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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第七章 ミクロな世界の交錯

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Code.4 (10)

怒涛の1/10連投


「SPの増加の時点から何かがおかしいとは思ってたけど、まさかこんなのも生まれるとか、どうなってんの?」


首を持ち手に、僕の体が宙に浮く。

足の感覚がないが、元あったものがくっつく前に分断されたのだろう。


出血性ショックに低酸素症、追加の激痛に掠れる視界と意識をなんとか繋ぎ止め、血で濁った言葉をなんとか発する。


「お゛初お゛目に゛か゛か゛り゛ま゛す゛魔王様…」


なんとか引き攣る顔面をできる限り整え、友好的な文言を続けようと脳を回転させる。


が。


「ギャッ!?」


天地が回転する。


僕の言葉を聞いた側から一気に顰めっ面になった魔王が、首根っこを掴んだまま僕を壁に叩きつけた。


弾ける壁。

砕ける背骨。

飛び出す肋骨。


HPはもう一割を切っていた。


人間としての形を失いつつある中で、かろうじて残った顔面が次いで踏みつけられる。


「お前も石田んとこにいた女と同じ感じ?Code.3…あいつ嘘ついてたな?」


言葉を発する事ができない。


魔王はボールでも扱うかのように足先で僕の顔面を蹴り上げると、空中で半回転して僕を再度壁に蹴りつけた。


舞う土煙。

しかし地面に落ちることはなかった。


肉体が壁に取り込まれている。


いや、正確には壁の材質が変容し、僕を磔にでもするかのように変形していた。


{「獄地魔法」の発動を確認しました。}

{「獄地魔法」の発動を確認しました。}

{「獄地魔法」の発動を確認しました。}


っ!?


「お前なんか怪しいから、とりま一回死んでくれる?話はその後ってことで。」


身動きが取れなくなった僕の眼前に大量の石礫が浮かび上がる。


大きさこそ大したことはないが、一つ一つに内包される魔力は並の大規模魔法を優に超えている。


死ぬ


{「風魔法Lv.10」を発動しました。}


かろうじて外気に触れていた首を自切する。


HPが二桁を割った。


{「聖洸魔法Lv.8」を発動しました。}

{「聖洸魔法Lv.9」を発動しました。}


意識が断絶する以前。

命が消え去るその数瞬前にHPを全力で回復する。


{「聖洸魔法Lv.10」を発動しました。}

{「聖洸魔法Lv.1」を発動しました。}


首が転がり落ちる前に再生した肉体で変容した壁を蹴った。


飛んでくる石礫をかろうじて回避した。


とたん、爆裂が起こる。


無理な体勢で受けた爆風は僕の体を容易に浮かせ、吹き飛ばした。


受け身すら取れず地面を転が


「ブッ」


顔面にめり込むメリケンサック。


鼻下上顎が粉砕される。


聖洸魔法の持続時間はまだ終わっていない。


後頭部が地面にめり込む寸前、頭を回して断裂を回避する。


そのまま頭を抱え、受け身を取ったのち、地面を蹴り上げ、体勢を整えようとした。


足に激痛。


肉を挟み砕かんという万力の圧力。


「マジックハンド!?」


足を掴むそれは、赤と青のプラスチックで構成された安っぽい玩具のマジックハンドだった。


冗談みたいな光景に一瞬脳味噌が凍結する。


「きゃははははは」


さもおかしそうに笑う魔王は、腕に青筋を這わせながらマジックハンドを振り回す。


馬鹿みたいな事象が馬鹿みたいな存在によって成され、唯一物理法則を遵守させられる僕は凄まじい遠心力によって全身の骨が縦に引き伸ばされながらボロ雑巾のように振り回された。


足の拘束が消えた。


僕は喰らった回転の運動エネルギーのまま砲丸投げの砲丸のように天井に激突した。


天井と屋根を貫通し、闇夜に放り出される。


聖洸魔法の回復効果上限は既に超えていた。


寸前で回復した触覚が刺すような風を認識する。


{「引斥魔法」の発動を確認しました。}


体勢を立て直すことすらできず、次ぐ増強された重力加速度に沿って僕の肉体が先程突き破ったばかりの屋根に突っ込む。


景色が変わり、いつも休んでいたリビングに移る。


が、その内情はかなり変容していた。


僕を待ち受けるのは、半球ガラスのカプセル。


ゴンと鈍い音を後頭部で認識する。


同時にカチリと音がし、空気圧が上昇する。


どうやら上が閉じられたらしい。


「ほいじゃさよなら。」


くぐもったガラス越しの魔王の声が聞こえる。


{「獄炎魔法」の発動を確認しました。}


ガラス球の中心に赤い光点が出現する。


赤熱。


凍りつくような熱さがあった。


ア:10連投稿してください。


山:え?


ア:10日間毎日投稿してください。


山:え?


ア:聞き分けの悪い豚は嫌いです。


山:ピギャァァァァァァァアアアア

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