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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第二章 ミクロな世界の生き方

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73 凶化。てめーはダメだ。

なんか一瞬でなおりやした。

…ほぉー。


…もう一ついいかい?

馬鹿じゃねーの?

もうね。

…ヴァカじゃねーの?

スキルいくつあんだよ。

1、2、3、4、5、6、7、8…

…ちょっと多すぎやしませんかね?

よくわかんないスキルも大量にあるし。


はあ。

ま、いいけどさー。

いや、普通なら喜ぶところなんだよね。

でも、この世界の仕様上何か落とし穴なんかあるんじゃないかって不安になっちゃうんだよねー。

だからこそうれしいのにあんまり喜べないというもどかしさ。

つらたん。


―で。

確認だけど今回新しく手に入ったスキルは合計で 18 個。

その中でまったく新しく手に入れたスキルが、風魔法、影魔法、光魔法、幻魔法、訃魔法、錯乱、五感破壊、内臓麻痺、訃攻撃、訃耐性、それと…凶化。

魔法系のスキルが多いのはマジックのおかげなのかな?

それと、また別枠で元々あったスキルが進化したと思われるスキルが、大分裂、猛毒刺、猛毒刃、猛毒、物理大攻撃、地魔法、魔導帝。

ってところだね。


…でもやっぱりというかなんというか、無視できないスキルがいくつか出てきたね。


まず一つ目。

吸収。

このスキルは確か私がルンターレッサーバクテリアに進化した時に獲得したスキルかな?

この子も効果的には相手のスキルをコピーすることができるっていう超チート性能な子なんだけど、使えるのが洗脳時ってことで今まであんまり、というか一度も使ってこなかったスキルなんだけど、今回気になったのはそこじゃない。

このスキル、全スキルの中で一つだけレベルアップしてないんだよね。

ほかのスキルたちは何かしら最低でも一個はレベルアップしてるし、さらに言えばこいつは固有スキルだ。

一度も使ってこなかったってのはやっぱりあるかもしれないけど、進化ボーナスとか何とかでほかの固有スキルたちは進化するか、着々とレベルアップしている。

こいつだけ異常にレベルアップに必要な経験値量が桁違いなのか、何なのか。

なんかできの悪い生徒を持った中三学級を持った中学校の先生の気持ちが分かったような気がするわ。

ま、それでもルンターレッサーバクテリア時代からいて一つもレベルアップしなかったってのはやっぱり異常な気がする。

ま、気にしすぎといわれたらそれまでなんだけれども。


で次。二つ目。

錯乱、五感破壊、内臓麻痺の三兄弟。

こいつらは多分私の直接進化形態のミクロスレッサーバクテリアかルンターバクテリアから還元されてきたスキルかな?

効果はそれぞれ、バーサク付与、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚を使えなくする、内臓の機能を停止させる、というもの。


うーむ、つおい。

それこそ内臓麻痺だって心臓が止められるようになったら洗脳できた時点で勝ち確なわけだし。

…今は胃しか動かせないっぽいけど。

このスキルが使えるようになれば幾らでも戦略の幅は広がってくるはず。

私って相当状態異常特化じゃね?という疑問はロケット花火に括り付けて吹っ飛ばして、やっぱりというかこのスキルたちにも地雷はしっかりと仕込まれていた。

ここでもう一度これらのスキルたちの鑑定結果を見てみよう。


{錯乱

バクテリア種固有スキル


・洗脳時に、一時的な疑似感情を植え付け、脳に直接錯乱を引き起こさせる。

・錯乱状態の効果時間は、レベルによって変化する。Lv.1 の場合、10 分。


特記事項:付与中は体のコントロールを失う。}


{五感破壊

バクテリア種固有スキル


・洗脳時に一定時間、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚が脳に届くのを妨害する。

・妨害可能時間はレベルによって変化する。Lv.1 の場合、

1:10 分

2:8 分

3:6 分

4:4 分

5:2 分


特記事項:付与した相手が「五感強化」系統スキルを保持していた場合、術者よりもレベルが高ければレジストされる。}


{内臓麻痺

バクテリア種固有スキル


・洗脳時に、一定時間内臓の期間を停止させる。

・麻痺可能部位はレベルによって変化する。

Lv.1:胃


特記事項:付与した相手が「内臓強化」系統スキルを保持していた場合、術者よりもレベルが高ければレジストされる。}


そう。

見てわかる通り、こいつらのスキル発動条件が吸収と同じで、全部{洗脳時に}なんだよねー。

洗脳っていうのは、私がミニマムでレッサーなバクテリアの時からずっと持ってるスキルなんだけど、このスキルは発動した相手のステータスやらスキルやらを乗っ取れる代わりに洗脳した相手が術者よりも格上だったら死ぬか狂うかの二択しかないハイリスクハイリターンの権化みたいなスキルで。


