侵略者討伐軍 ④
怒涛の3/5連投
{真祖固有スキル「王吸Lv.10」の発動を確認しました。}
破裂音。
衝撃波が一瞬周囲を走り抜けたと思ったら、エヴァたちの背後で部屋の壁が爆裂した。
先ほどまで侵略者が拘束されていたはずの場所には、いつの間にかシュバルトが立ち、服についた埃を払っていた。
シュバルトの周囲にいた肉片が、目をギョロつかせ、その事象を発生させた根源を見つけ出す。
{王吸
真祖固有スキル
・自身を除く存在の一部ステータスを記録、自身のステータスに加算する。
・記録には一定の時間を要する。また、これは吸血により短縮可能。
・加算割合はレベルによって変化する。Lv.10の場合、+100%
・記録時間はレベルによって変化する。Lv.10の場合、1分。
・加算継続時間はレベルによって変化する。Lv.10の場合、10分。}
シュバルトは頬についた侵略者の血液を舐め取り、獰猛な獣のような顔つきとなって言った。
「下がれ。」
…
王吸スキルによってシュバルトが記録した侵略者のステータスは、平均瞬発力値だった。
本来のシュバルトの瞬発力値は752826。それに現在の侵略者のステータスを参照して加算した合計点は2,502,824。
このスキルもまたパッシブでなくアクティブスキルに該当するものであるために、シュバルトの瞬発力値は成長上限を150万強突破していた。
シュバルトは口内に広がる鈍い鉄の味に顔を顰めつつ、体感で王吸スキルのクールタイムが減少したのを確認した。
このスキルを使う上で最も厄介な事項は、そのクールタイムの長さだ。
レベル10になり、クールタイムは1/10程度まで減ってはいたが、それでも戦闘中の1分は勝敗を待つのにあまりにも長すぎた。
本来ならば対面と同時に発動されるべきこのスキルは、韋駄天スキルによって極めて効果的に使用不可にされていた。
シュバルトの瞬発力値は侵略者のそれと比べて約10万程の差が存在する。
この状況で王吸スキルを発動したところで、1分の記録時間の末得られる瞬発力値は1,627,825。
それは韋駄天を発動した侵略者のそれと比較しても、やはり10万届かない。
よってシュバルトは侵略者が韋駄天を発動するのを待つことしかできなかったのだった。
皮肉なものだ。
シュバルトは、手袋を整えながら思った。
侵略者が切り札だと思って切ったそれは断頭台のロープだったのだから。
シュバルトは壁に垂直にできたクレーターの中で必死に自身の傷を回復する侵略者を見て笑った。
…。
クレーターが爆裂する。
思考が超加速し、褪せた光の中、土煙から飛び出す侵略者の姿を視認した。
その行先はシュバルトではない。
オルドワルドらがいる地点だと思われた。
シュバルトが横に腕を広げる。
同時に血管を切り裂き腕から出現した幾本もの血の鎌を返す手で全て投擲した。
数えて284本の血の鎌は、シュバルトの最強たる腕力と上限を突破した速度によって侵略者の元に飛来し、滅裂な破壊を伴って侵略者の元に到達した。
血の鎌はその速度によって赤く赤熱し、着弾と同時に巨大な火球に変化する。
エネルギーは問答無用で着弾地点の物質を蒸発させ、侵略者がめり込んでつくられたクレーターをも飲み込む巨大な大穴を生成した。
{吸血鬼固有スキル「血魔法Lv.10」を発動しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「創世魔法Lv.10+39」の発動を確認しました。}
{希少スキル「要塞Lv.10」の発動を確認しました。}
{希少スキル「創世魔法Lv.10+39」の発動を確認しました。}
オルドワルドとアヴァンが自身らを覆う防護壁を生成する。
韋駄天の速度ステータスにより発生するダメージは相当なものだが、それでもあの壁を破壊し尽くすのには3秒程度の時間がかかる。
その3秒は今のシュバルトと侵略者にとっては永遠と考えても問題はなかった。
火球の熱で皮膚が爛れた侵略者が、クレーターの中で起き上がる。
シュバルトから見て小粒ほどの大きさ。
一瞬熱の陽炎でその姿が歪んだ。
次の瞬間拳は目の前にあった。
シュバルトは既に鎌を振り抜いていた。
{吸血鬼固有スキル「血魔法Lv.10」を発動しました。}
「giiiiiiiii!!!」
腕が縦に真っ二つに切り裂かれ、侵略者が絶叫する。
その瞬間には正中線に沿って侵略者の体は真っ二つに裂けていた。
{吸血鬼固有スキル「血魔法Lv.10」を発動しました。}
「aaaaaaa!!!!!」
縦に開きながらも、侵略者は分離したそれぞれの命令系統で両の足に力を込め、その場から脱出しようとする。
足に力を入れた時点でシュバルトの腕は侵略者の尻尾を掴んでいた。
「gi!!」
それを意に解す様子もなく侵略者は跳躍した。
同時に何の抵抗もなく切断された尻尾が跳ね回る。
「自切とは…。」
シュバルトは跳ね回る尻尾を蹴り飛ばし、高速分裂にて自身の肉体を修繕している侵略者の方に跳躍した。




