Code.5 (3)
怒涛の16/30連投
暗黒に放り出される。
空間と空間の裂け目。
あらゆる物理的因果が逆転した空間。
あいつ、空間ごと?
瞬間。
腹に黒い触手が巻き付いた。
クソが!
{分与プロセスを開始します。}
巻き付いた触手にSPを流し込む。
触手が弾け飛んだ。
こいつ、見た目やステータスこそシステムを超越してるように見えるが、その肉体はやっぱシステムに依存してやがる。
この世界のシステムはSPとそれを運用する肉体で出来てる。
肉体はSPの容量を決める蓋でもあり、器でもある。
そこに容量以上のSPを流し込んだらどうなるか?
簡単だ。
器が耐えきれず崩壊する。
ステータスは肉体と統合してあるからSPと一部に流したら全身に回るはずだが…。
弾け飛んだ触手の欠片が空中に浮かんでる。
自切したか…。
言語を理解した辺り妙に知能があると思ったが、アレを瞬時に見抜けるくらいには頭が回るっぽいな。
だが、これで確信した。
この戦法は奴にも効く。
末端からじゃダメだ。
本体に直接SPをぶちこまねぇと。
{分与プロセスを開始します。}
{生成が完了しました。}
奴にダンジョンシステムはぶっ壊されたが、Code.5自体の機能はシステム無しでも使える。
ステータスの設定とか細けぇ事は出来ねぇが、足場を作るくらいなら問題ねぇ。
足元に肉の塊が生成される。
肉の塊が収縮し、俺を引き込んだ。
この空間の物理的因果は逆転してる。
パチンコ玉みてぇに射出された俺は超速で侵略者に突っ込んだ。
大量の触手が俺を殺さんと襲いかかってくる。
勢いを殺さず、俺に触れる前にそれらは全部爆散した。
殆どの触手を失い、侵略者は対抗の術を失った。
死ねええええええええええ!!!!
俺の手が侵略者に触れる一瞬前。
黒い閃光が光った気がした。
音はない。
が。
激震。
龍たちを殺したあの技
大量のエネルギー放出
単純かつ破壊力がデカすぎる
俺の身は閃光に飲まれた。
死ぬほどのエネルギーの奔流。
衝撃に触れた瞬間から肉体が剥がれる。
だが。
だが!
だが!!!
俺はCode.5!
初代勇者前村龍樹だ!!!
「…な…めんじゃ…ねぇ!!!!」
喰らったエネルギーを片端から吸収する。
喰らった先から奪ってけ!
エネルギータンクの残り容量はまだある!
吸い尽くせ!
吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ吸い尽くせ!!!
「あああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
…気づけば、黒い閃光は消えていた。
侵略者はエネルギーを使い果たしたのかぴくりとも動かない。
呼吸はできない。
生命維持機能の殆どが消し飛んだ。
だが、SPはエネルギータンク満タンまで溜まった。
今度こそ。
「死ね。」
{分与プロセスを開始します。}
Code.5が起動する。
俺がここ1000年で貯めたSP、そしてさっきの侵略者の攻撃を吸収した分のSP。占めてエネルギータンク100%分。
100%分。
100%分。
100%分
100%ぶん
100%…
{残りSPが0になりました。}
…はれ?
侵略者が蠢き出す。
エネルギーに耐えきれず爆散するはずだった肉体はかつてないほどに躍動し、けし飛ばしたはずの触手が暴れ出す。
こいつ…こいつ…!
ブラフだった!
SP分与で倒せると思っちまった!
問題なかったんだ!
こいつ、既に肉体の容量は、俺よりも…。
SPの枯渇。
肉体が現実性を保てなくなり、完全に消滅していく中、あいつはここで初めて認識できる姿で、大きく口を開けて言った。
「捧げろ。」
意識は暗闇に消え、俺は完全に消えた。
山:なんか過去最速で1500文字描き終わったんだけど。
ア:山鳥さんよくこんな空気感でそんな事言えましたね。
山:30分は自慢したかった…。
ア:山鳥さんの倫理観どうなってるんですか。
山:ま、まぁあとがきは治外法権地帯みたいなとこあるし。
ア:龍樹君推しだったのに…。
山:…マジ?
ア:殺します。
山:やめてください。
ア:因みに龍樹君が生き延びる術はあったんですか?
山:エネルギー放出攻撃した後の侵略者は完全にエネルギーを使い切ってるので、殴れば死にました。
ア:やっぱり死んでください。
山:やめてください。




