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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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488/550

333 フラグ

それなりに怒涛な5/14連投



それは地球を模している。


神性の獲得と同時に超巨なエネルギーの飽和先として生成された空間とそれは、ほとんど寸分の狂いなく現実性を包していた。


魔術よりもより原生な事象としての創造。


それはどうしようもなくこの世界の理に従じていた。



{「時空魔法Lv.10」を発動しました。}



超質量の物量攻撃。


占めて60垓トンの土塊がそれに激突する様が、大分遠くに転移した先でもよく見える。


激震が走っている。


比喩でもなんでもなく世界が震えてる。


獄閻魔法シリーズが対抗して端っこにできてた点も、今や崩れる衝撃で赤熱する衝突面からは確認することができない。


透明な床は今や赤黒い土煙に塗れ、巻き上がった土石(1km)が降り注ぐ溶岩地帯に変貌している。


正真正銘の地獄絵図。


これまで大小合わせて多種多様な地獄絵図を作ってきた私だけど、流石に今回のはやっちまった感がすごい。


{「時空魔法」の発動を確認しました。}


「状況は?…ってうわ。」


破壊範囲の広さに戦々恐々としていると、唐突に後ろに開かれたワープゲートから妃奈の声が聞こえてきた。


「ナイスタイミング。」


私の言葉に横に並んだ妃奈がジト目で聞いてくる。


「タイミングってか、私これちょっと早かったら巻き込まれてたのでは?」


「その為に発動が早い土魔法にしたわけだし。」


「無茶苦茶。」


呆れたような溜息が返ってきた。



…。



土魔法Lv.1、操土。

内容は周囲の土の操作。


めちゃくちゃ簡単な内容だし、実際単純。


そしてその単純さはそのままスキルの強度の高さに直結する。


実を言うとこのスキルの説明の、「周囲」と「土」について、具体的な効果範囲は設定していない。


要は術者の技量と解釈次第でいくらでも粗をつける設計になってる。


んで、今回に関してはその適当さが役に立った。


妃奈による空間の掌握、そして魔術によらず生成された平面地球。


「周囲」と「土」の判定に細工するのは結構簡単だった。


効果範囲は北部高原ダンジョン三層、操作範囲は平面地球。


この時、操土は獄閻魔法と同等の術式範囲を有していた。


結果引き起こされた事象がコレ。


まぁ、実際に使う時は術者の知識だったりMP量だったりの関係があるから、みんな同じような効果になるんだけど。


…あ。


「何?」


不意に頭の中によぎる4文字。


よっぽど妙な顔をしてたのか、妃奈が嫌そうな顔でこちらを見返してくる。


ふっふっふ。


この状況になったら言わないといけない言葉が一つあったんだった。


スゥ…


「やったか!?」


「うわ」


妃奈が再びジト目になるのと、地球が真っ二つに裂けるのはほぼ同時だった。


Code.6に激突したあたりが光輝き、爆裂と共にそれが上昇していく。


赤色のヒビの頂点まで達したそれは、人の姿を象っていた。


この距離からでも判別可能なその姿は、地球のスケーリングしてなおデカい。


具体的に言うと、日本列島くらい。


「お゛母゛さ゛ま゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


咆哮。


巨大化したそれから放たれる声は、意味のある言語として脳が認識できない。


只々強烈な意識が空間を支配した。


「世界の端っこで愛を叫んでんなよ…」


「生存フラグと巨大化フラグと死亡フラグが3本同時に立った…。」



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