Code.10 (24)
怒涛の14/14連投
弾け飛んできた臓物が結界によって防がれる様を、神父は嫌そうな顔で見ていた。
「どういう事だ?いきなり魔物が増えてやがる。」
「Code.5でも最下層の魔物を完全に駆逐するのは難しかったのか?…いや、あるいは…。」
あまりのうるささに結界をもう一枚貼った司祭が顎に手を当てながらつぶやいた。
アレイヌ・アレイン古代都市軍。
その第三階層で司祭達は足止めを食らっていた。
超巨大な地下水路。
第二階層の地下鉄エリアを攻略したのちに侵入した第三階層では、これまでとは違い大量の魔物が発生していた。
古代技術の粋を体現したかのようなコンクリの円筒型トンネルは、今や魔物と神々の臓物で埋め尽くされている。
「恐らくはその仮定であっている。この魔物達は、“複製体”だ。」
司祭の呟きに、Code.10が反応した。
「それは…良いニュースと捉えるべきなのか、悪いニュースと捉えるべきなのかわからんな。」
「あん?どういう事だよそりゃ。」
Code.10の言葉に顔を顰める司祭に、神父は訝しげに返した。
そんな神父に、司祭は返した。
「いま発生している魔物は複製体。つまり、Code.5によって作り出された存在である可能性が高いということだ。」
「もうCode.5が起動されてるってことか?そいつぁ、バッドニュースでしかねぇ気がするが。」
「いや、Code.5がこれでここにいるということが確定したという情報だけでも良いニュースと言える。」
「政治職も板についたな。」
神父は鼻を鳴らして言った。
…。
「お喋りは終わったかね?そろそろ水門だ。」
Code.10が二人を横目で見つつ、前方を指差す。
見ればなるほど、水路を覆うようにこれまた超巨大な水門が現れていた。
「俺の予想じゃ、確実にCode.5はこの中にいるね。」
「予想に確実は無い。君も研究者ならそれくらいはわかっておくべきだろう。」
「冗談だよ。」
司祭の言葉に神父は肩をすくめる。
だが司祭はそう言ったものの、神父の言葉には納得感があった。
水門の様子はこれまでの地下水路の様子とは大きく変わっていた。
いや、正しくは元々は同じようだったのだろうが、水門にはそれに上塗りするように肉肉しい壁がへばり付いていた。
血管が浮き出し、脈動するその様子は、水門の隙間から溢れている様だった。
というか事実、まだ未完成な魔物もどきともいうべき存在が門の隙間で腕をバタつかせていた。
研究者でなくても、この事象の主が門の中にいる事は容易に想像がつくだろう。
「そんで、もしCode.5を討伐した時、誰がそれを継承する?」
魔物もどきの喉笛を神が噛み付くのを眺めながら、神父が切り出す。
「私はもう無理だろう。確かに継承時増幅されてはいるものの、女神の権能を同時に三つは器が持たない。」
司祭が胸に手を当てながら返す。
「私は可能だ。器は元より問題ないし、女神は私に直接攻撃ができない。…問題を挙げるとするなら、私がCode.5を継承した場合システムにそれが戻る可能性があるということか。」
Code.10は思案げに答えた。
「俺もいけるんだよな…。Code.10は他の権能と干渉しないし、魂の容量に関してもここ1000年でだいぶ増やした。起動も問題はないはず。」
「となると、とどめは神父かCode.10に頼む事になる。よろしく頼む。」
「任せてくれ。」
「まぁ、ここで倒せるって事が最低条件ではあるけどな。」
司祭の言葉に残る二人が返し、その想いに呼応する様に門がゆっくりと開き始めた。
山:特に何も考えずに日数設定したのに、意図せず大晦日終わりになってしまった…。
ア:まだ冬休みちょっと残ってますね。
山:え…どうしよ。
ア:一旦最後までやってみましょう。
山:え、あー。
ア:やってみましょう。
山:…。
ア:やってみましょう。
山:ど
ア:ど?
山:努力目標で!




