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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第二章 ミクロな世界の生き方

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47 破壊神 アビス・オブ・ゼロ (妄想)

{悟

希少スキル


・発動により、思考加速系統、演算処理系統のレベルブースト。

・発動により、神眼、万里眼の開眼。

・思考加速系統、演算処理系統のレベルブースト率はレベルによって変化する。Lv.4 の場合、4。

・怒系統スキルとの多重発動不可。


特記事項:発動により、HP、МP、SP の消費大加速のデバフがかかる。}


ふむふむ。

思考加速とか演算処理のレベルブースト?

怒り系統との多重発動不可?

なるほど。

うんうん。

ちょっとまって。

そんなのよりももっと気になる単語がピッカピッカと私の中で光りまくってんだけど。


「神眼」。「万里眼」。

この二つの単語。

なにそれ。


神眼?万里眼?

これは、あれだ。





―‘フッフッフ。ついに追い詰めたぞ…?勇者よ。‘


ここは中世ファンタジーにありがちな感じの魔王城。

魔王の配下、「‘あいつは最弱の四天王であったのだ。この四天王の恥さらしが。‘的な立ち位置の中ボス」を倒し、なんや感やあって出現した重厚ないかにもっぽい扉を押し開けた瞬間、魔王とのその配下に囲まれたという状況だ。


―‘バク子よ。よくも「‘あいつは最弱の四天王だったのだ。この四天王の恥さらしが。‘的な立ち位置の中ボス」を倒してくれたな。

これまでも貴様にはほかにも何人もの配下を倒され、辛酸をなめさせられてきた。

だがそれもこれで終わりだ!今日ここで貴様を倒してくれる!‘


入ってきた扉はすでに消え去っており、全方位は完全に固められている。

もう逃げ場はない。

それでも、私は不敵な笑みを崩さない。


―‘どうした?恐怖に駆られて感情が麻痺したか?‘

魔王は、勝利を確信したかのように私のもとへ一歩、また一歩と近づいてくる。


―‘動くな!ここで君が私を開放するのなら私は力を開放せずに済む!君たちは傷つくことがなくなる!‘


ここで私が声を上げるが、魔王はあざけるような表情を顔に張り付け、また、喋りだす。


―‘笑止!負け犬の遠吠えか!見苦しいな!‘


しかし、その言葉が私の心を決めた。

否、魔王たちが決めさせてしまった。


―‘あまり、これは使いたくなかったんだけどな。‘


そう言い、私は前髪に隠れた左目を見せた。

その瞳は、金色の光沢を放ち、さながら宝石のような輝きを持っていた。

それを見、魔王は慌てたように声を荒げる。


―‘なっ!馬鹿な!?そ、それは、「神偽眼」!?なぜ貴様がそれをっ!?その瞳は我が帝国が厳重に管理したものしか持たないはずだ!‘


―‘ふっ管理?あれが?甘すぎるんじゃないかな?だって 五歳にも満たないような子供が脱出できるような牢獄だったぜ?‘


―なっ!我が国の管理は絶対のはず…。はっ!五歳、脱出、まさか、貴様!十二年前に逃げ出したあの子供か!?‘


―‘は!その通りだ!私こそがかつて魔王帝国から唯一脱出した子供!ゼロ!‘


―‘な!貴様があの方の名をかたるのか!‘


―‘もちろんだよ。私はこの十二年でこの偽物の「神偽眼」をひたすら鍛え上げた!そして、私はあの方と会い、真の瞳を手に入れた!その名も、「神眼」!‘


―‘なんだと!?貴様のような愚民があの方と会うことなどできるはずもない!‘


―‘それができたから今この名を名乗れるんだよ!あの方、そう、破壊神アビス・オブ・ゼロ様にね!‘


―‘く!貴様ぁぁぁぁ!!‘


魔王が激高して私に向かってくる。

その姿を見て、私はため息を一つつき、瞳の力を開放した。

次の瞬間、瞳からはビッグバンを彷彿とさせるような光が放たれ、魔王は断末魔も上げることもできずに塵と化した。





―ってことが出来るんじゃね!?

え?

破壊神アビス・オブ・ゼロって誰かって?


いや、特に意味はないんだけど、破壊神ってならどうすればいいかなー?って考えたらぱっと浮かんできた。


んー?

神眼に期待しすぎ?

期待しすぎかなー?

いや、私は信じる。

この神眼というスキルが破壊神アビス・オブ・ゼロ様の名前にふさわしいことを信じる!

信じてるからね!?


じゃ!

悟り、発動!


{ルンターレッサーバクテリアからの要請を受け取りました。スキル「悟 lv.4」を起動しますか?

―yes

―no}


Yes。


ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン…。


おおう。

МP と SP がえげつない勢いで消えていく。


これは持って数秒ってとこかな?

じゃあ、急げ!

まずはいきなり本命の神眼だっ!

…。

ん。

ちょっと待った。

神眼ってどうやってやるんですかね?


え?

お、うん、へ?

あ?

こうか?

あれ?

違う?


{警告。SP が残 5%を切ったため、スキルを強制停止します。}


あ。

ああ。

あああああ。

終わっちゃった。

なぜだ。

うーむ。

取り敢えずこのスキルについて、そこら中に散らばってるクマムシのかけらを食いながら考えてみよう。


このスキルを使うことで掛かる HP、МP、SP 消費加速ってのがどの程度のものなのかはよく分からないないけど、МP は10秒で 1 くらい、SP は 1 秒で0.5 くらい減っていくっぽい。


これだと何もしなくても私のステータスだともって 8 秒ってところかな?

これは私だとあんまり大した量に見えないけど、SP が 100 あるやつでも 200 秒、大体 3 分とちょっとで死にかねないってところを見るとそうとうこれは強いデバフなんじゃないだろうか?

HP 消費加速についてはよくわからないけど、どのくらいダメージを食らうとどのくらいHP を削られるのか分からないから、正直なところこれはとても戦闘に使えるスキルとは思えないかなー。


ま、これは私の基礎ステータスが低すぎるのが悪いんだけどね。


うーん。

使えねー。



破壊神アビス・オブ・ゼロ…


かっこいい(?)

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