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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第九章 ミクロな世界の戦争

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340 産みの苦しみ

休日。


いやまぁなんというか、今現状毎日がバケーションな感じあるけど、とにかくやるべき事もするべき事も直近には何も無い今日この頃。


今日も今日とてソファに仰向けに寝転がり、逆さまになったリビングを見つめる。


強いて言うならシステムの状況を確認したり、Code.1君の進捗を把握したりする仕事はあるけど、それもこれも緊急じゃ無い。


と言うかそもそも、リトル五号改2(以下略)の体は本体の処理をするのと私の意識を宿すのにリソースをあらかた使っちゃったせいで、権能的な奴はほとんど使えないし。


あー。


…あ


…あーー。


て事は今私がするべき事はリトル五号改(以下略)の強化になるのかなー。


…仕事を見つけてしまった…。


…めんどくさいな。


正直リトル五号(以下略)を作るまでにそれなりの時間をかけたわけで、リアルタイム換算で言ったら多分5、6年はかかってるわけで。


まぁ保存はしてるからいいけど、正味どっから手をつけたらいいかわかんないし。


今現状私が詰まってるのは、リソースの拡張。


さっき言ったリトル五(以下略)に入ってる機能二種、本体の処理と私の意識を宿すのは、それぞれ相反したリソース配分が必要になる。


本体の処理には、本体の情報量を一旦取り込んでシステムに返す方法を使ってる感じで、これをなすリソースが少なければ少ないほど取り込む分の容量に空きが出るから、ここの機能のリソースは少なければ少ないほどいい。


反対に私の意識を宿す分の機能は、本体の意識を軒並み取り込んで、リトル(以下略)側で動かさないといけないから、その分のリソースは多ければ多いほどいい。


ここに追加して余剰分のリソースを各種ステータスやスキルに振って安定を図らないといけない。


結構カットしたけど、今のリト(以下略)の構成は奇跡的な配分で成り立っているのだ。


それに、単純に本体を動かす危険性もある。


今の本体はリ(以下略)を動かしたりリソースを送ったりでエネルギーを消費し続けてはいるんだけど、それでもなおエネルギーが蓄積する速度のほうが早い。


%でいえば微々たるものだけど、単純な蓄積量で言ったら毎秒シュバルト1人分くらいのエネルギーが溜まってってる。


ただでさえ繊細な出力でリソースを配分しないといけないって言うのに、出力元の基準値が毎秒変わる鬼畜仕様。


考えただけでげんなりする。


割と死活問題の(以下略)から目を逸らしがちなのはこれが主な原因だ。


とはいえ、もうそろそろ人魔大戦まで期間も無くなってきてるだろうし、やんないとなー。


あー。


めんどい。



…。



中空には星図が流れている。


錆色メインの木造小空洞は魔術的な雰囲気を強く感じる。


途中で見つけたカラスっぽいハーピィを小脇に抱え、小空洞の一角に座った。


「…ー!…ー!」


両手両足をぐるぐる巻きにされ、猿轡を咬まされたハーピィが唸る。


威圧スキルを程よく発動させながら、私の前に直立させた。


ハーピィの腕から羽を抜き取り、鑑定をかけた。


…と、言うわけでやってまいりました75層。


なんだかんだリビングで作業をしていて、続かないしこれと言ったアイデアも浮かんでこない時間を過ごす事数時間。


やはり私に必要なのはリフレッシュと新たな知見であると思うわけで。


そんなこんなでリフレッシュと魔族の肉体構成を見に75層に降りてきたわけでございました。


75層の選抜理由としては、あんまり低階層だと人間とかに合いそうだし、あんまり高階層だと単純にシステムに近すぎるのと(以下略)じゃ危ないと踏んだ結果だね。


あんまり深く考えてここにきたわけじゃないけど、人形の魔物がいてくれて助かった。


特にこれと言って必要な知見があったわけじゃないけど、やっぱり人外よりは人間型に近いほうがインスピレーションも湧きやすいしね。


とりあえずこのハーピィちゃんの中身をじっくりと見させてもらおうカナ…。


私の威圧スキルに怯えて固まるハーピィに鑑定スキルを使用しようとしたその時。


「何してやがる…」


背後に声がかかった。


ハーピィの顔がパッと明るくなる。


後ろを向くと、こちらを睨みつけるオラオラ君の姿があった。

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