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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第七章 ミクロな世界の交錯

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273 オリジナルはアホ

怒涛の1/?投稿

feat.二号



小さな山みたいな丘が乱立する原っぱ。


地面は草と野花が我が物顔で占領している。


全ステータス1にも満たない蜜蜂っぽい虫が目の前を飛んでいった。


はちゃめちゃにアウトサイドワールド。


11層も大概自然だったけど、やっぱリアルは違うね。


ここには血生臭い匂いも魔物の遠吠えもない。


オリジナルの話によればルーツは同じらしいけども。


うるさい羽虫をはたき落とした。



…。



私の名前は分体二号!


オリジナルのOHANASHIを聴いて数日、私ってばCode.5の捜索を仰せつかっちゃった!


だークソ。


この世界のどこかにいるたった一人のCode.5を探すとかソレなんて鬼畜?


オリジナルの同化と捜索の期限があと半年なことを考えると、そう時間はとってられない。


幸い、アテがないわけじゃない。


オリジナルの話によれば、Code.には番号ごとに司る権能が違うらしい。


今私たちが持ってるCode.3は魂の情報、Code.9はエネルギーの吸収と再生、ほんで今私が探しているCode.5の持ってる権能は、魂の操作。


石田の言ってた話によればCode.はオリジナルの死亡と同時に彼が選定した初代勇者に宿った筈だ。


魂の操作の解釈は大分広い。


魂は端的にいえばエネルギーの塊だ。


何にでも変換可能なエネルギーの塊は万能素材に等しい。


生命の存在や魔法、スキルの行使からシステムの根幹、そしてSPの運用まで。


それらは全て魂のエネルギーを利用して稼働している。


つまり食事も狩も、そもそも生存すること自体が広義の魂の操作になる。


つーことはまぁ権能だけで考えるのならCode.5を獲得した勇者はこの世界においては最も神に近い能力を持ってるって考えて良いと思う。


Code.は保持者が死んだ場合そいつを殺した奴かそいつの血縁に受け継がれる仕様だから、今初代勇者がCode.5を持ってる確証はないけど、生存自体が魂の操作に入る且つ、初代勇者が石田直属だったことを考えれば今もこの権能を初代勇者が持ってるって考えて良いと思うんだよね。


とはいえ、Code.5の権能を手に入れた初代勇者がいまどうしてるのかはわからない。


少なくとも石田の目があった筈だから力を使って国を作って毎日ハーレムしてますとかはあんまないような気もするけど、だからって只々石田の傀儡になってるってこともないだろうし。


というか、そっちの方がこちらとしてもありがたい。


Code.の収集が意味するところは、Code.保持者を殺して奪うってことだ。


Code.5だけならまだしも石田とか複数のCode.持ち相手だといくらシステムから半分逸脱した私とて厳しい。


つーか、Code.自体がシステムの根幹なことを考えると、システムに半分浸かってる私たちじゃ太刀打ちできない可能性も普通にある。


まぁ別にオリジナルに言われたのは捜索であってCode.持ちとどんぱちやれってわけじゃないから杞憂な感はあるけどもね。


考えといて損はないっしょ。


それもこれも、Code.5持ちの奴を見つけられなくちゃ意味がないんだけど。


とりま、私は今魔王城ダンジョンを出た先から何となく人が居そうな方向を進んでいる。


根拠は特にないんだけど、とりまの仮説としてCode.5が初代勇者って事は石田の近く、つまりはこの世界の都市部にいる可能性が高いと考えたからだ。


まぁ、この調子じゃ都市部は遥か遠そうだけど。


まぁとりあえ…


{こちら一号、こちら一号。}


ぷらぷら捜索を続けていると、一号から念話がつながってきた。


一号じゃん。


{どしたん。}


{Code.4になんかあった?}


{大丈夫ですか?}


念話に参加してきたゴシキンジャー達も続ける。


その声に対して一号が答える。


{クックック、エウレカよ、エウレカ。}


はぁ!?


{早くね?}


{確か一号はCode.4だっけ?}


{分体を取り込んだ人でしたっけ。}


{そう。んで、分体から取り込んだCode.3からちゃっかりCode.4も起動してたっぽい。}


Code.4って何だっけ。


{魂の知覚の権能ですね。}


{Code.3と親和性高かったんだな。}


{どうりで。}


{うん、ほいで、知覚の権能から事情を色々把握できたっぽくて、とりま協力取り付けてきた。}


協力?


{うん。オリジナルの同化前に殺してオリジナルがまた爆散しても困るし、なんかノリが女神崇拝ガチ勢みたいな感じだったから、同化後のオリジナルの居場所を作ってもらうことにした。}


{おう…}


{女神崇拝ガチ勢…。}


{爆散といえば、オリジナルの分体爆破によくそいつ巻き込まれなかったな。}


{そういや確かに。}


{Code.4起動のために分体の魂使われたおかげでオリジナルの直属でなくなったのでしょうね。}


それはまた幸運な。


{つーかオリジナルは分体爆破でCode.4君が爆散してたらどうしてたんだろう…}


{ついでにCode.4も獲得できるしいいやとか思ってそう。}


{バクテリアの体でCode.4の取り込みに成功するかは賭けですよね?}


{Code.9は既に持ってたから勝算はあっただろうけど、それでもあの時点でCode.4まで取り込んでたらほとんどの場合で死んでんじゃない?}


アホなのかな?


{アホなんだろうなー。}


{オリジナル、あいつアホやから私らがしっかりせなあかんな。}


{せやせや。}



ゴシキンジャーとの念話が終了した。


とりま結論、オリジナルはアホ。


やっぱオリジナルは焦るとやらかすからそこは私らがサポートしないとね。


…始まったら難しいかもだけど。


まぁ、コレでとりあえずCode.4の獲得は確定したわけだし、分体一号は今後他のゴシキンジャーのサポートに回ってくれる筈。


Code.5が4の子みたいに協力的な保証は一切ないし、もし接触することになったら一号も呼ぼうかな。



…。



草むらを突き進む。


人の痕跡を何となく辿ってはいるものの、いまだに人とはエンカウントしない。


魔王城を出て数日とはいえ、疲れを知らないこの体のおかげでずいぶん遠くまできた筈だけど、それでも人には合わない。


つーか、人以前に生物にすら合わない。


少なくともちょっと前までは虫とかの生き物はいた筈なんだけど、この付近にはその気配すらしない。


たまに吹くそよ風だけが草木を鳴らしていた。


…いや待てよ。


あれなんだ?


オリジナルの手によって進化し、遥かに強化された瞳が遥か遠くにわずかに揺れる人影を捉える。


何となくのシルエットを確認したあと、私は何故この周囲に生物の気配がしないかを悟った。


うっわ。

天使かよ…。

山:はい、というわけで、投稿、再開でございます。


ア:やっと帰ってきたんですね。


山:いやーやっと色々収束しつつありますよ。


ア:長かったですね。


山:気づいたらタイトルと年齢設定()が被り始めてきました。


ア:書き始めたの小学生だったのに。


山:この小説はやまとりさとよの作風と語彙力の変遷が見られるアルバムとなっております。



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