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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第九章 ミクロな世界の戦争

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Code.1 (35)

超絶怒涛の9/11+n


鳴き声は無い。


火龍が頭を上に向けると同時に発生した超高音の音波は衝撃波となってあたりの草木をいっぺんに薙ぎ倒した。


視界が一瞬で赤く染まる。


真っ赤な霧が噴出した。


平衡感覚を失う。


歪む視界の中で、ふらつく面々の姿が映る。


意識が明滅する。


「ぁ」


「……ぉ……ぃ…!!」


体勢を崩し、岩陰から転がり出たセスタが前から走ってきた魔物に激突した。


血飛沫を軌跡に残して吹っ飛ぶ肢体。


…!!


視界が一回転する。


気づいたら俺の体は空に浮いていた。


赤の占有率が視界の半分を超えた。


急速に近づく地面。


手足を変な方向に曲げているセスタの横に墜落した。




心音。




拍動。




砂利。




轟音。




…!!!!




血を吐いた。





feat.レミウルゴス



{「地魔法Lv.10」を発動しました。}


手先から地を張って発動した地の刃は錯乱して走ってきた魔物を正面から両断した。


緑色の粘液が降りかかる。


普段なら平気で避けられるそれも、今は大人しく受けるしか無い。


状況は油断ならなかった。


{「地魔法Lv.10」を発動しました。}

{「冰魔法Lv.10」を発動しました。}

{「洸魔法Lv.10」を発動しました。}


火龍の初撃で気絶した面々を地魔法にて移動、保護し、冰で傷を覆いつつ火龍の攻撃に備え、洸魔法にて回復させる。


レミウルゴスの背後で生まれた土人形がパーティを抱えて走って行った。


パーティの受けたダメージはかなり高い。


「威圧」スキルによる状態異常は、単純な精神汚染だけでなく、防御力減少の効果も若干付随している。


それに加えて今のタイミングになっての聖洸魔法バフの効果切れ。


パーティが火龍の叫びに耐え切れる道理はなかった。


あの初撃。


火龍スキルと、龍の称号による複合攻撃。


威圧の伴った無差別範囲物理攻撃だった。


魔王は何を考えている?


ユーリーンがCode.1を覚醒させた後、魔王城を脱出したのは魔王も気付いているはずだ。


下手をしたら…いや、下手をしなくてもレミウルゴスが守らなければ、ユーリーンは火龍の一撃からの魔物との戦闘で命を落としていた。


土人形が抱えるユーリーンに一瞬目線を向ける。


パーティの中でも、ユーリーンとセスタは重症だ。


咆哮による平衡感覚の一時的な麻痺、身体機能の低下で防御体勢を取れなかったことによる重症化。


火龍の叫びで錯乱した魔物に襲われた2人を助けるにはあの時あまりに距離があった。


小型竜型の魔物による突進攻撃と爪による攻撃をした時点で魔物は即座に排除したが、その間にユーリーンたちはほとんど致命傷とも言っていい傷を負ってしまった。


まだ息はある。


しかし予断を許さない状況だった。


レミウルゴスは三文字魔法シリーズの他に四文字魔法シリーズも全属性高レベルで所持している。


しかし、火龍がそれら高等魔法の発動を見逃すとは思えなかった。


火龍は最初の咆哮以来扉から動いていない。


何をしている?


あの魔物の投入に何の意味がある?


レミウルゴスには魔王の真意が読み取れなかった。


火龍は何をするでもなく周囲に首を向けている。


……あれは、若しやユーリーンを探している?


…ここで殺る気か。


Code.1の争奪は此度の戦争の核だ。


ユーリーンの状態的にも女神側にとって今が最大の好奇のようにも思える。


再度ユーリーンを見た。


魔物の爪はかなりの深度にまで達していた。


腹を抉るように振られた一撃は、膀胱から横隔膜に至る全ての経路の臓器を断裂させ、破壊した。


致命傷だ。


傷口は即座に凍結させたが、洸魔法では即座にそれらを回復させることはできない。


これだけの傷を受けてまだ息があるのは、ユーリーン本体のステータスの高さによるものが大きい。


とはいえ、洸魔法での治療をやめれば、HPの減少を止める術はなく、即座にユーリーンは死に至るだろう。


この場合、Code.1の継承先は冰魔法によるラストアタックに成功したレミウルゴスになるであろうことからも、女神有利な展開に持っていける事が想像に易い。


「…。」


…。


…。


…まだ命令がない。


グレイは何かあれば必ず連絡するであろうし、そも自身の体は半分女神の意思が混じっている。


その気になれば女神が何かアクションを起こすだろう。


レミウルゴスの判断のみで戦争の行く末をどうこうするのはリスクが高すぎた。


土人形に命令を下す。


土人形は大したレスポンスをすることもなく即座に身を翻して森に向かって走って行った。


その時だった。


全ての感覚が狂ったような反応を見せた。


刺すような痛みが全身を取り囲んだ。


殺気そのものに包まれたような感覚。


弾かれたように火龍に向き直る。


しかし、火龍は一切位置を変えていなかった。


位置を…。


極大の寒気がレミウルゴスを包み込んだ。


門から出てきた時のまま一切姿勢を変えていない火龍。


龍というよりは鳥に近いその体は、1km以上離れた地でも赤く輝くように見える。


常人ではまともに視認できないような距離でも、レミウルゴスの目にははっきりと見えた。


頭頂の金色の冠羽は、極度の熱を持って周囲の空気をプラズマに変え、黄金の稲妻を纏っているように見える。


鳥類然としたその小さな頭は、その向きを一点に合わせていた。


レミウルゴスのいる方向に。


目が合った。


気付くと、火龍とレミウルゴスをつなぐ線から全ての魔物が消えていた。


「!!!!!!!」


{「火龍Lv.10」の発動を確認しました。}



龍吐息(ブレス)



火龍が爆ぜんとするほどに光り輝く。


“それ”が攻撃だと認識するのにかかった時間は、既にレミウルゴスがそれを避ける時間を奪い尽くした。


直線上の全てを焼き尽くして飛来するそれを受ける術をレミウルゴスは知らなかった。


眼前が光で埋め尽くされる。


温度が消えた。


目を瞑った。



{「獄冰魔法Lv.10」の発動を確認しました。}



「…実習は以上で終了です。」


来るはずだった熱が、思いがけない声に上書きされたことに呆然とするレミウルゴスに、サラは服をはたきながらそう言った。



山:いや、その、何というか、普通に忘れてたよね。


ア:8日間連続で投稿しておいて、その言い訳が通ると?


山:逆に考えるんだ。8日も頑張ったなら1日くらい出さなくてもいいと。


ア:何が逆で、何が命題なのか小一時間ほどみっちりお聞きしたいですね。


山:いや、その、今日は朝から予定があって、帰ってきた後ソシャゲのイベントが今日までなのに気付いて、それで気付いたら日を跨いでたわけで、ベッドに入って目を瞑ったあたりで今日投稿しなかったことに気付いたわけで。


ア:そこに何の救いを見出せばいいのでしょうか。


山:思い出したことと、今日投稿できた偉さという事。


ア:舐めてるんですか。


山:いえ、そんなつもりは全く。


ア:山鳥さんは、“連投”の指す意味を今一度理解するべきです。


山:…何を…?


ア:前書き、よく見ておくんですね。


山: ………あまりにもやばい。特に余地を残すあたり人の心がない。


ア:というわけで引き続きよろしくお願いします。


山:あ…あぁ…ああああああ…あああ


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