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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第七章 ミクロな世界の交錯

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Code.10 (16)

怒涛の1/30連投


炭となり完全に駄目になった本棚が、触れた先から砕け散る。


慎重に取り出した崩壊前の書籍類も、もはや修復不可能な様だった。


ため息をつきそれを本棚に戻した瞬間、ガラガラと音を立てて全ては黒焦げの残骸に変わり果てた。


不快感が胸に広がる。


止まらないため息で、吸った息に灰が混じり咽せる。


「…やってくれたな。」


しゃがみ込み、床に引いた魔法陣を点検する。


それには防護とシステム稼働時に利用したシステム干渉のための簡易的な術式が組まれていた筈だった。


が。


それらは完全に破壊され、再利用も不可能な様だった。


再現しようにも制作のための短縮法は完全に焼失している。


根室妃奈の最後の嫌がらせとでもいうべき獄炎魔法は適当かつ的確に司祭のアキレス腱を撃ち抜いていた。


肉体にしても、表面上見た目だけは回復しているが、根室の拳で吹き飛んだ顔面と傷ついた神経系、獄炎で焼かれた皮膚は未だ回復していない。


結局のところ、物理攻撃がエネルギー運用の上では高コスパで打点を出せる方法なのだ。


根室は極めて効率的にシステムへの負荷を最小限に抑えて司祭のSPを削ることに成功していた。


クローゼットの中身すら焼き付きされたことを確認した司祭は、もはやため息すら吐く気にもなれず、布だけの簡易的な服を生成し身に纏った。


炭に焼けた椅子に座り、机の上に残された残骸を選別する。


と。


部屋のドアが開かれた。


「…サラ。」


「…。」


そこに立っていたのはサラだった。


女神に寄生され、その時点から色が抜けて戻らなくなった肌を今はより蒼白に染めており、未だ歯を食いしばり歪む顔には泣き腫らした様な跡が残っていた。


ツカツカと部屋に入ってきたサラはそのまま司祭の座る椅子の前まで寄り、そして崩れ落ちる様に机に手を付いた。


その手には血管が浮かび上がり、痛みを堪えるように曲がっていく指の軌跡に跡が残る。


震えるサラの肩。


嗚咽が漏れ聞こえた。


「…女神が復活した。」


「…っ…。」


司祭の言葉にサラの肩が跳ねる。


だが、それでも司祭は口を止めなかった。


「…彼女の目的は残りのCode.1、2、5、6、7、8を回収し、システムを自爆させ世界を終焉に導く事にある。」


「…。」


「人類の魂の容量の期限を考え、女神は世界そのものの輪廻システムを鑑みそれを遂行するつもりだ。」


「…。」


「女神が見ているのは6番目の世界の事のみだ。私たちの世界を失敗と断定し、早々に消去する目的を持って行動を始めている。」


「…。」


「断じて許されるべきではない。私達は私達として、人類として存在証明をなさなくてはならない。」


「…。」


「かねてよりの作戦を開始する。人類の魂を救うのが我々の使命だ。」


「…。」


「人類の神化を、只操られ、利用されるだけの存在から脱するのだ。」


山:なんか夢日記に「多細胞生物ってキショいな」って文言が載ってたんだけど、何考えてたんだ…?


ア:夏休み入ったからって1日の始動が0時になって時間感覚が御釈迦になったからじゃないですかね。


山:いやだって、こんなにフリーダムな夏休みとか小学3年生振りなんだもの。


ア:逆になんでそんな不自由な夏休みを9年近く過ごしてきてるんですか。


山:…自縄自縛かもしれない。


ア:…しかし、いくら自由だからと言ってこうも破茶滅茶な生活してると死にますよ?


山:とは言ってもねぇ。


ア:なので、私は山鳥さんの生活改善と時間感覚の回復の為のスケジュールを組んであげました。


山:…大きなお世話かもしれない。


ア:殴りますよ。


山:…このスケジュール、なんか毎日投稿30日みたいなのがあるんだけど。


ア:はい。やって下さい。


山:30日…?


ア:あまりごねる様なら60日に増やします。


山:やらせていただきます。

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