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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第九章 ミクロな世界の戦争

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Code.1 (37)

怒涛の10/14連投


戦争が始まって、俺たちの生活は劇的に変わった…と、いうこともなかった。


俺たち家族は実家を離れ、帝都の中心近く、富裕街の一角に家を与えられた。


元々の家は狭くはなかったが、新たに与えられた家は桁が違った。


まず、単純に部屋が広い、多い、高い。


備え付けの調度品は明らかに意匠の凝ったものばかりで、メイドのカナンは掃除の度に気を張っている。


学校は元々帝都だ。


クラスはいくつか再編されたが、何人かのクラスメイトは残っている。


レミウルゴスもいた。


だが、エイやセスタ、アレンなどは別の地に疎開したらしい。


学校の授業は少し変わった。


歴史の時間は半分が「国家理念」と「忠誠の意義」に置き換わり、数学の問題文にはいつの間にか「兵站」や「MP補給量」といった単語が混じるようになった。


教師たちは穏やかだったが、妙に口数が減った。

冗談を言っても笑わない。


日々の生活の中に若干のピリつきを感じるが、あの会戦の日魔王城でみたあの地獄と比較すると、随分と穏やかな生活が待っていた。


あともう一つ、俺や姉、レミウルゴスなどアドヴァンダルに残った生徒にはいくつかの依頼が入ってくるようになった。


依頼先は帝国、教会。


内容としては帝都周辺に発生した魔物の討伐であったり、ダンジョンの攻略だった。


人数で募集されるものもあれば、指名で依頼されるものもあった。


指名が入るのは稀だが、その強制力はそれなりに高い。


何せ、元が国だ。


今の所受けなかったことによるペナルティは聞かないが、教師からはかなり強めに受けることを推奨されている。


まぁ、俺たちに渡ってくる依頼はそこまで難易度が高いものでないのに加えて、支払われる報奨金の額もかなりのものだ。


指名されて辞退する人はいなかった。


レミウルゴスや姉も指名を受けていくつかの依頼に行っていたようだった。


姉に支払われた報奨金の額を見て父がひっくり返っているのをこの間見た。


指名の条件はよくわからなかった。


かなりの回数指名されているものもいれば、一度も指名されていないものもいる。


かくいう俺も、まだ指名依頼が来たことがない。


さっきも言ったが依頼自体は簡単だ。


範囲は帝都周辺だし、魔王城からそれなりの距離があるここはまだ大した魔物が現れない。


レミウルゴスはもう既に5回近く指名が入っているのもあり、若干の焦燥感に似た感覚を覚えていた。


そんな中、帰りのホームルームにて、担任になったサラ先生が俺の前にやってきた。


いつ見ても中学生くらいにしか見えない背、容姿で、サラ先生が俺に一枚の封筒を差し出す。


「…これ。」


「指名依頼です。」



…。



「よっ。」


ホームルームが終わり、教室に喧騒が戻る中、レミウルゴスが俺の席にやってきた。


「おう。」


「ついに来たっぽいな。指名依頼!」


「あ…ああ。」


レミウルゴスが机の上に置かれたままの茶封筒を指し示す。


「んで、どんな依頼だ?ダンジョン攻略くるか?」


「…今見てみる。」


ワクワクした表情で俺の封筒をみるレミウルゴス。


依頼の中で、ダンジョン攻略は頭ひとつ抜けて報奨金が高かった。


封筒を開く。

中の依頼文を確認した。


『帝国南部森林の防衛拠点の展開にあたり、周囲の魔物の掃討および安全化を依頼する。


報奨金:白金貨1枚』


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