lv.2」「ゾンビ生成 lv.2」「ゾンビ操作 lv.2」「錯乱 lv.1」「五感破壊 lv.1」「内臓麻痺 lv.1」「訃攻撃 lv.1」「訃耐性 lv.1」「凶化 lv.1」…


特典スキル:「鑑定 lv.19」「[&4#5]%=@#3」…


経験値: 98957…


特記事項: 進化中…}


スキル欄はすべて灰色、特記事項に進化中の文字を認めてから私は全体の分裂体間ネットワークを確立させる。


{覚えてると思う。てか、忘れるわけがない、忘れられるはずがない。}


本人は自覚しているのかしていないのか、オリジナルは自分で道化を演じていろいろ抱え込む節がある。

今回の自我植樹の件だってそうだ。

私、つまり一号がオリジナルに生み出されたときに一瞬だけ流れたテレパス間のあの哀気な意識は私にとっても到底忘れられるものでもない。

ま、それは直ぐに引っ込んでいったわけだけど。


私たち自我植樹された分体、一号から五号が生み出される前、オリジナルは分裂で生み出した自分の分体の視覚感覚を同調させて目として分体を操ろうとしてた。


でもそれはスキルの操作解除容量を明らかに超越するオーバーデータ。

バクテリアの脳がそんな情報量を処理できるわけがなかった。

そこでオリジナルが生み出したのが私たちより一つ前の世代、1 号から 9 号だ。

オリジナルは自我植樹させた分体をさらに使って無理やり自分で処理しようとしてた。

これだけでも普通に考えてなかなか頭おかしいことしてるけども。

まあ結果としてはオリジナルの思惑通り、この視覚同調は成功した。

そのまま日々を過ごせていたら今尚 1 号から 9 号はオリジナルのそばにいたはずだ。

しかし、ある日、神の悪戯かはたまた運命か、それらを覆すハプニングが起こった。


当時、洗脳の落とし穴の存在を知らなかったオリジナルが 3 号にクマムシを洗脳させて3 号の自我を破壊してしまったことがあったのだ。

結果的にその日、3号は死に、同時にまた同じ地雷を踏んだオリジナルは 1 号から 9 号を殺し、分体達をも虐殺することになってしまった。


{オリジナルだって元はただの人間だからねー。家族以上の存在だったのが死んで、それをしたのが自分だったってことになったらそのまま発狂死してもおかしくはない。}


{しかし、別段オリジナルに非があったわけじゃないですか。}


{それでもそれがトラウマになるくらいの破壊力はあったはず。}


それでもその悲劇に耐え、生きてこられたのは偏にオリジナルの強靭な精神力と、死者を弔う想いがあったからだろう。


{オリジナルは私たちがそのことを知っているということは知っているのでしょうか。}


自我植樹スキルの内容は、オリジナルに似た人格を自我として分体に植え付けるというもの。

当然、人格や性格っていうのはその人の記憶や経験から作られるものだ。

最近作られたばっかりの私たちがオリジナルの過去をコピーしていないはずがない。

というか、オリジナルとは似ても似つかない五号がオリジナルの記憶を持っているということは、オリジナルの中には五号の人格が混ざってるってことになるのか?

謎だ。


ん、でもまあ。

{ま、オリジナルがそのことを知ってても知らなくても、私たちがオリジナルの分体である以上、オリジナルの望むように動けばいいんだよ。}


{だな。}

{うん。}

{了解。}

{はい。}


そうして私たちは、進化が終わってオリジナルが不思議に思わないよう、これ以上精神を傷つけられないよう、楽しく雑談をし始めるのであった。

ア:このシリアスさというかなんというか、らしからぬ話ですよね。


山:そうなんだよねぇ。


ア:何かあったんです?


山:これを書いてた時期が丁度中二のガチ闇期だったから、相当迷走してたんじゃないかなー。


ア:成程。


山:よって多少イタい表現があっても認可せよ!以上!


ア:イタいのは今も昔も変わらないですよ。


山:つらたにえん

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[良い点] 言い方悪いけどこういう痛いの好き
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