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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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322 おざなり即死トラップ

怒涛の6/14連投


人っ子一人いない町の中を進む。


{状態異常:侵食をレジストしました。}

{状態異常:腐蝕をレジストしました。}

{状態異常:分解をレジストしました。}

{状態異常:融解をレジストしました。}

{状態異常:朦朧をレジストしました。}

{状態異常:獄閻をレジストしました。}

{状態異常:獄闇をレジストしました。}

{状態異常:呪怨をレジストしました。}

{状態異常:破壊をレジストしました。}

{状態異常:消滅をレジストしました。}


…。


{フィードバックを停止しました。}


あまりにうるさいレジスト通知を切る。


こいつのSAN値は私が中に入ってる以上大丈夫だし、万が一状態異常が貫通してきても、一効果程度で最大HPを削り切ることはできない。


無視定期でいこう。


純白の街は光を反射して目に眩しい。


元のフィールドは降雪地帯だったはずだけど、すでに気温は59層の砂漠とさして変わらない。


…うーん。


{「獄地魔法」を発動しました。}


私の足元が物理的に歪む。


少し凹んで大理石が抉れ出、それは私の手の上でサングラスに変容した。



…。



城下町は信じられないほど静寂に包まれている。


目を模しているのか、外周から所狭しと並べ建てられた大理石の家々には全て球形の建造物が付随している。


球に描かれた縦長の瞳孔は、皆それぞれあらぬ方向を見つめており、一つとして私の方向を見ているものはなかった。


…せいっ。


ノーモーションでいきなり体を反転させる。


人外の筋力によって回転した視界は、数瞬前まで私の視野角を占めていた範囲とは真逆の世界を映し出していた。


そこにあったのは、全ての建造物の眼球が私のことを一心に見つめる様。


つい今通り過ぎた家はもちろんのこと、門の近くにあった家も、何なら私が近くに行きすらしなかった家も。


私の後方全ての家々の目線が私のことを刺し貫いていた。


極一瞬だけ目線が家々と交差する。


次の瞬間、家々についていた瞳孔が黒く染まり、そして何も映し出さなくなった。


思わず半眼になる。


前方に向き直ると、私が目線を合わせたわけでもないだろうに、私がいく先々の家々での目も同様に黒く染まっていた。


何なわけ?


お前ら、某マ◯オのテ◯サな訳?


照れというか即死してるけども。


上を見れば、巨大な眼球の外側でギョロついてたファンネルみたいな目も全部黒塗りになっている。


まぁ、おおかた条件つきの呪術の一つだったんだろうけど。


条件は対象を視認する眼球の数かな?


失敗したから呪いが跳ね返ったりしたのかね。


わからん。


まぁ、最初っから低レベルを即死させる罠を張っておいて、この状況下で生き残れる高レベルを刈るトラップをこんなおざなりな構成にするダンジョンの真意なんて考えるだけ無駄だろうし。


あのでっかい眼球の構成にエネルギーを消費しすぎたっていうのが主な原因なんだろうけどさ。


上の眼球は周りの眼球が死んでも変わらず私に状態異常を振り撒いている。


あいつだけ明らか私とずっと目があってたしな。


あの目は呪いと無関係なんでしょう。


っと。


立ち止まる。


神殿の入り口。


そりたつ絶壁が私の前にあった。


山:真っ黒になった目君達がやってた呪いの発動条件は、「対象を一方的に視認する」です。彼らは数を揃え、すべてのファンネルがそれを視認する事で発動すると縛りを設け、呪いの効果を上げていたわけです。


ア:前方の子達と上にいた目が死んだのは何か理由があるんですか?


山:彼らは複数であると同時に、呪い的には単一です。集合単一体である彼らは一蓮托生であり、「一方的に対象を視認する」の発動条件が五号によって破られ、さらにサングラスをしていたことで彼らは五号を認識できず、跳ね返りが強くなって連鎖的に即死しました。


ア:設定解説お疲れ様です。


山:仕事した…。

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