264 Code.??
世界を埋め尽くす白。
地面も空も、上下すらも曖昧な世界に存在するそれは愉快に会話していた。
「とまぁ、ここまでが前半戦って感じかな。ミクロな世界の大冒険、ここでようやく明かされる主人公の本当の正体とは?後編に続く!…的な?」
「後編て…よくもまぁそんな楽しげに語れるね。」
「なはは。まぁもう終わったことだし、過去は笑い話にして未来に繋げるのだよ。」
「獣でも過去の過ちはそれなりに反省するもんだけどね。」
「ディスの火力調整ミスってない?人が人なら死んでるよそれ。」
「笑ってるあなたが悪い。」
「えー。」
「笑い話とか反省とかの以前にあなたがするミスは洒落にならないのよ。ちゃんと未来のことも考えてくれないと。」
「それを考えるのは君の使命だろ?」
「最悪。まぁそうなんだけどさ。」
「にゃはは。あ、そういえば気になってたんだけどさ。」
人の女の姿をしたそれは立ち上がり、相方の人の少女の姿をしたそれに語りかけた。
「なに?」
「いつの間にそんな喋れるようになったの?六号。」
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{Code.10のインストールが完了しました。}
◯◯◯◯◯◯◯、 ◯ ◯◯◯◯◯ ◯ ◯ ◯◯ ◯◯◯◯ ◯
◯◯◯◯◯、◯◯◯ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
◯◯◯。
◯?
◯◯
◯◯◯◯◯◯?
◯ー。
{条件が一定に達しました。管理者権限Lv.10を獲得しました。}
△□◉□◉▽!
◉▽。
□□◉▽▽◯◯。
□◉▽◯□◉▽▽△。
{管理者権限Lv.10が特典スキル「鑑定Lv.28」に統合されました。}
{条件が一定に達しました。「鑑定Lv.30」を獲得しました。}
縺ゅ?縺ゅ?
縲ゅ←縺?□?溘%縺ョ險?
隱槭〒蜷医▲縺ヲ繧?
縺ゅl
縺ェ繧薙°驕輔≧縺ェ縺薙l
{条件が一定に達しました。「言語理解Lv.1」を獲得しました。}
あーあー。
あいうえおあお。
んー。
これだな。
はぁ。
まさか母国語を忘れる日が来るとは。
まぁ日本語が私にとっての母国語って言っていいのか正直怪しいところはあるけど。
{お、オリジナル?}
あ。
二号。
{大丈夫…なのか?}
ああうん。
肉体的なダメージはほとんどない。
そもそも洗脳って傀儡が死んでも操縦士にダメージはないからね。
ここまで連れてきてくれたのはゴシキンジャーが?
{ああまぁ、魔女っ子から吹っ飛ばされたオリジナルを回収して金髪を足止めしてる間にここに魔法陣で逃げてきた。}
おお。
ナイス。
つーか、あいつ足止めできたの?
{まぁ、分体部隊総力を上げてなんとか止めましたわ。}
すげーな。
こっち側の被害は?
{えー、死んだのが獣二号、四号3体、五号、九号、十一号8体、十五号、十六号4体、人型二号9体、三号、八号、十号、十八号、十九号、二十号三体、異形一号、三号、四号、五号、八号、十号、十三号、十九号、二十二号、三十五号、闇龍、その他は魔力欠乏によって瀕死ですかね。}
おうおうおう。
わりかし死んだな。
まぁ、そんだけいたら十分でしょ。
オーケー。
ほいじゃぁまずは、こんなミクロな世界から脱出しましょうか。
火龍!
世界が揺れる。
何か超巨大なものが周辺にたどり着いた感覚。
準備完了。
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.1」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.2」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.3」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.4」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.5」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.6」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.7」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.8」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.9」を発動します。} {アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。希少スキル「空間魔法Lv.10」を発動します。}
景色が一瞬で切り替わる。
何もない殺風景な景色が一転して超広大な脳漿の上。
ピンクの大地は果てしない広さを誇る。
いくら外見が強かろうと脳の形はほとんど変わらない。
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。バクテリア種固有スキル「大洗脳Lv.19」を発動します。}
エレクトロな刃を脳に突き立てる。
意識が吸い込まれた。
…
うっすらと目を開ける。
あたりに広がるは超広大な砂漠。
ところどころに金属の破片が転がっている。
コンクリートジャングルも成れの果てはこんな感じなんだろうか。
新しい体を軽く一瞥する。
マグマのような鱗、視点は人間だった時よりもはるか高く。
身体の内内から溢れ出る濃厚な魔力に脳がクラクラする。
ふぃ。
さてと。
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。バクテリア種固有スキル「分体爆破Lv.10」を発動します。}
瞬間。
あたり一面が爆ぜた。
血の噴水が彼方此方で吹き上がり、さながらペイントボール試合の後のようにカラフルに地面を染める。
{な。}
{…何を?}
ゴシキンジャーが呆然としたように聞いてくる。
しかし、その声は次いで聞こえてきたオート君の声にかき消された。
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しました。}
{経験値が一定に達しました。火龍のレベルが上昇しました。}
{各種ステータスが上昇しまし…
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オート君の叫び声は止まらない。
溢れるほどの経験値が、空きだらけの魂に吸収されていく。
さてさてさーて。
滅ぼそうか。
世界。




