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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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267 異世界美少女受肉系細菌


{ミ美肉ってどう言うこと?}


{え、つか出来んの?}



あーうん。

てか、そうしてもらったほうが私としても都合がいい。



{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.10」を起動しました。}


{意識共有パイプが最高値に達するまで、残り「0.00秒」}


{接続されました。}


意識の糸が階層を貫通して一号のいるところまで瞬時に届く。


とりあえず、この話は一号にも参加してもらおうか。


{え、あ?オリジナル?}



おう一号。

ほんじゃ、これでとりあえず話せるやつは全員揃ったね。


それじゃ、これより「分体総ミ美肉計画」の概要を説明するぜ。


さっき私が分体達、っつかあいつらが洗脳してた奴を火龍の体で皆殺しにしたことで火龍の体は進化が可能になりました。


今の権能的にシステムに紐付いてるダンジョンエネミーの進化先を魂の制御なしに決定することはできないんだけど、火龍の進化形態からシステムに入り込んで私に紐付けされてる君らが洗脳してる魔物の進化先を無理やり変更することができます。


私自体のシステム上の表示は変えられないんだけど、こうする事で君らはシステムから完全に独立した存在になることができる。


つまり天使どもに捕捉されにくくなると言うわけだね。


それで完全独立存在となった君らにやってほしいことがその後あるんだけど、それについてはミ美肉計画が完遂した後に色々説明するわ。


OK?



{…は?}


{ごめん何言ってんのかマジでわかんなかった。}


{いや、いろいろと説明足りてない足りてない。}


{…。}



あれ。

マジでわかんない?



{わかるかよ。}


{システムとかの深淵系のこと今まで全部保留にしてきてたからな私ら。}


{ちょっと心配だぞオリジナル。}



おかしいな。

分体には私の天使の情報が還元されてないの?



{天使ってあの金髪のこと?}


{なんか間違えて初見のラノベを18話くらいから見ちゃった気分だわ。}


{言い得て妙だな。}



そっか。


んー。


どうしましょう。

一から全部説明するのもいいんだけど、ちょっと今は時間が割とやばいのよね。


カットできることはカットしたい。


とりあえず、先に私らのミ美肉計画を完遂させちゃっていい?



{私らへの情報共有よりミ美肉計画の方が重要事項なのね。}


{まぁ私らはオリジナルの分体だし、命令には従うけどさ。}


{進化っつってたけど具体的にはどうすればいい?}


{なんか魔物また狩って経験値増やした方がいいのか?}



話が早くて助かる。


特に君らは何もしなくても大丈夫だわ。


私が火龍の進化画面から君らの苗床の個体情報を操作する。



{そうか。}


{マジで何いってっかわかんないけど、オリジナルのことは信頼しておく。}



ありがと。



ID:oris、管理者権限、魂魄編集、進化項目オプション。


火龍アグニールの進化項目から分体達の苗床の個体情報を編集する。


{IDを確認しました。}


{この操作を行うには管理者権限Lv.9以上が必要です。}


{…認証中。}


{…認証しました。}


{分体の洗脳被個体の進化項目オプション:魂魄編集を行います。}



内容は…私の時のとおんなじでいいか。



{編集が完了しました。}


{進化項目変更を実行しますか?}



YES。



{実行しました。}


{次いで進化を実行します。}


{エラー。獲得経験値量が規定値に達していません。}



私の魂魄領域を使用。



{認証しました。}


{警告。魂魄領域の安定性が極度に低下しています。続行は輪廻に重大な影響を及ぼす可能性があります。}



構わない。

続行。

転生先はもう決まってるんだ。



{認証しました。}


{分体の進化を開始します。}



鑑定が言い終わるのを待たず、分体の進化が開始される。


極度に不安定になる分体通信。


分体が気を失ったらしい。


ほっと一息ついた時。



何かが私の心臓を貫く様を幻視した。



細長い手のような存在は私の心臓の中心をゆっくりと引っ掻いて抉って持ち去っていく。


溢れる血液。


全部幻だってわかってても不安が私を押しつぶす。


途端、私の意識までもが不安定になりだした。


クッソ。


体の内内が空虚になっていくような感覚。


魂が私と分体を繋ぐ糸を通して抜けていく。


結構ガタが来てたっぽい。


やっぱ時短に私の魂を使うのはマズったか。


でも、SPを無駄に消費できない限りこの方法が最善だったはず。


意識が急速に黒く染まっていく。


あれからずっと頭を刺し続けるこの痛みがより存在感を増していく。


空虚な痛みの最中、私の意識はゆっくりと断絶していった。


意識の昏霧のなか、もう存在しない唇を噛む。


私は間違ってない。


もうすぐ終わるこの世界に捧げる命に価値なんてない。

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