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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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過去編 第二章 私の場合 ④


…かくして、この様なマクロ的視点で一括りにした生態系プロセスを…。」


名前も知らないハゲ教授の講義を適当に右から左に受け流す。


講堂の中にはいろんな種類の人間がいるけど、私に近づいてくる奴はおらず、私は目論見通りぼっち大学生活を謳歌していた。


そう。


大学生になりました私。


年齢的にも絶対的にもこの世界では時間にして四年の歳月が流れた。


高3の夏に引っ越しして今大学4年生夏。


就職活動はしてないけどまぁ問題はないでしょう。


ちょくちょく報告しにくる石田の話を聞く感じ、システムは着実にプログラムを実行し続けているっぽい。


このまま予定通り行けば後数日でシミュレーションを開始できそう。


人間の感覚にして見れば結構長かったかな。この四年間は。


まぁこれまでの長い神生に比べれば小休止にもならない一瞬に過ぎないってのはそうなんだけどさ。


これが学習として今後の糧となるかはわからないけど、結構学びがあった様にも思えれる。


うん…いやまぁ5回めにしては試したことがぶっ飛び過ぎてるってのは分かるけども。


六号以降この方法を試す奴はいるんだろうか…。


いねーな。

うん。


どう考えてもリスクが高すぎる。


下手したら輪廻システムをぶっ壊しかねない危ない実験だしね。


私もコピーした先が妃奈じゃなかったら契約解除してたか違反にならない程度に抜け道作ってただろうし。


ただ、前例は作れたんじゃない?


人に身を堕とす例は置いといて、このシミュレーションの価値は相応に高いと思う。


今回のが失敗したとしても、今回の結果を元にして新しいシミュレーターを作ればいいし、何よりコストが安いおかげで何回でも試せる。


今回のをプロトタイプとして私の代から先、零に至るまでいくらでもやれるだろうし。


世界そのものを犠牲にしなくてもいいってのもグッドポイントだね。


いやはや。我ながら素晴らしいね。


…というわけだ。以上。」


なんてことを考えていたら講義が終わった。


周りがガヤガヤしながら席を立っていく。


この後コマ取ってたっけ?


…ないか。



…。



チンと音が鳴ってエレベーターが9階に止まる。


廊下を歩いていると、上の方で何かが破裂したような音が鳴った。


何の気なしにそちらを向くと、視界の先、黒焦げになった何がしかが煙を上げながら落下していった。


落ちた先を柵から見下ろすと、黒焦げになった何かしらは地面に開いた穴に取り込まれ、そのまま何事もなかったかのように元通りになった。


最近、システムの影響で魔物が発生しつつあるらしい。


まぁ勇者の選別ももうしてあるし、そこからいくつかの財閥が技術を得たおかげで一般人の目にはほとんど触れずに処理できてるっぽいけど。


これ、石田からの受け売りね。


なんにせよ、人類の抵抗力はここ数年で確かに上昇した。


実に好都合。


これを見越して勇者を作ったわけじゃないけど、いい方向に転がってくれて満足だ。


鍵をジャラジャラ鳴らしつつ、904号室の鍵を開けた。


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