60 あずかりしらぬ
明日も投稿…します。
…う、うだー!
駄目だ駄目だ逃げちゃだめだ!
やります…私はやれます!
こんなところでへし折れてるなんて私のキャラじゃない!
絶望上等!
そこにわずかに光る希望があるのならよりかかってでも這ってでも砕け散ってでも例え生き意地汚くてでもそこにすがる!
それが私だ!
そんなことを声を大にして言う私も私でどうかと思うけど、もう一度言う!それが私だ!(2回目)
決して死神とか中二病っぽいことを言う悲劇のヒロイン風のことをやりたかったわけじゃない!
断じてない!
ないったらない!
ふ、ふうー。
落ち着けー!
落ち着けー!
大丈夫。
まだ頭はバリバリに回転してるし、ちょっと落ちちゃったけど、まだあいつらを凌駕するスピードは健在だ。
こんなところで萎えてる場合じゃない!
つーか萎えたら死ぬ!
ファイト―イッ○ーツ!
…
戦闘開始から更に体感十数分後。
その報せは、突然としてやって来た。
{分体の頭蓋骨内に浸入成功。}
…ふぁ?
へ、ほひょ?
ま…まじ?
マジだ。
よっしゃあああああああああああああああああああ!
ついに訪れた!
希望の光が!
ヒュンッ…。
うお!
アブねっ!
一瞬のスキをついて放たれた光の玉を紙一重で躱す。
ふうー。
危ない危ない。
少し落ち着こう。
幾ら希望が見えてきたとはいえ、ここで死んでたら元も子もない。
…
…私がさっきからいっていた希望の光というのは、このことだ。
事の始まりは分体 200 体が全滅する数分前、いや、正確には分体 199 体が死ぬ数分前。
私は、化け物がまだウイルスだったころに放たれた光の最底辺魔法スキル、「射光」にビビり散らかして土魔法レベル4の「創土」を発動させた。
その時に、進化途中の分体が何体か巻き込まれていたけど、進化途中の分体は身動きが取れないってこともあって、近くの分体何体かを向かわせて、近くにいた進化途中のやつらはすぐに守れるように一か所に固めておいた。
でも、その時に確認漏れがあったのか、その時土の津波で遠くに流された分体が一体だけいたのだ。
尤も、そのことに気づくのは少し後のことだったけども。
言い訳をするとするなら、その時はいろいろ手が回ってなくて、このバクテリア特有のあまりにも多い触手の手でさえも余るような状況だったからそんな一体を気にしている余裕もなかったし、そもそもその分体が下に分裂したと思われる分体が死んでいなかったことからその事に全く気付くことができなかったからだ。
まあ、そのことが結果としてその後の重大なキーとなっていったわけだけどね。
まあ、そのあとすぐに魔法主体の戦い方に変更して、だいぶ余裕ができたから護衛がてらにさっき集めた分体二百体のもとに行った時、ようやく分体が一体足りていないことに気が付いたわけだ。
だから急いで分裂スキルのサーチで残り一体を探して、分体を数百体ほど見繕ってそっちの方に向かわせておいた…。
後に来たのがこの事態だ。
分体が生き残っていたことは事前に確認済みだったし、全滅した後はすぐに呼び戻して兵力の増強に速攻で当てようと思ったけど、ここで私たちと化け物の間にはそもそも相手にならないくらいの圧倒的な戦力差があることに気づいた。
私がいつもほかの生物と戦うにあたってよく使っている戦法は殆どが圧倒的な兵力に物を言わせた数の暴力によるゴリ押しだ。
勿論、只の脳死ブッパしてるだけじゃなくてちゃんとこの戦法には理由があって、この戦略ならそもそものステータスの開きがあったとしても、すぐに数に物を言わせて敵を圧殺することができるからだ。
これなら量より質が重要になってくるよくある異世界物の展開には早々こぎつけられないし、ぶっちゃけ言っちゃうと、一介の女子大生である私の貧弱な脳ミソじゃ無駄に兵士を浪費させて勝つことのできるこの戦法くらいしか考えることができなかった。
しかし、今はその利点さえもが完全に封じられた圧倒的なステータス不利に圧倒的な数的不利。
このまま分体をそのまま兵力として動員しても瞬殺されてしまうのは目に見えてる。
この現状でそれを行うのはそもそものところで論外だ。
だから私は普段滅多に使わない頭を使って一計を案じた。
それすなわち、「私が囮になってるから君らはゾンビ量産体制整えておいて!」戦法。
いや、ネーミングセンスについてはこの際見といてくれるな。
うん。
ゴメンナサイ。
…んで、その内容はこうだ。
まずなんか私がいろいろ頑張って敵の注意を引き付けまくる。
その間に生き残ってた分体達が化け物の分体のうちどれか一体の脳内に入る。
以上終了。
それだけかって?
そうですが何か?
ゴメンナサイ。
…んでんで、私の持つ分裂スキルの超進化バージョンである化け物の「超分裂」スキルがどんなものなのかは鑑定結果を見るだけじゃどうにもわからないけど、分裂で作った分体と感覚が共有できる部分は、私が実験した限りだと五感のうち一つだけだ。
それで、自我破綻のデバフがついてるくせに妙に冷静で頭が微妙に回るあいつが五感のうちから選ぶ感覚は私と同じく多分「視覚」のはずだ。
もちろん絶対の確証があるわけじゃないけど、光魔法のあの厭らしい撃ち方を見るにあれは私を目で視認してやってきてる気がする。
だからその間視覚以外の五感、聴覚、触覚、味覚、嗅覚はお留守のはず。
だからきっと、あの化け物には気づかれないさきっと。
という風に踏んでいたわけだ。
完全なる山勘だったけど、その予想は的中してくれた。
…だけどもし、超分裂の五感共有能力が五感すべてをカバーしていたら?
もし、当たったのが分体じゃなくて本体だったら?
もし、私が囮であることに気づかれたら?
もし、分体がまた殺されてしまったら?
このうちのどの予感が的中しただけでも、私の敗北、即ち死は確定していた。
正に綱渡りの状態。
レベルで言ったらピアノ線の上でコサックダンス踊ってたようなもんだもん。
でも、私の分体はこのうちのどの予測にも反して無事、奴の頭蓋骨内に侵入してくれた。
いやはやいやはや。
マージで助かった。
…よっし。ここから反撃開始だ!(n回目)
二千二十二年までには…二話投稿します…。(ニ回目)




