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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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過去編 第三章 石田和也の場合 ④

数時間後。


石田の姿は豹変していた。


髪は酷く乱れ、目は血走り、口からは涎がとめどなく溢れている。


その様子を神は静かに見ていた。


「終わりましたか。」


「はい…適合しました。」


そう答えた石田は、頭を振り、口元の涎を拭った。


そして、虚だった目に確かな生気を宿して神に問うた。


「このシミュレーションで、人類は…」


「貴方の思っている通りですよ。」


「…そうですか。」


石田の問いに、被せるようにして神は軽く答えた。


「神様。」


「はい。」


石田は深呼吸して言った。


「三つの願い、決まりました。」


「わかりました。全て叶えましょう。」


無表情に神は答える。

石田は人差し指を立てて言った。


「一つ、力をください。魔術を使える強靭な魂と、シミュレーションを管理し続けられる膨大なエネルギーを。」


「はい。」


「二つ、富をください。尽きることない無限の資産を、私に。」


「はい。」


「そして最後に。」


石田は薬粒を中指と続けて合計三本指を立てた。


「私が知りたいと思っていることを全てお教え下さい。」


神は一瞬目を丸くし、すぐに頷いた。


「わかりました。」



…。



「それでは、これにて契約は成立となります。もう既に知っておられると思いますが、システムの始動は4年後ですので、よろしくお願いいたします。」


「承知しました。」


石田が頷くと、神は石田に背を向け、去って行こうとする。


「あ、お、お待ち下さい!」


「はい。」


急いで呼び止める石田。

神は石田に振り向いた。


「一つ聞きたいことがあるんです。」


「なんですか?」


「貴方様の名前をお聞きしても?」


「…いいでしょう。」


石田の問いに、女神は薄ら笑いを浮かべて答えた。


「“創造者”、”始原の神“、”魂の女神“、”完成体“、”五人目“、”模倣者“なんて、いろいろな呼び方がありますが、今は端的に『五号』と名乗っています。」


「っ!ならっ!」


石田の息が詰まった。

再度問いを投げかけようとしたところで、

次の瞬間、神の姿はかき消えていた。


若干の薄気味悪さのみを残して。

山:えー。2023 9/10 以前にこの話を見ていた方は、4話前に新話を割り込み投稿致しましたので、見てやってください。


ア:過去編の時系列を滅茶苦茶にするの趣味なんですか。


山:どう考えてもあの話は前におくべきだった…。


ア:全体の流れも考えずに過去編なんかやるから…。


山:ストックが欲しい…

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