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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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420/551

300 事例1×

怒涛の14/30連投


青々と茂る木々、風にさざめく葉と、遠くで囀る鳥の歌声。

煌々と降り注ぐ太陽光を遮る緑のカーテンから溢れるマーブルの光。


少々高めの雑草が円形に型どられたやや大きめのフィールド。


中心に残るのは肉体はシステム上のものとはいえ、中身が中身だけに死んでから一度も魔物が寄り付かなかった外なるものの死体。


随分久しぶりの魔王城第11層。


58層に落とされたあたりから数えたら半年くらい前になるのかな?


相変わらず居心地だけはいい。


そよ風に運ばれたドリアン(俗称)の鳴き声が耳に入る。


これで飯が美味しかったらなぁ…。


「ん゛ー!!!ん゛ー!!」


「うるさ」


囀りをかき消す殴打音


「ん゛っ!」


のんびりとした静けさに見合わない暴力的なSE。


若干顔を背けてた方に向き直ると、外なるものの隣で椅子に縛り付けられ蹴り倒されたCode.10と治安悪げにその腹を踏みつける妃奈が居た。


あーあーあーあーあー。


「ん゛ー!!!」


「ちょっとは黙れよ。草食系且つ包容力のある男子が今人気なの分かる?」


「ん゛ん゛ん゛!」


「対面1体1で意味のない発声による状況の打開が成功した事例って無いんだわ。それこそ無駄なエネルギーの消耗って事理解しなよ。」


まーまーまーまー。


顔面を踏みつける妃奈を一旦退かす。


とりあえず椅子を起こし、猿轡を取った。


「…ハァ…ハァ…これで事例1だな…。」


「はぁ?対面1体1っつったろ。国語力C-ですか?つかーんぐぐぐぐ…」


猿轡をそのまま…は流石に可哀想だしとりま手で妃奈の口を塞ぐ。


今回は別にお叱りメールってわけじゃないから。


「んで、Code.10さ。」


「…何だ?原初よ。」


「呼び出しの理由分かる?」


ーんなんかこれじゃお叱りメール感すごいな。


案の定私の聞き方に生唾を飲み込んだCode.10は恐る恐るといった様子で口を開けた。


「…神々の事…だろう…。」


うん…まぁ手っ取り早いしこれでいいか。


「こいつについて現状説明。はい。」


外なるものの死体を指差してCode.10に促す。


Code.10は汗を一筋垂らして話し始めた。


「それは原初の死亡後地球にエネルギー強奪目的で侵略して来た神々の内の一柱だ。当時の私とファイアウォールはそれら神々を打ち倒し器のみにした後肉体を与えシステムに組み込んだ。シミュレーションが通常通り動けばそれで封印できるはずだったのだが、石田の改変により人類に振り分けられたエネルギーが膨大になったことでそれらを吸収した神々もまた力を取り戻してしまった。よってこれ以上力を取り戻さぬよう魔王城に送り込んだというわけだ…。」


一息で全てを説明するCode.10。


はーん。


なるほどね。


「私のダンジョンをゴミ捨て場みたいに扱うなよ。」


私の腕の拘束を振り切って魔王が口を尖らせて文句を言う。


「これ以上エネルギーを回収させるわけにはいかなかった。魔王スキル由来の存在がほぼ全てを占める魔王城ダンジョンが最も都合が良かったのだ。」


肉体とステータスはシステム由来なのに、SPとスキルが明らかシステム外の構成だったのはそう言う理由だったわけね。


魔王スキルでダンジョン内を探知してもそういうのは複数いたのはCode.10がそれぞれに飛ばしたからか。


納得。


っていうか、あの後神たちが攻めて来てたのね…。


エネルギーを奪い合わせたのは私だけど、一番デカいエネルギー持った奴がフリーになったらそりゃみんな来るよな。


いやー。


Code.10とポチナイス。


「因みに一番強いので魔王城95層くらいに飛ばされてたんだけど、あれで全部なん?」


Code.10たちの働きに感心してると、私の腕を抱き抱えたまま妃奈がCode.10に聞いた。


「…それは」


目を伏せて言葉を濁すCode.10


「まだ残りいるん?」


「私の魔術に対抗した神格が複数居た。…南部盆地、帝国外縁西と東部海岸、そして傀儡殿だ。」


「5体もいんのー?」


怠そうに言う妃奈。


いやー。


うん。


これは問題かな。


山:300話達成!


ア:微妙に遅刻してて締まらないですね。


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