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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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270 すべてをお話しいたします。


燦々と照りつける砂漠の太陽。

ここに来てからもう結構の時間が経ったと思うんだけど、この階層に夜は来ないようだ。


恒久的にエネルギーを受け取り続ける足元の砂はかなりの熱を伴っている。


火龍から進化した私の肉体はそんなもんじゃなんらダメージを受けないけど、肌から垂れた汗が砂に接地した瞬間に蒸発した。


目の前に聳えるは用途も存在理由すらよくわかんない鉄の塊。


大きさは砂漠から出てる部分の高さだけで2メートルは超えてる巨大な物だけど、太陽は完全に天頂で停止しているせいで影にすらならない。


その上で、4人の美少女が正座している私を見下ろしていた。


「で?」


四人の美少女の内一番左端。

二号が痺れを切らしたように口を開ける。


「で?…とは…。」


「な、ん、で、こんな状況に立たされてるか分かります?オリジナルさん?」


右から二番目。

四号が恐る恐る言った言葉に被せるように言う。


「えー…と。」


「色々あるよね?」


左から二番目の三号が威圧感たっぷりに言う。


「まず、なんで私たちがミ美肉する必要があったのかとか、なんでスキルが使えなくなってるのかとか、そもそも最近のオリジナルはなんか変だったのはなんだったのかとか。」


二号が矢継ぎ早に話す。


「お、おう。」


3人の眼光が鋭い。

人でも射殺せそうな目線にタジタジになった私に最後のトドメを刺すつもりなのか、五号が口を開く。


「すみません…。」


「…。」


生唾を飲み込む。


「と、とりあえず服作ってくれませんか…?」


「あっはい。」


五号は身を隠しながら恥ずかしそうに言った。


かわいい。



…。



ということで、服の素材になりそうなものはもう近くになかったので、土魔法で取り敢えずそれっぽいのを人数分制作した。


経験値用に殺した魔物達を使おうかとも思ったんだけど、砂漠の吸水作用なのかなんなのか、完全に乾燥し切ってて、触れた瞬間に塵と化していたのでそれで作るのは無理だった。


砂でパサパサの服を着込んだ四人は今度は私を囲うように地べたに座る。


五号の感じで若干勢いが削がれたのか、3人の眼光はちょっと緩くなっていた。


「はぁー…。」


足を崩してだらしなく座る二号が頭をポリポリかきながらため息を吐く。


「ほんで、話す気にはなった?」


さっきとは打って変わって優しげな声色。

思わず息が詰まる。


「なんか、最近オリジナル結構やばかったじゃん?なんかよくわかんないけど、急に私達の知らないことベラベラ話し始めるし、一人で突っ走るし、食糧ゾンビ部隊全員殺すし。」


三号が上目遣いに言う。


「ちょっとさ、なんつーか心配してたんよ。なんかすげー大変そうだったしさ。」


四号が気まずそうに言った。


「とりあえず、全部じゃないくていいので話してみて下さい。オリジナルの言うことに私たちは従いますので。」


五号が正座で穏やかにいった。


うぐ。

分体達の目が辛い。


なんと言うか、大変に申し訳ない。


流石に色々考えず焦りすぎてたかもしれない。


今後の計画にしても分体達の協力は不可欠だ。


私のコピーだからって色々蔑ろにしすぎてた。


ゆっくり目を閉じ、深く深呼吸をする。


この身に呼吸をすることの肉体的な意味はほとんどないけど、これは気持ちの問題だ。


心臓が早鐘のように鳴る。


不安の様な焦燥の様な不快感が腹から迫り上がってくる。


目を開けると、分体達が心配げに見つめて来ていた。


「じゃあ、全部話す……」


そして喋り出そうとした時、とあることに気づいて口をつぐんだ。


「?」


ハテナマークが分体達の上に浮かぶ。


「一号…って今どうなってる?」


「「あ」」



…。



転移すると、一号は半べそをかいて草むらの上で座っていた。


髪はボサボサで、あたりには大量の血痕。


話を聞くと、急にこれまで育ててた魔物の軍勢が爆散し、何があったのかとアタフタしている内に気を失い、気づいたら人間になってて大量のオークに囲まれていたらしい。


危機一髪貞操は守られたらしいが、一号的にかなりのトラウマになったっぽい。


私は、迷わず全力で土下座した。


本当に、いやマジ、…いやほんと…っすぅ…ごめん。



…。



と、言うわけで役者は揃った。


左から砂で作った毛布にくるまる一号。

心配げにそれを見る二号に、後ろから頭を撫でる五号、絶対零度の目でこちらを見る三号、四号。


いや。

ごめん。

ほんとマジでごめんなさい。


「とりあえず…何があったかわかったからそのオリジナルの話をしてよ…。」


一号が弱々しく喋る。


「あ、では、話させていただきます…。」


冷や汗をダラダラ流しながら、私は話した。


この世界の成り立ちから、思わぬところで起こされた深刻な問題とその現状を。




















































{っすぅ…。}

{オーケー。だいたい理解した。}

{とりあえず私達が今からすることは、Code持ちの確認とその現状報告。}

{それと後、天使共の侵食状態と、神達の確認ってことね。}


そう。

まぁ天使達の確認は十分に安全策を取ってやってほしい。

普通にできなくても問題ないから、最優先Codeで、あとは適当でもいい。

君らが死んだら元も子もないから。


{把握しました。}


五号にはちょっときつい事させることになるけど…。


{構いません。}


ごめんね。


{…。}


それじゃあ、次の集合は…半年後にしよう。

もしCodeが見つけられなくても、半年後には帰っておいで。


{オッケー。}

{わかった。}

{りょーかい。}

{ぐー。}

{把握しました。}


それじゃあ、宜しく。


分体達が、転移魔法陣に向かっていく。


何度かフラッシュがあたりを照らした後そこには何も残っていなかった。


ふぅ…。


手をそらして上に伸ばす。

骨の隙間の空気がパキパキと音を鳴らす。


とりあえず、これが私が私である内にできる最後の準備だ。


計画を実行したら、私が私で…と言うか私が『根室妃奈』でいられる可能性はかなり低い。


一応手は残ってるけど、それはもはや希望的観測に基づいた勝手な憶測でしかない。


魔王の願いで始まったこの心だけど、失うのにはちょっと長く私はこの精神を身に宿しすぎた。


けど、感傷に浸ってる暇はない。


とりあえず、Code.3の影響を受けた第9層の崩壊パックを除去しないと。


転移魔法陣を制作する。


生み出されるは赤色の魔法陣。


私はそれを思いっきり踏み抜いた。



山:はい。と言うわけで、これにて主人公視点はしばらくお休みになります。


ア:やっとここまで来たんですか。


山:ここからはちょっと長めのお話が入ってくるんですが…


ア:そうなんですね。…主人公視点お休みって言ってましたけど、どのくらいになるんですか。


山:わかんない…


ア:え?


山:こっから始まる話と、僕の執筆速度を考えると、ワンチャン年単位で出ない可能性が微レ存…。


ア:…。


山:うん…いやー。なるべく頑張るつもりだけど…と、とりあえず次から新章開幕です!


ア:無理矢理ですね。


山:とりあえず1週間以内には投稿できる様に頑張るので宜しくお願いしまーす!



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