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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第六章 ミクロな世界の真実

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301/551

261 亜神ト化ス



鉄巨人が大きく両の拳を振り上げる。


見た目以上の柔軟さでその身をしならせ、そのままそれを地面に叩きつけた。


爆裂。


周速度の公式に従って鉄巨人の身長を直径とした拳の終端速度は尋常でない質量を伴って激烈な衝撃を砂漠にもたらした。


ある程度の衝撃を吸収するはずの砂漠の砂を軽々と捲り上らせ、さっきまで私がいた場所を跡形もなく消し飛ばした。


茶色の粒子がまたも天高く舞い、そしてそれは先ほどとは違いしばらく落下しなかった。


鉄巨人が回避した私を見失ったのか家ほどもある頭をふり、私を索敵する。


探される以前にこっちから出てってやる。


触手推進で鉄巨人の前まで飛び出す。


触手推進でこんな高度まで飛んだ事ないからちょっと不安だけど、もしもの時はマジの羽を持ってる龍達に助けて貰えばいい。


私と同じ高度で目線があった鉄巨人が驚いたように目にあたるであろう場所を光らせる。


全身の血管のようなパイプが黄色く光り、私を落とさんと再度光を充填する。


だけど、もう遅い。


私に気を取られてる隙に背後に回った四体の化け物。


魔物in二号三号四号五号がそれぞれの魔物を操作し、鉄巨人の脳天を狙う。


闇と光と火炎と物理が一緒くたになって鉄巨人の後頭部に直撃した。


爆発音と共に頭から煙を吹き出し前に頭を揺らす鉄巨人。


いくつかの回路がショートしたのか、鉄巨人の頭部にはいくつかのスパークが散っていた。


{希少スキル「身体超強化Lv.9」を発動しました。}


{希少スキル「聖洸魔法Lv.7」を発動しました。}


{希少スキル「腐蝕大攻撃 Lv.6」を発動しました。}


ピンポンでもするかのように、今度は私側から攻撃を仕掛ける。


紫と白が混ざった物理攻撃は鉄巨人の半端に硬い頭部装甲に深く減り込み、反動でその頭を大きくのけぞらせた。


流石に危険を感じとったのか、突如として鉄巨人の光背が展開し、四つに分離した。


それはそれぞれブースターとして機能し、羽のない鉄の塊を背後に大きく飛ばした。


歪になった顔面を傾けながら、手を大きく広げる鉄巨人。


ブースターの役割をしていた光背がさらに変容し、8つに分かれ、巨大な二重の円の形となって激しく回転する。


それらは内で膨大な量の魔力を雷に変え、さながら雷神の雷鼓のように帯電していた。


鉄巨人が手を前に掲げると、光背に帯電していた電気エネルギーが鉄巨人の体内に吸収され、鉄巨人の体が淡く発光し出した。


鉄巨人が手を振り下ろすと同時に背中から展開したいくつかの砲身から雷の力を有した巨大なミサイルが発射された。


紫色のスパークの混じったブースターが音速と見紛う速度で接近する。


人型16号!獣8号!異形19号!


私の命令に依って前に飛び出した三体の魔物が巨大な地の壁を建設する。


軽々と破壊されるかに見えた地の壁は飛んできたミサイルを容易に吸収し、その内に取り込んだ。


土の中で爆裂したミサイルは膨大な熱量と電気エネルギーを周囲の押し固められた土を少々溶かすのに使い切った。


私を破壊できないことに苛立ちを覚えたのか、執拗に攻撃を繰り返す鉄巨人。


が、しかし鉄巨人の全ての攻撃は茶色の防御壁に反射された。


大きく雄叫びを上げる鉄巨人。


一戸建て程度の大きさの拳とマンション並みの太さの足が何度も何度も繰り出される。


が、しかしそれらは全て地の壁に阻まれ無効に終わった。


見境を失った獣のように鉄巨人は暴れ、私のいる場所を覗くそのほとんどを破壊した。


鉄巨人の両の手から生み出された烈風が辺りを削り、吹き上げられた鉄と岩は引斥魔法によって数多の槍と化した。


そのうちの一つ、一際大きな鉄の塊が岩壁に突き刺さる。


これまで全くの不動を見せていた土の障壁は、この時初めて傷つけられ、そしてそのまま消失した。


重力に従って崩れ、顕になった魔物共を見、壊れた顔をさらに歪ませた鉄巨人は一瞬でその表情を凍り付かせた。


{分体が龍種固有スキル「炎龍Lv.9」を発動しました。}

{分体が異形種固有スキル「肉変lv.17」を発動しました。}

{分体が異形種固有スキル「変遷Lv.16」を発動しました。}

{分体が幻獣種固有スキル「咆哮Lv.12」を発動しました。}

{分体が亜人種固有スキル「同化Lv.8」を発動しました。}

{分体が異形種固有スキル「複製Lv.11」を発動しました。}

{分体が龍種固有スキル「地龍Lv.5」を発動しました。}

{分体が竜種固有スキル「闇龍Lv.6」を発動しました。}

{分体が亜人種固有スキル「共有Lv.7」を発動しました。}

{分体が異形種固有スキル…





極光。


あらゆる色とあらゆる特性の入り混じった膨大なエネルギーは喚きながら拳を振り下ろそうとした鉄巨人を端から飲み込んだ。


後には、肩から上が綺麗に円形に消し飛んだ鉄巨人の残骸のみが残った。


ゆっくりと瓦礫を撒き散らしながら後方に倒れ込む鉄巨人。


その全身が砂に横たえられた瞬間、凄まじい衝撃があたりを襲った。


突き揺らすような縦揺れ。


私の体はポップコーンみたいに宙に浮いた。


慌てて体勢を立て直す。


スーパーヒーロー的な着地で地面に降り立つ。


同時に大量の砂が頭上から降ってきた。


砂が私と分体と鉄巨人を覆っていく。



…。



全身に被った砂埃を手ではたき落とす。


乱れた白髪を手櫛で整える。


ゆっくりと息を整え、膝に手をつき、そして


はぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ。


{クソデカため息}


…いやはやいやはや。


はぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ。


意外となんとかなったねー。


ステータスを最初見た時は結構高くてビビったけど、やはり分体の力は偉大だったというわけなのだね。


まぁ普通に考えて水龍をタイマンで倒せるくらいのスキルを持った魔物が数百体いるわけだし、勝利の方程式は端から決定されていたのだね。


これで一安心。


チラリと、ぶっ倒れた鉄巨人の残骸を見る。


かなりその体積を削られながらもなおとんでもない大きさを誇る鉄巨人の姿。


地面と垂直に立った足裏の高さは五階建ての建物くらいの大きさがある。


体のあちらこちらからスパークが走り、おそらく巨人のコアと思しき心臓付近の光が徐々に失われ、その機能を停止していく。


モーターの唸り声が低速になるにつれて低くなっていく。


そしてそれは完全に停止した。


終わった…かな?


ほっと胸を撫で下ろしt












{人族、名 リルラク・フォン・サラのレベルが100に達しました。}



{条件が一定に達しました。称号(天ノ使イ)を獲得しました。}



{条件が一定に達しました。進化を開始します。}



{あ 英 の。浮い た方 浮いた う、 エ?

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