252 厄疫バクテリア・ネル
{進化項目
・ネル・ア・ガル}
{ネル・ア・ガル
ミクロ種最上位個体の弌柱。
あらゆる厄疫の頂点に立ち、数多の固有スキルを保有する。}
ついに来たか。
ついに来ちまったよ。
ついに来てしまったのだよ。
最終進化形態。
まぁフォートの例があるし、これが一番最後の進化ってのはわからないんだけど。
名前は、ネル・ア・ガル。
語源はいつもの通り全くわからん。
多分何処かしらの言語から引っ張ってきたのか、完全な造語なのかどっちかなんでしょう。
少なくとも日本語じゃないことは確かだね。
まぁ略称は単純にネルでいいか。
んで、今回の進化項目の特徴なんだけど、それは単純に過去最少って点だ。
と言うのも、まぁみたらわかるけど、今回の進化先はこのネル以外に存在しない。
パクテルの時からなんとなく察してたことだけど、進化先ってのは段々と収束していくっぽいね。
最終的な進化はいっちばん始めの〇〇バクテリアの選択の時点で既に決まってて、そこから順繰りに狭まってく道通ってくって感じになるんだろうね。
ミクロ種最上位個体がルートやネル以外に何体いるのかは気になるところだけど、それに成る過程に若干の差異があれど最終的に数体の種に決着するってのは変わらないとは思う。
そんで、今回に関しては選択肢もないし、もうそのまま議論の余地なく進化しちゃおう!
…って感じで行こうと思ったんだけど、ここは異世界(?)歴約1年近く(多分)のこの私。
数多の失敗から学んだことはたくさんある。
流石にアホみたいに突撃はしませんよ。
まずは事前確認、かつ何回かの試行実験。
これ大事ね。
準備はいくらでもできるけど失敗は一回しか出来ない。
命大事に。
とりあえずは、ネルの説明文を一つずつ調べていこう。
…とりま、これかな。
「ミクロ種最上位個体」。
結構前、それこそパクテルの時からチラチラみてきたやつだけどそういえば詳しくはみてこなかったこの文言。
フォートの時にも「エスプリット種最上位個体」とかみてたし、ミクロ系の一番強いやつっていう認識はあるんだけど、詳しいことはいまいちよくわかってないこの文言。
鑑定してみますか!
オート君。
{了。}
{ミクロ種最上位個体
崩壊シナリオ実行プログラム実行端末タイプ「崩壊パックⅣ」の最上位管理個体。}
…おっとぉ?
…。
{崩壊シナリオ
閲覧権限が一定レベルに達していません。}
{崩壊シナリオ実行プログラム実行端末
閲覧権限が一定レベルに達していません。}
{崩壊パックⅣ
閲覧権限が一定レベルに達していません。}
{最上位管理個体
ある一定の管理者権限を付与された実行端末の総称。}
チッ。
まーたでたよ。
この世界のガチ深淵系単語共。
閲覧権限が云々って出てくるってことは、これがCodeシリーズとかと同等の世界システム系のものって事がわかるね。
まぁそれ以外のことは正味全くわかんないんだけど。
つーか、崩壊シナリオって前にもみたな。
えーと…確か経験値の欄だったはず。
オート君。
{経験値
・術者の魂強度の現状最大値を表示する。
・魂上限値の最大数が一定の値に達することで術者のレベルアップが行われる。
・現在の術者の上限は263,768,453。
・術者が殺害された場合経験値実数は殺害をした対象に譲渡される。
・術者が自殺及び事故による死亡をした場合、経験値はシステムに回帰され、輪廻エネルギー、世界魔力、及びダンジョン内に発生する各種魔物に振り分けられる。
・一部スキル及び権能以外において経験値は消費されない。
・各魂に保存された経験値実数は世界プログラム中枢に送信され、記録される。
・各魂の経験値実数は崩壊シナリオに置いて再配置され各ランク付けがなされる。
・魔物生成に置いて各魂のランクは経験値量によって左右される。
・経験値実数の最大獲得上限は各魂の神付加領域に依存し、その領域を超越した場合は速やかにシステムに還元される。術者の神付加領域圧迫率9223372036854775807%
特記事項:上記事項は現状経験値補助及び中枢による魂保護が終了した場合を推定。}
{・各魂の経験値実数は崩壊シナリオに置いて再配置され各ランク付けがなされる。}
やっぱあった。
んー。
でも結局詳しいことはわからんなー。
ただ、今回新しく追加された深淵系単語共を繋げてみると、なんとなくの概要は掴めてきた気がする。
多分だけど、「ミクロ種最上位個体」って言うのは「崩壊シナリオ」を引き起こすための「崩壊パックⅣ」ってのに入ってる一つの要素なんじゃないかな?
ちょうどネルの説明文が{あらゆる厄疫の頂点に立つ}だし、病原体として世界を滅ぼすとか普通にあり得そうだしね。
つーか、普通に今の私の状態ですら多分だけど人間程度の世界文明なら簡単に滅ぼせるかもしれんしな。
まぁここまではあくまでも仮説だから詳しいことはいえないけど、ここの文章に取り敢えずの直近の不安要素はあんまりなさそう。




