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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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Code.1 (29)

怒涛の28/30連投


シスターは修道服のロングスカート部分をナイフで切り裂くと、捲って太もも辺りで止めた。


「援護は要りませんので、注意を買われないよう息を殺していてください。」


聖魔法を発動しようとしていたアレンを手で制し、ナイフを両の手に握ったシスターがしゃがみ込む。


「術式発動。」


{「勇者Lv.10」の発動を確認しました。}

{「聖光魔法Lv.7」の発動を確認しました。}

{「肉体大強化Lv.7」の発動を確認しました。}

{「破壊大強化Lv.8」の発動を確認しました。}

{「空中機動Lv.10」の発動を確認しました。}

{「悟Lv.9」の発動を確認しました。}

{「剣舞Lv.8」の発動を確認しました。}


スキルが順々に展開されていく。


金色のオーラを全身に纏い、彼女を中心に地面が放射状にひび割れていく。


「参ります。」


爆発音。


地が割れた。


その時点でシスターは化け物の本体にまで到達していた。


打撃。


同時に爆裂が起こる。


シスターの細腕から繰り出されるナイフによる打撃は一撃で化け物を仰け反らせていた。


「giiiiiiiiiiiiiiii!!!!!」


大量の触手がシスターに襲いかかる。


が、それらをシスターは巧みな体術で全て回避していた。


シスターへの攻撃に失敗した触手が勢いを殺し切れずにボス部屋の天井に突き刺さる。


崩落する天井。


「!」


シスターの意識が一瞬そちらに向けられた。


隙だった。


10本の触手が束になる。


真正面から放たれたそれを、シスターはナイフをクロスさせて受け止めていた。


ヒットストップも掛からぬままベクトルはシスターに残されていた。


ボス部屋の壁にシスターが激突するのが見えた。


怪物の追撃はそれだけにとどまらない。


シスターがめり込んだ地点に触手を打ち込み続ける。


「…やめろ」


血飛沫が舞った気がした。


超連続で撃ち込まれ続ける打撃音。


「やめろ」


壁には更に罅が入り、瓦礫が落ちていく。


「やめろおおおおおお!!!」


と。


「…言ったはずです。息を殺していなさいと!」


爆発。


シスターのめり込んだ壁の一部が更に爆発する。


追撃をしていた触手がそれに巻き込まれ、吹き飛んだ。


爆炎の中から飛び出す人影が一つ。


「生きてた!」


シスターだった。


空中を蹴り、更に加速して化け物に突進する。


流星のような光を発すナイフの先端が化け物に突き刺さった。


大きく歪曲する化け物。


その肉の塊のような本体がひしゃげ、青い血が吹き出した。


触手は活動を停止し、先から崩れ落ちていく。


「救済執行。」


シスターがトドメを刺そうとした。


その時だった。


人の面が割れた。


割れた先から飛び出したのは、肉で包まれた大砲の砲身。


内部にエネルギーを溜め込み、それらはもう発射可能な様だった。


そしてその砲口は、俺たちに向けられていた。


「!!!!」


叫ぶ隙すらなく、俺たちは光の中に呑まれた。



…。



光が収縮する。


目を焼く様なそれに視力が回復する以前に、体の無事を認識する。


何故?


俺たちは、奴のエネルギー砲に呑まれて…それで…


助かった?


何故?


一瞬の逡巡の後、出た結論の答え合わせを回復した視界は行なっていた。


「シスター!」


シスターの姿は変わり果てていた。


冷たい氷の様な美しさをはらんだあの立ち姿に見る影はなく、肉体と修道服は既に一体化している。


防御した腕は焼けこげ収縮し、一部骨すら見えている。


赤熱したナイフが地面に落ちた。


俺たちを守るためにエネルギー砲を受けきったのだとすぐにわかった。


「…ユーリーン…君。」


黒焦げになってなおシスターは立ち続け、ゆっくり後ろを振り向くと、その眼窩をこちらに向け掠れた声で俺に話しかけてきた。


「シスター!すぐに回復を!動かないで下さい!」


固まっているアレンに叫ぼうとした俺を手で制すシスター。


「スクロール…を…タイミングは…分かりますね…。」


「!!」


「酷な…役回りです…が…お願い…します。」


「…待ってください!」


俺の静止は効かなかった。


{「身体大強化Lv.7」の発動を確認しました。}

{「激怒Lv.4」の発動を確認しました。}


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!」


シスターが絶叫する。


構えを取り、跳躍をした。


幾千もの触手も防御の一切をかなぐり捨てて突撃するシスターを止めることは出来ない。


シスターが化け物の本体に到達する。


「っ!!」


俺はスクロールを縦に裂いた。



…。



光球が鳴りを顰める。


あれ程の攻撃を受けたにも関わらず、化け物は未だ健在だった。


触手の大部分を失ってはいたが、数本残っていれば俺たちを下すことなど容易だろう。


「…そんな」


エイの絶望した声が背後で聞こえる。


ゆっくりと、全ての人の面がこちらを捉えていくのを認識できた。


…足りない。


力が足りない。


この状況を打開できない。


方法がない。


どうする?


頼れる大人はもう居なかった。



触手がこちらに向けられる。



諦めるわけにはいかない。


でも力がない。


どうする。


欲しい。


力が。


あれを打ち砕くだけの能力が。



音もなく、残ったすべての触手が俺たちを貫かんと飛び出る。



欲しい。


よこせ。


力を。


どうにかするんだ。



刃が光った。



どうにか



一瞬の暇もない。



どうにか



もう目の前だ



どうにか!!!



{条件が一定に達しました。特典スキル「Code.1」を起動します。}

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