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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第八章 ミクロな世界の侵略

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417/550

Code.10 (19)

怒涛の11/30


そも女神の弱体化は千余年前時点で多大な影響を全世界に与えていた。


地球に施したシミュレーションシステムがこの世界を超簡略化したものなように、この世界はそれぞれに統合されたエネルギー循環行路とそれらを管理する端末とが設定されている。


物質的循環と魔術的保存の両方に対応した回路が設定されており、一分岐の度に神格がそれを管理する。


極めて効果的に、極めて規律的に。


世界エネルギーを運用し、接続された各世界が巡り巡る。


かつての女神が作成したもののテンプレートは、現状最小コスト且つ最大パフォーマンスの配分で構成されていたが、今の女神に求められている事は過去の後追いではなく、新たな方法の模索であった。


四号時点で完成したテンプレートを元に五号以降に課せられるのは強化学習の犠牲。


ある種の自然選択の末に獲得される理論値を得られるまで繰り返される装置の一端でしかないのだ。


そしてその中で一期目の女神が行った配分は神格の基礎倫理の追加だった。


自身に課せられたその役割を。


生まれ滅びるまでの過程を、学習の犠牲を。


彼女は自らの子らにも課した。


女神が与えた基礎倫理は二つ。


一つ。己の保持


一つ。他の破壊


彼女の子らには闘争が植え付けられている。


死合いを強制し死を拒絶する過程で得られる理想値を求める。


世界自体の寿命は縮むものの、学習データはより多く得られた。


世界と自己を管理し維持するという行動原理を持ち合わせながら、他の世界と他者を攻撃し破壊するという行動倫理を持つ。


相反した命令を最適化するべく各神格は管理システムを簡略化し、防衛と攻撃の為のリソースを確保した。


そして神々は自我を獲得し、ネットワークを確立し、そして新たなリソースを、自らの力を高め、管理した世界をより肥やす為、目標を新たに定めた。


この世界で最も多くのエネルギーリソースを保持し、且つ世界エネルギー接続権限を有す唯一の存在。


自らの祖たる女神、五号に。

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