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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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317 魔法オブクラッシャー


脳の修復が完了し、ブラックアウトした視界が復活する。


口内に広がるコンソメパンチを味わい、若干の貧血に眩む視界を振りながら辺りを見回した。


大聖堂みたいな空間はさっきと変わらず。


ただ、獄閻魔法の使用と何度かの物理攻撃によって内装はまたも酷く崩れている。


炭になった長机を蹴りつつ、さっきまで獄カナヘビを捕縛していた地点に戻る。


見れば、土で作られた巨大な槍は捩れたように分解し、空中に固着され、炎に関しては若干の熱のみを残して完全に消失していた。


術式は完全に破壊され、後に残るのは土魔法に物理的創造効果によって残された結果のみ。


次元干渉で魔術が崩れたか…。


魔術は、燃料となる魔力とそれを魔法に変換する術式で構成されている。


今回のケースでは、時空魔法の次元干渉によって獄閻魔法の術式部分が崩れていた。


それが獄カナヘビ解き放つことになった理由だろう。


獄閻魔法の術式自体そこまでやわなもんじゃ無いと思うんだけど、今回に関しては時空魔法を崩すために私もエネルギー入れちゃってたからなぁ。


過剰エネルギー供給で暴発した時空魔法が術式をぶっ壊しちゃったっぽい。


獄カナヘビに頭切られて気絶していた時間は大体2分ほど。


この体が無事ってことは、あの後速攻で獄カナヘビは時空魔法に連れ去られたんだろう。


んー。


今回の下手人は誰だ?


少なくとも、この極カナヘビ達侵略者らの居場所を知っていたかつ私の術式にある程度抵抗できるやつって考えれば、自ずと対象は数人に絞られてくる。


考えうる奴は、Code.10、天使ら、あと外にいる侵略者達。


まぁ、この中で一番可能性が高いのはCode.10か?


単純に居場所の件で言えばここに送り込んだ張本人だし、動機に関しても妃奈が殴ったことを根に持ってるとか、私が怖いからとか幾らでも理由づけができる。ただ私の術式に対抗できたのがなんか気になるけど、魔法対抗はCode.10自身の権能を使えるし縛りもあるから幾らでも抜け道はある。


石田に関しても、居場所がわかったのが気になるけど、出力とかに関してはCode.2があっちにはいるし、動機に関しては言わずもがなだ。


ただ、問題はこれが外の侵略者だった場合だね。


石田同様居場所が知れた理由がわからないけど、出力に関しては申し分ないだろうし。


ただでさえシステム負荷が高い上崩壊シナリオでも干渉できないシステム外の存在の戦力が強化されるのは厄介極まりない。


とは言え、今すぐどうこうするのは無理だな…


時空魔法はもう完全に効果を終了しているし、またスマホを送ってあいつらに確認をとるわけにもいかない。


今無駄な消耗はするべきじゃないしね。


はぁ。


ため息をつく。


座り込んだ先に転がる95層ボスちゃんの死体と目が合う。


おおう。


もう丸焦げになっちゃったけど、こういう時って埋葬とかしてあげたほうがいいんだろうか。


っていうか、この子の場合どの弔い方が正しいわけ?


天使っぽいキャラデザ的に線香じゃ駄目だよね?


とりま埋めて十字架とかブッ刺しとく?


黒焦げ生首になった95層ボスちゃんを拾い上げようとしたその時。


「同類…かと思ったけどちょっと違うのかしら?」


手の中から生首が消失し、後ろからやたらと艶やかな声がかけられた。


「その演出消せたのですね。」


さっき登場した時はなんか神っぽい演出してなかった?


五号を介した私の質問に、95層ボスちゃん改めカムアちゃんが呆れたような声色で返した。


「私だって時と場合は選ぶわよ。…それで、あなたは誰なのかしら?」


五号は暫し沈黙し、翻って横を抜けながら返した。


「あなたの上司に当たる者です。設定的にも内実的にも。」


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