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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第七章 ミクロな世界の交錯

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290 終焉と秀煙


世界崩壊シナリオ。


人類の死亡数が一定になるかつ勇者の数が一定を超えていた場合に発動可能なシミュレーション最後の機能。


魔王軍の戦力が大幅に強化され、かつ人類側の勇者も大幅に強化される。


起こる災害は崩壊パックをいくつ起動しているかにもよるんだけど、今回はⅣまで起動しているから起きる崩壊シナリオは人魔の大戦争勃発という形で遂行される。


このイベントが用意されている理由だけど、それはこのシミュレーション本来の目的に起因してる。


このシミュレーションは元より魂エネルギーの循環とその過程上の摩耗について調べるためのもの。


想定外のアクシデントで色々うまく回らなくなっちゃってるけど、本来ならば地球以外でもこのシミュレーションを実行する予定があった。


そも世界が終了するまでの臨界点がテンプレート通りにいくとそう遠くない未来にあった関係上、シミュレーションの加速と詳しい観測は急務だったわけで。


それを効率よく行うためのイベントがこの世界崩壊シナリオというわけだ。


「つまり?人類の抹殺を私や石田みたいなエネルギーをいっぱい持ってる奴にやらせるんじゃなくて、システム自体にやらせるってことね?」


いつの間にかカセットコンロを用意していた妃奈が肉を焼きながら質問をする。


「そ。んで、元々これはシミュレーション上にある奴で、観測のために経験値の循環は獄誘じゃなくてシステムに制御される。さらに勇者の強化のためにシステムはSPとそれに耐えうる器を追加で人類に付与する。…それ何肉?」


「牛。精細度が足りないからスーパーの安物くらいの味だと思うけど。」


プレートに置かれた牛肉がいい音を立てながらとろけるような香りを放つ。


それを横目で見た石田は少し咳払いをして言った。


「臨界点を先延ばしにできる上に相対的にSPの上昇を限りなく減らせるというわけか。」


「そう。只、一つだけ問題がある。」


「問題?」


「…。」


肉が焼ける。


裏返すと同時により香ばしい匂いが鼻腔を突き抜けた。


弾ける油が心地よい。


「…はい、女神様、あーん。」


「あーん。」


!!!!


う、うめぇ。


…うめぇ。


口内が幸せで満たされる。


舌上を踊る肉の油が脳みそで弾けるような感覚。


…よく考えたら、私がまともな飯を食べるのシミュレーション開始日の昼飯が最後だな。


…てことは1000年間ちょっとまともな飯食べれてなかったってこと?


…んなんかそう考えると途端に苛ついてきたな。


何最上位神たる私の幸福を勝手に侵害してるわけ?


許せねぇんだけどマジ。


「…とりあえず石田は殺す。」


「!?」


「ねー。石田は死ねよマジで。」


私の言に笑顔で応じる妃奈と驚愕の表情で固まる石田。


うんうん。


石田のその顔を肴に食う肉は美味い。


「…んで、実際その問題ってなんなの?」


「んー?問題?」


「だから、その世界崩壊シナリオについての問題。…あんまり惚けてるともうお肉出ないよ?」


「!?」


!?


あべべべべ


えーっと?


あー。


なんだっけ?


そう、あれ。


崩壊シナリオの話ね。


ええ。


ええええ。


私はまともですとも。


ええ。


私がこうなったのは石田のせいであり、肉にはなんの罪も無いと保証します。


だから肉はしまわなくていいよ。


咳払い。


「…えーと、はい。崩壊シナリオの話ね。えーっと、勇者に与えるSPとその器のエネルギーなんだけど、それの供給元がCode.1に設定されてるってのが問題なんだよね。…お肉もう出していいよ。」

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