304 オフレコ
怒涛の21/30連投
「んで。」
「ミ゜
{「身体超強化」の発動を確認しました。}
{「獄冰魔法」の発動を確認しました。}
{「時空魔法」の発動を確認しました。}
唐突に妃奈が裏拳をCode.10に振り抜く。
ただでさえシステム最高地点にある妃奈の肉体に乗った身体超強化の裏拳は、Code.10がその事を認識する以前にその頭蓋を吹き飛ばした。
首が吹き飛び、フラフラとバランスを取ろうとするCode.10の身体。
自我を失いぶっ倒れ掛けた所に下から突き上げるようにして出現した氷柱が覆い尽くした。
氷漬けになるCode.10。
それから一瞬もしないうちにそれの足元に出現したワープホールが全てを飲み込んだ。
{「獄炎魔法」の発動を確認しました。}
手を銃の形にし、飛び散ったCode.10の欠片にエイムを合わせる妃奈。
爆炎。
ばーんと言う小さなボイスSEと共に指先から飛び出た熱線がCode.10の欠片を跡形もなく吹き飛ばした。
「…んで。」
あまりの突然な出来事にあっけに取られてる私の方に、服に舞った土埃をはたき落としながら向き直る妃奈。
「色々建前は置いといてこっからは真面目な話ね。」
「アッハイ。」
私は消え入りそうな声で返した。
…。
焼け野原と化した森の中、適当な倒木に座った妃奈が、二つのウィンドウを展開する。
一つは、さっき妃奈が表示してた魔王城の階層図、そしてもう一つは、この間石田とした会議のホワイトボードの写しだった。
「取ってたんだ、これ。」
「まぁ元々石田を拘束するために作ったものじゃなかったしね。」
ホワイトボードには、Code.のそれぞれの権能、今の継承者、そしてエネルギー問題などが簡単にまとめた時のまま残っていた。
「それで、今回見たいのはコレ。」
妃奈が指を指したのは、現状のCode.継承者一覧の場所。
「今現状だと、Code.2、5、7が石田の手にある。6はこの間調べた感じ私が生成した魔物が持ってたから、あれは問題ない。んで、確かシステムの自爆を実行するにはCode.が全種類必要なんだよね?」
Code.継承者欄のところにいくつか丸を追加しながら問う妃奈に返す。
「そうだね。流れというか実態的に、システムの自爆のプロセスは、自爆スイッチの取り付けとエネルギー充填の2段階ある。3、4、5、6、10で第一段階、1、2、7、8、9で第二段階って感じだね。」
「オッケー。つまり、端的にまとめれば私たちは第一段階クリアのために5を、第2段階クリアのために2、7を石田陣営から奪わないといけないわけだ。」
「そういう事になるね。」
「今んとこ暫定的に確保ができた6含め、私たちが確保できてるCode.は5つ。石田はシステム自爆に協力する気なんて無いだろうから、足りない分は殺して奪うしか無い。」
「うん。」
「それを鑑みて、今後のCode争奪戦の攻護合わせた最重要拠点である魔王城の安全化は必要なんじゃ無いかと思うんだけど、どう思う?」
「なるほどね。」
そこに繋がるわけね。
神々駆逐を推し進めた理由はそれか。
確かに、今後のCode集めに関しても、エネルギー消費がまだダンジョン内で賄える魔王城は攻めも守りもだいぶ好き勝手に動くことが出来る。
ここは完全に妃奈のテリトリーだし、神々駆逐による最終的な効用の方がデカくなるわけだ。
「確かにそう考えると神々の駆逐は必須っすね。」
「せやろ?」
「理解した。」
「ナイス。とは言え、女神様の言ってたエネルギー消費の事も考え無いといけない。…と言うわけで。」
「言うわけで?」
「女神様、魔王軍に入ってよ。」
「ふぇ?」




