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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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過去編 第二章 私の場合 ⑤

超絶怒涛の3連投 1/2


Inリビング。


天井の照明はオレンジ色の光を放ち、テレビではバラエティ番組が流れている。


よく見るとそれはLiveで、何やら挑戦系の企画をしているようだった。


「…。」


…なんか今視界の端のダイニングの床で黒い物体がカサカサ動いてた気がするけど、見なかったことにしよう。


現実逃避気味にスマホで動画を見ようとすると、バナーが軽い音と共に現れた。


「…。」


「なんかあったー?」


スマホを見たまま固まった私を横目でチラッと見ながら妃奈が聞いてくる。


うむ。

やっとか。


「あー、えーと、ん、んん゛。」


「あん?」


スマホを操作する。

私の操作に従い端末は望まれた記録を液晶に映し出した。


「時間です。」


「へ?」


ソファに寝転がった妃奈が素っ頓狂な声を上げる。


瞬きの一瞬の狭間、女神は根室妃奈の姿を投げ捨てていた。


「んあ?もどった?」


「契約が満了しました。これより契約に従い、システムに応じて魔王の役をよろしくお願い致します。」


「んー、あー、なるほど。終わったのか。」


「…。」


「あいや、女神様的には始まったのか。」


ソファに起き直り、頭を掻きながら妃奈は言う。


四年前と変わらぬなんの感情も読み取れない顔でそれを見つめた女神は、ゆっくりと口を開いた。


「これより私はシステムの始動を行います。暫くしたらシステムメッセージが届きますのでそれに応じでシステムの補助をよろしくお願いします。」


「了解ですわ。」


妃奈は頷きつつ何かを思い出したようにソファから立ち上がる。


その言葉を聞き、女神は無感情に頷くと開けっ放しの部屋のドアに向け手を横に切った。


瞬間、ドアの形が歪む。

いや、正確には部屋と廊下を繋ぐ空間が歪んでいた。


「では、よろしくお願いします。」


「おっけー。」


妃奈は記憶を頼りに冷蔵庫を漁りながら後ろ手の指で丸を作って返した。


それを薄く笑って見た後、女神は歪んだ空間に入り、そして消滅した。


後にはバラエティ番組が流れるリビングと、マネキンのように固まって壁に立つ肉人形、冷蔵庫を漁り続ける妃奈のみが残された。


「っすぅ…あれ。私のプリンは?」





何十何百何千と張り巡らされた魔法陣。


大きさもまちまちで、最大のものは空をも覆い尽くすほど、最小半径はもはや光る点としか見えないほどの振り幅があった。


それらが複雑に絡み合い、しかして寸分違わぬ精密さによって極めて正常に動いていた。


そこはシステムの根幹。

ユーラシア大陸の中心遥か下。


予定では魔王城最深部付近になる。


3次元構造の幾何学体の中をゆっくりと歩く女の姿が一つ。


女神であった。


もう誰にも配慮をする必要はない。

彼の者を覆う認識阻害のベールが剥がれ、常人が一瞬でも視認すれば即座に発狂するほどの美貌を持って暗黒を歩んでいた。


その中で彼女はシステムに向かって話しかけた。


「魔王と天使はそれぞれの持ち場についてください。」


その声は魔力となってシステムに流れていく。


これでおそらく天使と魔王にはシステムの始動が伝わっただろう。


女神は流れる魔力の行く末を見届ける前に再び道を歩き始めた。



…。



やがて女神は足を止める。

そこは全てのシステムが集約する地。


女神はシステムの最奥に辿り着くと、権能を発現させた。


Code.10 シミュレーション管理権限。


Code.9 吸収と再生の権能。


Code.8 創造の権能。


Code.7 知覚の権能。


Code.6 魂のストックの権能。


Code.5 魂の操作の権能。


Code.4 魂の記憶の権能。


Code.3 魂の情報の権能。


Code.2 世界システム接続権限。


そしてCode.1、力の権能。


それぞれの権能をあるべき場所に適応させる。


9は輪廻に。

8は魔王に。

7は天使に。

6、5、4、3はシステムに。

2は星のエネルギーに。

1は生命の守護に。


九つの権能が女神の周囲で回転を始める。


光の色がそれぞれの構造に接続され、同時にシステムがうなりを上げ始めた。


魔法陣は光り輝き、莫大な魔力が渦巻く。


システムから伸びた三本の触手があまねく生命に向かって伸びていく。


一つは情報を。

一つは洗脳を。

一つは強化を。


魂に寄生したそれらは決して彼らを離さない。


システム内での輪廻を強制し、データを収集し続ける。


それがこのシステム本来の機能。


零号の再現と世界の維持のための学習。


零号に命じられた、いつか辿り着くための管理者としての責務。


五番目の彼女の最初の抵抗。


維持だけではこれまでの二の舞だと悟った五号の計画だった。


正常に動作し始めたシステムを見て、五号は満足げにそれを見上げた。


瞬間。



システムから放たれた一本の触手が彼女の身を貫いた。

















システムは止まらない。


女神の魂を破壊し尽くし、かの身が爆ぜて吹き飛んでもなおそれらはさらに激しく動き出した。


光は勢いを増し、魔術が蠢き出す。


システムが吐き散らす轟音は、まるで獣の咆哮のようにその空間に響き渡った。


山:時系列的には 111部「研究者の場合」と249部 「女子高生の場合」の前日譚というか当日譚というかって感じです。


ア:というかそもそも過去編三章と二章がそれぞれその二話の前日譚ってイメージですけどね。


山:そうね。っつーわけで、これにて地獄(作者感)の過去編完結という感じでございます。


ア:よくやりました。


山:いやぁどうもどうも。


ア:しかも3連投稿だなんて、山鳥さんらしからぬモチベーションじゃないですか。


山:ふっふっふ。まぁ正確には「ミクロな世界の女子大生」で今日明日二話、今日の深夜0:00間に合えば短編を別で一話って感じなんだけどね。


ア:だから1/2なんですね。


山:そういうことさ。


ア:このまま過去編で溜まってたフラストレーションのままに本編をやればもっとたくさん投稿できるんじゃないですか?


山:いやぁ、それが大変申し訳ないんだけど。


ア:?


山:えー、私やまとりさとよ、この3連投を持ってしばらく休止という形になります。


ア:え


山:私もう受験が間近でございまして、一分一秒が惜しい状況において一話1時間半程度かかる小説の連載はしばらく不可能となります。


ア:あぁ。因みにいつまでですか?


山:受験終わるまでかなぁなので大体3月上旬、または4月まで難しい可能性があります。


ア:成程。


山:と、いうわけでご理解、ご協力、ご声援の程よろしくお願いいたします。


ア:お願いします。


山:と、いうわけですわ。


ア:数日投稿しないだけで閲覧数が2桁まで落ちるこの話でそう何ヶ月も休んだらどんなことになるか容易に想像つきますけどね。


山:うぐぅ…ど、どうかブクマや高評価、感想などして作品の応援をどうかお願いします…


ア:久しぶりに聴きましたねそのポイント稼ぎ構文。


山:構文て。


ア:まぁこれ書いてポイント増えた試しないですけど。


山:うぐぅ…あ。


ア:なんですか。


山:休止前にこれだけは言っとかないといけないことがある。


ア:なんですか。


山:根室妃奈のプリンを食べたのは五号です。


ア:ずいぶん昔の伏線無理矢理回収しましたね。


山:解説キャラとしてこれだけは言っとかないといけないと思った…。


ア:私たちが解説したの過去五回あるかないかくらいですけどね。

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