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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第九章 ミクロな世界の戦争

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349 辛気臭い

超絶怒涛の5/10連投


「おけ。んじゃ、こんなところでいいかな。各々の陣営の戦争計画については、どうせ今言い合っても変わらんし、この後それぞれでやるって感じで。」


「わかりました。」


締めに入る。

天使達が神妙に頷いた。


んー。


なんかすることってまだあったっけ?


戦争説明した、内容説明もした、Code.1君の現状確認した、他Code.についてもやった、転生何某問題もまとまった…んー。


元Code.4君とかネルあたりの話ししてないけど、まぁこれはこっちの戦争準備だし、いっか。


「どうする?いつもみたいに誰かボコってから帰る?」


締めの雰囲気を察して妃奈が時空魔法を開きながら私に問うてくる。


即座に緊張が走る天使陣営。


妃奈ちゃん…


なんかあなた会議の場になるとIQ低下するわよね…。


暴力装置すぎる。


てか、毎回誰かボコってから帰ってたのかよ。


「却下で。」


「えー。」


私の回答に妃奈が口をへの字に曲げた。


口を尖らせるな口を。


妃奈の殺気が緩和し、天使側が警戒心度を若干下げる。


{「時空魔法」の発動を確認しました。}


同時にワープゲートが開かれた。


「お先に帰っちゃうよー、ここ、辛気臭ぇーし。」


101層に繋がるや否や、捨て台詞を吐いてゲートに飛び込む妃奈。


辛気臭い…うん。


まぁ少なくともインキ臭くはあるね。


半分くらい私のせいだけど。


私も帰るか。


「んじゃ、なんかあったら私に連絡してよ?少なくとももうシステムは荒らすな。」


「もちろんです。」


石田が深々とお辞儀をする。


んなこと言って、どうせまだなんか企んでんだろうけど。


石田の計画は暴けなかったし、結局Code.は手に入んなかったしなぁ。


今回は負けたなー。


唯一の釣果は、この会議室をインクでびちょびちょにした事。


私の目線を感知して、面々が頭を下げる。


その中で唯一、目につく存在があった。


「そういえばお前、平然と天使(そっち)側行ってるけど、私と敵対ってことでいいんだな?」


私に指差されたCode.10(神)がワタワタと顔を上げる。


逃がさないよ?


なんか会議でも発言せずに縮こまってたみたいだけどさ。


「…私はこのシミュレーションシステムを動かすことを原初に命じられた…維持側の天使に着くことに何ら不合理はない…。」


あっそ。


ま、いいけどね。


システムがなくなって困るのは石田達だけだし。


「おけ、んじゃ、次は殺し合いってことで。」


手を振る。


相手方の反応を見る前に、私はゲートに飛び込んだ。





女神がゲートに入った直後時空が捩れるように歪み、いささか間抜けな高音と共に会議室は元の様相を取り戻した。


元の様相といえど、その中身はインクで染め上げられていたのだが。


石田は深くため息をつき、姿勢を戻して椅子に座り込んだ。


「何とか耐え凌いだか…。」


「帝都内に女神の気配はありません。本当に魔王城に戻ったのかと。」


サラがタブレットを操作して言う。


「そうか…。」


増井も同様に疲れた声を出すと共に椅子にもたれかかった。


「このインクによる会議室の被害はどうなってる?防護術式などは健在か?」


石田が顔を天井に向ける。


女神によって出現したインクの塊は会議室を包み込み、天井すらもほとんどを黒く染めていた。


会議室の外はまだ見ていないが、部屋に残ったインクを見る限り、廊下にまでこれは及んでいると思われた。


それに、生成方法も生成方法だ。


女神の過剰なエネルギーによって出現したのならば、それが魔術回路にまで影響を及ぼしていても何ら不思議ではない。


「防音術式、防護術式共に軽微な損傷は見られますが、致命的なものは見られません。」


「そうか…。」


石田は再度深くため息をついた。


此度の会議も耐え切った。


女神の発言を信じるのなら、もう直接的な話し合いは行われないのだろう。


条件は等々になった。


後は獲りに行くだけだ。


息を吐き切り、吸うと同時に活力が漲るのを感じる。


「では、改めて始めよう。人類を救う為の会議を。」



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