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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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303 ロマンスなんてなかった。

怒涛の20/30連投


吸血鬼×ドラゴン×格闘×転移。


圧倒的厨二センスに掛け合わされる執事属性。


今こそめちゃくちゃ妃奈に忠誠尽くしまくってる感あるけど、私としては若い頃に妃奈と一悶着あってくれると大変嬉しい。


同様に長命種でありながら、命の長さ的には妃奈の方が上で、長い時を一緒に過ごしつつ、それでも自分だけが老いていく現状を嘆きつつ、静かに受け入れていてくれるといやもう本当にありがたい。


普通に魔王に仕える立場として最古参であるためにめちゃくちゃ魔王軍の中では立場が高くて、部下が沢山いて、人間界では『吸血龍』みたいな感じの厨二二つ名で呼ばれて畏れられてるけど、部下には凄く物腰柔らかで、色々手取り足取り新人にも優しく接してて、なんか転生して魔王軍にスカウトされたみたいなノリの異世界主人公にもそんな感じで…


「…今女神様が妄想してることの全部はなかったからね。」


大量に撮ったカメラスクロールを高速で眺めながらニヤニヤしてる私に、妃奈が手を被せて言ってきた。


「えっ…」


「なかったよ。」


「何百年か一緒にいるんだし、ロマンスの一つや二つ…」


「つい最近まで名前すら覚えてなかった女ぞ。」


「えっ…」


「スカウトの時のヤンチャシュバルトとの一悶着は…」


「魔王軍は皆んな私が作ったんだわ。一悶着どころか全部私の隷属下なんだわ。」


「…隷属下…。」


「だから、女神様の考えてた事は全部ないイメージな訳で…。」


「奴隷シチュも悪くないな…」


「…。」


「例えば、隷属したところで心までは…ギャッ!?」


「天誅。」


再度妄想モードに入った私に、妃奈は腰から取り出した銃をぶっ放した。


思いっきり脳天を貫通する銃弾。


「痛い…。」


「女神様が悪い。」


頭から血をダラダラ流す私に、半眼になった妃奈がもう一度銃口を向けた。


「いや、ちょま、ギャッ!!?」


人中、目の裏を通って頭頂部に開く風穴。


私はぶっ倒れた。


そのやり取りをCode.10は疲れた目で見ていた。



…。



「あー、えーっと、何だっけ?魔王城に放逐された神達の処理か。」


自然治癒で復活した私は、気を取り直して進行役に戻る。


「Code.10が好き勝手ぶっ放したせいで今魔王城内は結構混乱なうになってる。特に下層あたりだね。」


妃奈が展開したウィンドウを指差す。


魔王城の階層図が表示されており、それぞれのモンスターの配置が緑点で、神々の位置が赤点で表示されている。

階層指定によって内部キャラのステータスが表示された。


確かに、ステータスを見る感じ下層の神々は物理系統にだいぶステ振りをしてるっぽい。

格で言ったらそれこそ管理者級だし、物理を通すためのいくつかの強化魔法とスキルもかなり高レベルで揃えてある。


確かに強いね。


うーん。


だけど…。


「マジで私の主観として正直に言うと、こいつら別に放置しちゃっても良くね?って言う…。」


「…マジ?」


私の言葉に妃奈が返す。


こいつらがシステムに与えるダメージ的には、正直全く問題はない。


こいつらを放置することによるSP消費と多分正面からこいつらを叩き潰すのに使うSPで言ったら全然後者の方が大きいだろうし、あんま手出しするメリット無い気がするんだよね。


そのことに気付かない妃奈では無いと思うんだけど。


それを加味してもなおこいつらを殺す理由…?


「…ひょっとして妃奈、私がこいつらにやられたの根に持ってる?」


「んぐ」


喉を詰まらせたような反応をする妃奈。


にゃるほど。


まぁでもそうよな。


受肉前の私だったら普通に神々にエンカウントした時点で即死だったし、もしそうなってたら普通に世界は終わってたし。


不安要素として大きく見えるのは仕方がない。


「しかしまさか妃奈ちゃんが私の仇をそんな大事にしてくれるとは、好感度メーターあげててよかったぜ。」


「今のセリフ選択で好感度40くらい下がったよ。」


「撤回します。」

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