まあ案の定昔私はこれで失敗していろいろトラウマになってるわけですわ。

私ってばメンタルの強さだけが取り柄みたいなもんだったんだけどなー。

私からそれを抜いたら一体何が残るというのか。


はぁー。

早くなんとかして使ってみてー。


で、三つ目。何というかやっぱりこいつが一番の問題児。

大量の厨二スキルたち。

まだ良い。

頭おかしい問題スキルたち。

やんちゃで結構。

過去のトラウマたち。

頑張って乗り越えよう。


…ただね。

凶化。

テメーは駄目だ。


{凶化

ウイルス種固有スキル

・術者の生命を代償とし、一定時間、HP、МP、SP の上限拡大、HP、МP、SP 即時回復、ウイルス種固有スキル、通常スキルランクアップグレードを術者にかける。

・HP、МP、SP の上限拡大、即時回復率はレベルによって変化する。Lv.1 の場合、+100%。

・ウイルス種固有スキル、通常スキルのランクアップグレードは、レベルによって変化する。

Lv.1 の場合、ランクアップ+1&レベルブースト 1。

・上記のデバフがかかる時間はレベルによって変化する。Lv.1 の場合、10 分。


特記事項:強化の割合は術者の魂錬点全領域に依存する。}


…ハァ?

何故だし。

何でお前がいるし。

お前ってさ、あれだよね?

確かグロウなウイルスがもってたマジキチスキルだよね?

自分は確実に死ぬけど相手も確実に殺すっていう、道ずれ精神の具現化みたいなスキルだよね?

その凶悪の化身であるチミがどういう経緯で私のスキル欄に鎮座しているのでしょーか?

あー。

可能性として考えるなら、グロウなウイルスとの戦闘時に「凶化」スキルを獲得するための経験値的なのをどこかしらから吸収していて、ある一定量にたまったままだったけど、このスキルは「ウイルス種固有スキル」だから私じゃ獲得できなかったけどついこの間獲得した(ミクロの殺戮者)っていうウイルスとかのスキルを獲得できる称号を手に入れたことで晴れて名実ともにこのスキルを獲得する条件がそろったから勝手に入ってきたとか?


んー。

まあ確かにその考え方なら説明欄に「ウイルス種固有スキル」って書いてあるのにバクテリアである私が獲得できている矛盾も解消できるかもしれないけど、このスキル、実は獲得できたのが進化の後なんだよなー。


うーむ。

あともう一つ考えられるとするなら、このスキルを持ってたウイルスの正式名称は「レッサーグロウウイルス」。それで、私の進化形態の内の一つには「グロウレッサーバクテリア」っていうバクテリアがいる。

「レッサーグロウウイルス」と、「グロウレッサーバクテリア」。

…えっと。

つまり何が言いたいのかっていうと、同じグロウつながりで謎のシンパシーがこの二体間でつながって、ウイルスの持ってたスキルをグロウレッサーバクテリアが獲得したのが私のところに還元されてきたんじゃないかなーっと…。

えーっと。

うん。

ほら、こう、目と目が合う瞬間に―。

みたいなそんな感じでさ。

…あ、

え、

いや、

う。

…。

申し訳ございませんっしたぁー!


―ま、まあ何のヒントらしいヒントもないわけだし、半分冗談で言った二つ目の案も捨てきれるわけじゃない。


ちょっくらここで進化した子たちの鑑定でもしてみようかなー。


ア:一瞬の復活でしたね。


山:あれだよ。今流行りの終わる終わる詐欺という奴。


ア:終わるのを心配してくれる人なんていないんですけどね。


山:つら

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