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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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263 圧勝


浮遊感。


激しい土埃の中で私の意識は活性化した。


途端に激しい頭痛がぶり返す。


いだだだだだだだだだだだだだ!!


脳が捩れるほどの痛みを堪えつつ、辺りを見回す。


ここどこだ…。


風切音。


視界が晴れた先に広がっていたのは純青。

眼下には純白の雲の地面。


天上の世界の空を私は飛んでいた。


え、どうなってんのこれ…。


腹への若干の圧迫。


ってうお!


その感覚を想起した瞬間、私の脳は現状を把握した。


私の体は、体長3メートルほどの鳥型魔物に咥えられていた。


{とりまオリジナルの身は鳥3号に確保させた。}


驚く私のもとに届く分体三号の声。


{怪我の具合は?}


…正直言ってだいぶヤベェ。


頭痛は治らんし心臓に穴空いてるし。


{動ける?}


…だいぶキツイ。


目の霞と体の制御が全くうまくいかない。


とりま回復するまでは逃げ続け…


「Gya!!!」


突然、私を咥えて飛んでいた鳥3号が血を吐き叫び声を上げる。


その身は深々と円形に抉られていた。


チッ


着弾角度からだいたいの概算で発射位置を特定する。


未だ聳える女神像の下で点のようになった金髪が何処からか出した弓を構えているのが掠れながらもなんとか視認できた。


錐揉み回転しながら落下する私と鳥3号。


体の制御が効かない…!


急速に地面が迫る。


肝が冷えた。


地面に激突する寸前、鳥3号が触手を展開し、それと羽で私の身を包み込んだ。


強い衝撃。


私の身は接地とともに鳥3号から弾け出された。


ゴロゴロ地面を転がる。


霞む目の先で、鳥3号の生命反応が途絶えた。


腹の底で何かが煮えた。


クソが。


やってくれるじゃねーか。


地面に手をつき、ゆっくりと立ち上がる。


相変わらず頭はいくつもの五寸釘で突き刺されたような痛みを継続的に発し、本能はずっと警鐘を鳴らしている。


胸に空いた穴は修復できない。


落下でいくつかの骨が折れた。


服は全部血で汚れた。


けど。


{「身体超強化Lv.9」を発動しました。}


体のあちらこちらの不調が消える。


体の制御はうまく効かないにしろ、動けない程じゃない。


口元の血を拭う。


目鼻が異常に整った西洋風の金髪の男。

目にかかるほどに無造作に伸ばした前髪は内包する魔力でわずかに揺れている。

190センチ程度の身を包む白銀の鎧は数多の分体達の返り血で染まっている。


いつのまに剣に持ち替えたのか、金髪が振り向く。


一矢報いてやんよ。





火龍。


「gar…。」


私の呼びかけに答え、火龍が私の横に立つ。


悠然と地を踏み締めるそいつは尋常ならざる存在を前にしても一切の揺らぎを見せない。


危険を感じたのか金髪が剣の切先をこちら向け、構える。


ブレス!


{分体が固有スキル「火龍Lv.9」を発動しました。}


私の声と同時に火龍の口に瞬時に凝縮された炎の魔力が発射される。


爆音。


超高エネルギーのそれを剣一本で受け止めた金髪がお返しと言わんばかりに金色の光線を放つ。


身を翻してそれを避けた火龍は炎の翼を展開し、ロケット噴射のように加速し、一瞬でその距離を詰めた後その爪を金髪に突き立てた。


間一髪剣で弾き返す金髪。

若干体勢が緩んだ。


{希少スキル「忍身Lv.5」を解除しました。}

{通常スキル「威圧Lv.10」を発動しました。}


「なっ」


極大の殺気。


天界に染まった景色が揺らぐほどの威圧。


背後に回り込んだ私に反応しようと振り返る金髪。


が、その身は影から現れた数十の腕に止められた。


不定形の泥のような異形が勇者の身に絡みつく。


固まる勇者の顔面を全力で殴った。


魔女っ子の細腕は自然法則に反して超高威力の物理ダメージを金髪に直撃させた。


「ぶっ」


鼻血を吹き出し、前方に吹き飛ばされる金髪。


その先では闇龍と地龍がブレスを貯めて待ち構えていた。


「ッ『祝福』!!」


女神像が光った。


{分体が固有スキル「闇龍Lv.7」を発動しました。}

{分体が固有スキル「地龍Lv.5」を発動しました。}



極太の光線が放たれる。


そのまま吹き飛ばされる金髪。


作り出された神殿の柱にぶち当たる。


神殿の一部が崩れ落ち、瓦礫が雨となって降り注いだ。


舞う土埃。


うっすらと土煙が晴れた先で、金髪はゆっくりと立ち上がった。


「…生まれたての天使にここまでの力があるとは思わなかった。」


そう呟く金髪の姿は先ほどから変容していた。


白銀のプレートアーマーは金色に輝き、背には純白の羽、頭には光の輪が浮いている。


構えた剣は聖気を発し、燃えるように発光している。


「神判。」


途端、女神の姿が消えた。


同時に、金髪の内包する魔力が爆増する。


目に星を宿した金髪が、真っ直ぐに魔女っ子を直視した。


「参る。」



その瞬間。



世界が光で満ちた。


羽が舞い、赤が浮いた。


蝶々が飛んだ。


異界が枯れた。


脳がイカれた。


思考は途切れた。


剥がれておちた。


カオス。




あぁ?



魔女っ子の頭部の三割がそのとき消し飛んだ。


{エラーが発生しました。バクテリア種固有スキル「大洗脳Lv.19」を解除します。}

山:はい。


ア:はい。じゃないですよ。


山:はい…。


ア:またですか。


山:はい…


ア:テストがあって先週の金曜日まで投稿できなかったのはまだ認めます。でも土日全部サボるとか何してるんですか。


山:2年ぶりの土日フル休みにハッピーになっちゃった…。


ア:バカなんですか。


山:ユルシテクダサイ


ア:…今本編いいところなんですからもうちょっと筆を早くしてください。


山:はい…。



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