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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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328 変態

怒涛の13/14連投


「妃奈は空間の掌握よろ。」


「おけ。」


{「時空魔法」の発動を確認しました。}

{「獄地魔法」の発動を確認しました。}


妃奈が転移門の中に身を投げる。


空間から這い出る爪のようなものが転移門から吹き出し、入り口にひしめいた。


一度Code.6に現実性を吸い尽くされ、再分与されたこの空間は完全にCode.6の支配下にある。


北部高原ダンジョンの第三階層はCode.6の腹の中と認識しても間違いはないだろう。


そんな中でほぼ完全顕現した神を倒すのは非常に難しい。


ただ、Code.6の権能を介さないただの事象としての空間掌握と、妃奈のCode.8を介した空間掌握では、いくら神と人の器の差があったとしても後者が勝つ。


完全に空間を奪い返せたら後に残るのはただ弱体化した一生物にすぎない。


この勝負、序盤の数分が明暗を分ける。


「お母サマッッッッ!!!!」


強撃。


瞬時に私の前に飛び出たCode.6が死神時代彷彿とさせるような暗黒の鎌を横薙に振りかぶる。


鎌の軌道は私の胴体下部肋骨くらい。


鑑定の結果からHPの減少値を計算する。


…多分大丈夫!


防御体勢は取らない。


大振りの鎌はすでに予備動作を終わらせていた。


振り抜かれる鎌。


軌道の通りの斬撃は私の胸下あたりを通過し、体を二分させた。


噴き出る血液。


それでもHPの減少値は大したことない。


振り抜いた体勢で運動エネルギーを制御しているCode.6に、残った上半身から思いっきり腕を振り下ろす。


脳天からの衝撃で思いっきり倒れ伏すCode.6。


潰れたカエルみたいな格好になってるCode.6を、私の下半身が蹴り飛ばした。


「ぐっ!?」


咄嗟に腕を前に出してるけど、無理な体勢で食らった私の蹴撃を防ぐには足りない。


Code.6は吹っ飛ばされ、透明な床をゴロゴロ転がりながらうまく受け身を取って立ち直った。


鎌を片手で下に構え、私の蹴撃を食らって赤くなった手を頰を染めながら眺めてる。


「肉体再生におけるエネルギー効率についての授業でもしてあげようか?」


「ご教鞭ありがとうございます…なにぶん独学でしたので…♡」


語尾にハートマークが見えるぜ…。


治った腹を撫でつつ、破れた服を見る。


胸上で裁断されたキトンは、腰の辺りで裏返って止まっていた。


なんか意図せず腹だしファッションみたいになってる…。


「ファッションデザイナーにでも就職したら?」


「お母様はどんな服装もよくお似合いでございます。」


「ありがと。」


{「獄冰魔法Lv.10」の発動を確認しました。}


{「破壊超攻撃Lv.10」を発動しました。}


Code.6が鎌を振り上げると同時に発生した氷波を拳を突き上げて粉砕する。


跳躍。


そのまま空に残った氷塊を蹴り、次いで跳躍する。


氷粒に一瞬私を見失ったCode.6が鎌を振り上げる。


その隙にCode.6の背後に着地した。


衝撃で透明な床にヒビが入る。


舞う透明な欠片。


後ろに向くCode.6の横目と目が合う。


{「物理超攻撃Lv.10」を発動しました。}


その横顔に反転した蹴りを叩き込んだ。


しかし、発生した事象は想定したものではなかった。


蹴り抜く勢いで振った踵は、その整った顔面を歪めることすら叶わず頰で止まっていた。


Code.6は体を回し私の足を掴むと、そのまま逆さまに持ち上げた。


「変態」


「結構でございます。」


胸上と腰でひっくり返ったキトンのところを舐め回すように眺めるCode.6は、私の言葉にも満面の笑みを浮かべ、そして私の腹に手を当てた。


{エラー。システム外の攻撃です。}


私の体は腹から爆散した。


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